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2020年9月

2020年9月 2日 (水)

千駄ヶ谷のコレアン(Korean)

Photo_20200902224201  昨日の東京新聞朝刊の筆洗は、日本の現代演劇に偉大な足跡を残した千田是也の名前の謂れに触れています。縁起の良い名前にも見えるが、そこに隠れているのは傷ついた記憶、関東大震災後の朝鮮人虐殺事件です。

 新聞の内容は限られますが、本人の文書から掻い摘んで。
 震災後に朝鮮人の襲撃があるとのうわさが飛び交い、自警団が編成される。集団に合流できず一人で歩いていた時、朝鮮人に間違えられてもうダメだと覚悟するまで追い詰められた時、知り合いがいて救われる。
 後に震災の混乱を利用して、階級的対立を民族的対立にすり替え、大衆の不満をそらそうとして流されたデマが根源にあると知って愕然とする。その自戒をこめて、センダ・コレヤつまり「千駄ヶ谷のコレアン(Korean)」という芸名を付ける。

 ちくま文庫「関東大震災の直後 朝鮮人と日本人」中の「文化人らの証言 その後の回想」の章に掲載されている。他にも有名無名の人たちの文書が掲載されているが、例えば志賀直哉、秋田雨雀、芥川龍之介など。

 市井の人たちが集団で分別を欠く恐ろしさに暗澹とさせられる。その場に立った時、自分ならどうするか、どうしたか深く考えさせられる。

  (2020年9月2日記録)

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