路上観察:越後妻有アートトリエンナーレ2015
前日に新潟から移動、越後湯沢駅着16時。直前に予定変更したので宿泊は五日町。十日町まで小一時間。トミオカホワイト美術館、八海山泉ビール蒸留所、八海山ロープウェアーが近いけれど、残念ながらどこも寄れなかった。
第1日目。今回は新作中心に回るつもりで、今日は松代・松之山・津南町山間部の予定。しかし、思うほど回れなかった。
「草間彌生」「カバコフ夫妻」は第一回作品で飽きるほど見たが、それでも妻有に来たことを実感させてくれる。
「田中望・京につながる越後妻有郷」はどうしても見たかった。妻有の伝承を行灯に仕立てた現代の鳥獣戯画か。
今年の2月の横浜美術館「潮つ路」。秋田の文化・信仰・伝統芸能・祭などにまつわる伝承をテーマにした作品で埋め尽くした個人展が思い返される。2月時点では山形芸工大の博士課程に在籍していたが。
「カバコフ」の新作を見たくて松代の裏山中腹まで上がったけれど、人生を作品にされたところで。
蓬平の「古巻和芳+夜間工房」、ここは絹、養蚕をテーマにしているが、今回は裾の長い白無垢の衣装。鶴の模様が美しい。
「大巻伸嗣」は暗くて写真が写らなかった。煙を閉じ込めたシャボン玉が浮かび上がる作品。ちょっと押しつけがましい気がしないでもない。かつて、ヨコハマトリエンナーレで無数のシャボン玉を飛ばせた時は夢を感じたけれど。
「名工大石松研究室・狐の棚田プロジェクト」、上から見下ろした写真だが狐に見えるか。
山奥の「日比野克彦・明後日新聞」。2003年から土地と一体になって活動している。初めてではないが来てしまう。本人がいた。
「奴奈川キャンパス」は、いろいろ作品があったけれど、印象深い作品に出会わなかった。
第2日目、雨。十日町の北の方から津南町にかけて回る予定だったが。
「もぐらの館」は旧東下組小学校を利用して土に関係する作品。統一テーマは以前から変わらないが、土の温かみを感じられて好き、校庭に展示された「風還元「球体 01」」など。
「うぶすなの家」は大変混雑、地元の女性たちが食事を提供してくれるのも人気の一つか。
十日町の拠点・キナーレ。何回も来たが第2駐車場に車を止めたのは初めて。結構な人出だ。
キナーレは四角い建物の中央が池、そこに「蔡國強・蓬莱山」。周囲に藁で作った航空母艦などが吊るされていて、いろいろ考える。前回はボルタンスキーが古着の山を築いていたけれど、池の中央には山が似合うか。
前庭の穴に一日中入り込んでいるのは「開発好明・モグラTV」。客が入れ代わり立ち代わりモグラに話しかける。現代芸術を身近にする。
中里の山中「施海・森の夢」。隣の墓地に新盆だろう、横浜で見ない特別な飾りの墓が二つほど。
越後湯沢に向かう途中で「うつすいえ|うつすにわ」、多少内装が変わっていて、自分あてのメールを書く作品。
予定の半分も観られなかった。2011年、黄金町のヨコトリ関連企画で遺影撮影、今回撮りなおす予定だったが名ケ山写真館に寄れなかった。「磯部行久・土石流のモニュメント」「JR飯山線アートプロジェクト」「アジア写真映像館」「川俣正・ツマリ・ジオラマ」は予定したが、見られなかった。
越後湯沢駅で風呂に入り、ビールで涼をとり、18時に車中の人となった。
第一回から欠かさず出かけた越後妻有アートトリエンナーレも、今回で卒業かな。来年は東北へ向かおう。
(2015年8月27日記録)
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コメント
キナーレの中庭、蓬莱山より前回の古着の山の方が迫力ありましたね。狙いは良いのでしょうが、蓬莱山は神秘的でビックなイメージがあるので、それをグリーンの△だけで表すのは無理がありますよね。むしろ廻りにある藁の舟、田島征三さんの様にポスターカラーでカラフルにした方が面白いのではと感じました。
なお、「もぐらTV」は見るのを逃しました。残念!
投稿: 比留間健一 | 2015年9月 2日 (水) 20時52分