大鎌倉を辿る:太寧寺のへそ藥師
横浜市金沢区片吹の太寧寺は海藏山と号し、臨済宗建長寺派に属します。本堂脇に伝源範頼の墓があります。本尊は五尺許の藥師如来立像、俗にへそ藥師と云われる由来は。
「昔、この村の貧しい少女が、「へそ」を作り売った代金で父母の命日の供養を勤めようと思いました。しかし「へそ」を買ってくれる人はいません。ところがある日、童子がやって来て「へそ」を買ってくれたので、無事に供養を済ませることが出来ました。しかし不思議なこともあると思っていましたが、ある日この藥師の前に多くの「へそ」があるのを見つけて、如來の化身が買ってくれたことを知ります。以來、人々はこの藥師をへそ藥師と呼びます」。
「へそ(写真左)」とは糸を巻いて玉状または環状にしたもの、布を織るのに使う中間材料で「苧環(おだまき)」「おみ」とも云われます。素材により制作過程(写真右)は変わるかも知れませんが、大変な作業であることは想像出来ます。そういうことを知ると、昔の文書の意味がより分かってきます。
太寧寺については、こちらを参照願います。
引用文献
1.「布 うつくしき日本の手仕事」 横浜歴史博物館企画展展示
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