« 演劇:TPAMショーケース「ソーシャルストリップ」 | トップページ | 美術:横浜美術館『田中望展』 »

2015年2月20日 (金)

演劇:岡崎藝術座「+51 アビアシオン,サンボルハ」

  作・演出 神里雄大
  出演   小野正彦
       大村わたる(柿喰う客)
       児玉磨利(松竹芸能)

  会場   横浜・ST スポット
  公演   2015年2月13日(金)~20日(金)
  鑑賞   2015年2月18日(水) 19:30~21:00
  参考   岡崎藝術座

 岡崎藝術座を観るのは初めて、名前は承知していた。それ以上の情報は把握せず、どのような演劇を展開しているかも知らなかった。情報化時代か情報時代か、現代がそのいずれかは知らないけれど、キーワード検索すればそれなりに情報は得られる時代だ。でも予備知識なしでことに臨むのも、たまには必要だ。

 「+51 アビアシオン,サンボルハ」も妙なタイトルだと思っていた。要はペルー国サンボルハ地区アビアシオン、劇中で直に語られたか否かは定かでない。それはさておき、ペルー・沖縄・札幌、多くの地名が出た。貫くのは南米ペルー出身の神里のルーツを探る旅の劇化。それに、メキシコ演劇の父と言われる佐野碩、ペルーなどへの支援を続ける実業家の神内良一の話題が絡む。

 ルーツを探る旅をテーマにするのは興味深い。国内でも、貧しい生活を逃れるためであったり、農家の次男坊・三男坊が生地を後にしなければならない状況はあった。それに海外が絡むならば、なお複雑な環境に投げ出されたことだろう。神里の経歴は認識しないが、それでも一般的な意味で、口に出したい多くのことがあった、あるいはあるような気がする。興味深いテーマだし、大いに語ってほしい所だ。

 しかし演出は言語表現中心で、身体表現にそれほどの情報量はなかった。すなわち、語られる内容をしっかり受け止められないと、理解も深まらない。よって劇団や神里についての予備知識は必要だったかも知れない。と後で思った。

 もう一つは、ルーツ探しと佐野碩や神内良一との絡みが良く理解できなかった。面白そうなエピソードではあるけれど、相互補完に至らないと感じだ。それも理解の深まらなかった理由だ。残念ながら荒削り、磨きが不足していたように感じる。

 しかし、岡崎藝術座・神里雄大に対して興味を失ったかと問われれば、決してそんなことはない。というより興味が増大した。理由は、扱うテーマが本格的であること、古い言葉で言えば社会派に属する優しい視点があるような気がするから。

 個々の舞台に善し悪しがあったとしても、それで劇団の良し悪しを判断するのは危険だろう。それで良い場合もあるけれど、岡崎藝術座は二度三度観てからの判断でも遅すぎることはない。また出かけよう。

 ここからは付けたし。直接、岡崎藝術座には関係ない。

 舞台を観ながら思い浮かんだことがある。SCOT・鈴木忠志の演劇で、良く野外劇場に響く劇中歌がある。

 『人多くして土地狭き/我が日本の悩みをば/我らが腕もて拓かなん/いざ赴かん新天地/五箇の闘魂火と燃えり』

 五箇とは越中五箇山のこと、劇中では五箇を利賀と置き換えていたと思う。秘境と言われる利賀から広島(?)などへ集団で入植して言った歴史があったようだ。その利賀は限界集落化して、無住の家も散見するようになった。一体全体、日本はどこに向かっているのだろうか。

   (2015年2月19日消記録)

|

« 演劇:TPAMショーケース「ソーシャルストリップ」 | トップページ | 美術:横浜美術館『田中望展』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180824/61165010

この記事へのトラックバック一覧です: 演劇:岡崎藝術座「+51 アビアシオン,サンボルハ」:

« 演劇:TPAMショーケース「ソーシャルストリップ」 | トップページ | 美術:横浜美術館『田中望展』 »