路上観察:逗子市は面白い?
この季節、逗子市と言えば海に注目が集まりますが、ここでは池子遺跡資料館が面白かった話です。
資料館の話の前に、池子と言えば、神奈川県逗子市(大半)と横浜市金沢区(一部)にまたがる在日米軍施設の池子住宅地区及び海軍補助施設としての認識が強いです。
その前は、1938(昭和13)年に設置された大日本帝国海軍の施設でした。いまでも山側を歩くと、往時の痕跡が残っています。
資料館は3階建てで、展示室は3階の一角の90平方メートル弱です。池子の発掘品だけですし、陳列ケースに最密充填したような展示ですから、じっくり見学するとそれなりに時間はかかります。
資料館は常時公開されているのですが、行った時は私一人だけ、小一時間見学していたのですが、その間に誰もきませんでした。どうも、見学者はあまり来ない様子を感じました。
資料館の展示品は、縄文期から近代にまで及びますが、近代の発掘品のキャプションが、何とも生々しいです。軍隊が押し寄せる時は、こんなものなのでしょう。決して池子だけではないと思います。
ところで、なぜここに資料館ができたのか。米軍施設建設に際して埋蔵文化財が影響することが予想されたので、神奈川県埋蔵文化センターと財団法人かながわ考古学財団が、調査と同時に発掘品保存のために造られたそうです。
中世遺跡として、鎌倉周辺に見られるやぐらと呼ばれる石窟遺跡が、山裾に多くあったそうです。写真展示がありましたけれど、現物は米軍施設内ですから何とも。
ちょっと話は飛びますが、春先に公開されていた名越切通しのまんだら堂やぐら群はここから近いです。
いずれもA3三つ折りのパンフレットを頂きましたが、基礎的な知識はこれで得られます。逗子市教育委員会の発行で、あり難く思います。
鎌倉と鎌倉の外港である六浦を結ぶ街道の一つが、鎌倉・名越切通し・池子・六浦と繋がる浦賀道沿い。もっと内陸部を通るのが、鎌倉・朝比奈切通し・六浦と繋がる金沢道。このように考えて時代の矛盾がないかは、これから少しづつ調べます。
池子を過ぎて、坂東三十三観音の第二番札所海雲山岩殿寺に行ったのですが、その話は次の機会に。
(2017年8月7日記録)
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