路上観察:水と土の芸術祭2015
8月11日11時新潟駅着。南口観光案内センターで、バックパックを今夕の宿泊先へ配送依頼(手ぶらで観光サービス)。基本はレンタカー利用だが、ベースキャンプ会場は駐車場がないため、駅から公共バスと巡回バスで向かう。レンタカーは、ベースキャンプから戻った後から利用。土地勘があれば工夫の余地はあるかも知れないが、新潟初訪問の私には無理。
8月12日15時新潟発。滞在は約1.5日相当。予定は各会場を巡回するつもりだったが、見残しが多い。行けば何とかなると思っていたので事前調査は殆ど無し。これは失敗。
第1日目。駅周辺の主要道路は幅広く、空中架線がなく、ビルが低くて空が広く、それだけのことだが美しい街だと思う。公共バスで、古町のインフォメーションへ。
巡回バスでベースキャンプ・旧二葉中学校へ。まだ新しい感じもする廃校舎に、何か大きな変化が起きていることを実感させられる。こじんまりした手作り感のある作品が多い。立派な仏壇を分解展示する作品、パーツが結構多い。他所で何層倍も大きな仏壇を見かけるが、先祖代々が繋がらなくなることも少なくない昨今、考えさせられる。身軽が良い。
万代橋近くの竹で作ったドーム。ぽつんと有るだけで物珍しさはあるけれど、それ以上に発展しない。土日なら、何かイベントがあるのだろうか。
レンタカー借用。建屋を見るだけだがリュートピアに立ち寄る。立派で美しく、夜になって灯が入れば一層美しいだろう。「NOISM」のディスプレイが。いつか、ホームの「NOISM」を見に来るぞと思う。
鳥屋野潟に向かう。名前は以前より知るものの、市中にこんなに広い潟があることを知る。道が判らず、辿り着けなかった作品が多い。
宿泊は弥彦温泉。日本海沿いに夕焼けドライブの予定だったが、天気も悪く、道も判らなかくて直行。新潟市内宿泊でも良かった。
第2日目。厚い信仰の存在が感じられる弥彦神社参拝。神道を否定しないが、歪められた過去が引っかかる。
弥彦山を超えて海側へ。山頂は霧、佐渡どころか眼下の海岸すら見えたり見えなかったり。
海岸沿いのドライブウェイを新潟方面に戻りながら作品鑑賞。と言いながら見落としが多い。気付いても戻る気はしない。横目で見る海水浴場も人が少ない、って湘南と比べても。
佐潟はラムサール条約登録の湿地だが見た目は湖。野外観察センターで双眼鏡を覗く。開花中の蓮の前でサギが餌を食む。二つの作品を見るには、潟を半周ほど歩く。人が身に着けたもを作品に仕立て上げることに既視感はあるが、泥にまみれたパンツの林立に先人の苦難を思い起こすのは容易だ。郷土にしがみ付くしかない人がいた。
上堰潟は半分は乾いていたが、増水期は水が入るのだろう。地面は柔らかくて弾むようだ。そこにアーチ状の作品、上に乗ればフワフワと弾む。
芸術祭は真正面から受け止めるけれど、心構えは、作品に導かれて自然の中を彷徨する感じが正しい接し方のように思う。ホワイト・キューブに納まった作品を鑑賞するわけではないのだから。
そのためには正味3日が要りそうだ。そうすれば「水と土」の環境を含めて新潟の自然を理解できただろう。それでも「新潟の潟」の意味を少し知った。
郊外型芸術祭に、便利さを期待する方が悪いようなものだ。それでも遠来の客のために、もう少し丁寧な案内を期待したい。昼食も適当な所が見つからない。週末に出かける方が何かと便利そうだ。次の機会はそうしよう。
(2015年8月27日記録)
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