« 随想:芸術新潮2015年1月号記事中「2014年夏の、そして冬の性器をめぐる2、3の出来事 股間著聞集」メモ | トップページ | 舞踊:Noism1「ASU ~不可視への献身」 »

2015年2月 5日 (木)

音楽:神奈川フィル第305回定期演奏会

  指揮   サッシャ・ゲッツェル(首席客演指揮者)

  独唱   チーデム・ソヤルスラン(ソプラノ)

  演奏   神奈川フィルハーモニー管弦楽団   

  曲目   コルンゴルト  :組曲「シュトラウシアーナ」
       R.シュトラウス :4つの最後の歌
       ブルックナー  :交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版)

  会場   横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演   2015年1月25日14:00~16:00(休憩20分)

 

 組曲「シュトラウシアーナ」   既に県民ホール定期演奏会を聴いているとはいえ、年が変わって初の定期演奏会、祝意を表す選曲であろう。とは言え、録音でも聴いたことがない。ポルカ・マズルカ・ワルツの3部からなる構成。ピッチカートで始まった曲は、シュトラウスⅡ世の「新ピッチカート・ポルカ」のようだ。「シュトラウシアーナ」とはそういうことと後で気づく。シュトラウスⅡ世の本歌取り、華やかさを増してウィーンの香りが色濃くなったのだろうか。まあ、知る由もないのだけれど。

 

 4つの最後の歌  ソヤルスランはゲッツェルより背が高いように見えた。足元がドレスの中で確認できないが。身体もがっしりした印象、声は太めと感じた。経歴には、「魔笛:夜の女王」役でデビュー、「後宮からの逃走:コンスタンツェ」「リゴレット:ジルダ」などに出演とある。オペラ歌手は運動選手ではないけれど、フィジカルの優れていることも大切だろうと感じた。

 「4つの最後の歌」は死をテーマにする哀しみを淡々と歌い上げる。ソヤルスランの声質にもよるのだろう、言葉の理解を欠く私にも思いは十分に伝わってきた。
 オーケストラ伴奏の歌曲を生で聴くのは初めて。録音のようにはいかないと思っていたが、オーケストラも抑制しつつ、歌手を良く引き立てていた。ビオラとチェロは終始二つのパートに分かれ、他のパートも曲によって分かれる。ホルンやヴァイオリンのソロ、フルートの鳥の描写などを含めて繊細な印象で響いた。
 オーケストラ伴奏による歌曲を聴く機会は初めて、基準がなかったけれどこんな感じに響くと言うことを知った。ただ、聴く機会は少ないので、次はオペラのソヤルスランを聴きたいものだ。

 交響曲第9番  休憩を終えてステージ上も賑やかになった。第1ヴァイオリンが1プルト増えて5プルト、ホルンが8など、ステージ一杯に楽員が広がっている。

 未完成の3楽章構成ながら1時間ほどを要する長大な楽曲。ブルックナーは未だ疎遠な作曲家で確固たる思いは無いけれど、作曲の経緯などを加味すれば深奥なものが底流に漂うのだろう。しかし長大な楽曲ながら、そこまで時間を要したとは思えないほど短く感じられた。それを軽みと言ってしまえば、この曲に対しての賛辞にはなりそうもないけれど、必ずしもネガティブな思いは込めていない。

 第2楽章の大胆な響きとリズム、それは「春の祭典」を想起させるように、あるいはもっと迫力を持って迫ってくるように感じた。そういう部分もあるのだが、生々しい方には落ち込まない、達観した響きに終始した思いがする。東洋的な雰囲気があるような気もするし。ゲッツェル+神奈川フィルの作り上げた世界だけれど、それも悪くないと思った。

 残念ながら録音では判らない所もあるし、生演奏を何回も聴きたいところだが、そう狙って聴けるものでもないし。修業は必須だけれど、さてどうしたら良いものか。

 コルンゴルトは本歌取りの面白さを含めて、楽しさ溢れる楽曲。R.シュトラウス、ブルックナーは閉じ行く人生の崇高さを表現しようとしたもの。しかし、わりと淡々と聴き入ったのは、演奏と当日のプログラムの妙のようなものだろう。門松が冥土の旅への一里塚ならば、年初にあたってさりげなく歳月の流れを感じるのも良いことだ。音楽は、そういうことをソフトに気付かせてくれる。

   (2015年2月4日記録)

| |

« 随想:芸術新潮2015年1月号記事中「2014年夏の、そして冬の性器をめぐる2、3の出来事 股間著聞集」メモ | トップページ | 舞踊:Noism1「ASU ~不可視への献身」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 音楽:神奈川フィル第305回定期演奏会:

« 随想:芸術新潮2015年1月号記事中「2014年夏の、そして冬の性器をめぐる2、3の出来事 股間著聞集」メモ | トップページ | 舞踊:Noism1「ASU ~不可視への献身」 »