« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »

2014年11月

2014年11月15日 (土)

音楽:神奈川県立音楽堂60周年記念 オーケストラ・コンサート(やや長文)

  指揮 篠崎靖男

  独奏 宮田まゆみ:笙
     加藤訓子:マリンバ

  演奏 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目 武満徹      :セレモニアル -秋の頌歌
     ドビュッシー   :海 -管弦楽のための3つの交響曲的素描
     一柳慧      :マリンバ協奏曲
     ストラヴィンスキー:火の鳥
     ワーグナー    :ニュルンベルグの名歌手・序曲(アンコール)

  会場 神奈川県立音楽堂(15列17番)
  公演 2014年11月9日15:00~17:25(休憩20分)
Photo

 

 神奈川県立音楽堂オープンは1954年11月4日、今年で60周年。11月3日からの一週間は、「還暦!記念週間」としてミニ・フェスティバルが開催されました。プログラムを列記すれば、3日が「音楽堂で聴く聲明」、4日が「大野和士のオペラ・レクチャーコンサート」、5日が「音楽堂建築見学会特別篇」、そして今回。

 司会者のいる目出度い演奏会ですから、演奏もさることながら雰囲気をお伝えします。
 マチネーでしたから男性奏者は略装でしたが、女性はカラフルなドレス着用でステージは華やぎます。指揮者はモーニング着用で、胸の赤いポケットチーフは赤いちゃんちゃんこの代わりでしょう。

 

 セレモニアル  祝祭の幕開け。雅楽に用いられる笙が前奏・後奏を務める管弦楽曲。笙の響きは超小型オルガンのようで包容力を感じました。管弦楽は音の重なりが笙のよう、旋律らしきものは感じられません。現代音楽の曲の特徴はどう表現したら良いものでしょうか。

 演奏後の宮田まゆみへの短いインタビュー。使用した笙は会場を意識して黒檀製とか。音楽堂には合唱コンクールなどで出演しましたが、大学4年の時には神奈川青少年オーケストラのソリストとしてリストP協を演奏したそうで、へー。かって、パーカッションの高田みどりとの共演を利賀フェスティバルで聴いたことはありますが、ずっと雅楽畑の演奏家と思っていました。

 

   海の見えた丘の上に音楽堂は位置していますので、その関係で選ばれたかと。神奈川フィルは、ご承知のとおりでしたが、やや控えめだったように感じました。

 

 マリンバ協奏曲  木で作られた楽器は少なくないけれど、まさに木を叩いて音を出す楽器のマリンバは、木のホールにふさわしい。それに作曲者の一柳慧は神奈川芸術文化財団の芸術監督でもあるし。

 二楽章からなる第一楽章は、ゆっくりしたテンポで、マリンバの低音部から高音部までを丹念に使って様々な木の響きを堪能させました。後半は速いテンポで力強い響きでしたが、マリンバのカデンツァはテンポを落とし、最後は再び力強く、高揚して終わりました。音楽としてどうだったかと言えば、説明する手がかりを掴めなかった感じです。

 演奏前に一柳慧の解説。日本はマリンバ王国で、素晴らしい奏者が多い。60年前にマリンバはなかっただろう。加藤訓子の演奏について、叩いてない方の手は上にあげたり、片足立ちしたりと言うので、注意がそちらに向いたきらいがあります。管弦楽への意識も薄れて、

 

 火の鳥  新しい60年に向けて更なる飛躍を目指すという、心構えの表明と捉えました。

 チェレスタがあったので1919年版でしょう。重々しく始まり、華麗に終わる。祝宴の最後を飾る素晴らしい演奏でした。どの曲も素晴らしい演奏に違いないのですけれど、私にはこの曲が輝いて聴こえました。神奈川フィルがオーケストラ・ピットに入った舞台を見たくなりました。

 ところで、音楽堂にオーケストラピットがあるのをご存知でしょうか。「音楽堂建築見学会特別篇」でも見ることができたと思うのですが、私は以前の見学会でオーケストラピットの空いているところを見ました。

 

 ニュルンベルクの名歌手序曲  60年前に倣って名歌手と表記します。火の鳥にも増して輝かしく、そして重厚でした。すぐにでもオペラの幕を開けて欲しい思いになりました。火の鳥を含めて、指揮者との相性も良いのでしょう。

 60年前の音楽堂に最初に流れた音楽のようで、当時のプログラムが、当日のプログラムに掲載されていました。それによれば、「NHKシンフォニーホール(公開録音)」の第1曲目でした。
2

 アンコールは、60周年記念演奏会を終えて2回目の60年の始まりを意味すると思いました。その最初の演奏を務めた神奈川フィルが、神奈川県の音楽界をリードする意味が潜在しているでしょう。もちろん県内に留まらぬ、全国・海外にまで名声が知れ渡るようになることも祈念してですが。

 

 決して密なお付き合いではありませんでしたが、私が音楽堂に脚を踏み入れて50年以上が過ぎています。スメタナQ、ズスケQ(ゲヴァントハウスQ?)、ベルリン・フィル・ゾリステン(シュバルベ?)、ポール・トゥルトゥリエ、赤い鳥、小室等と六文銭、朱里英子、何でも音楽堂でした。時には演劇も上演されていたように思います。中学校は近所でしたから、時には写生の対象にもなりました。

 最後になりますが、そのような音楽堂の60周年を心よりお祝いいたします。いつまでも存在感を発揮して下さい。

   (2014年11月15日記録)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年11月12日 (水)

相州藤沢・白旗神社の湯立神楽(2014年10月28日)

 旧東海道藤沢宿の街道筋、現白旗交差点から200mほど北に白旗神社があります。祭神は寒川比古命・源義経公・他が鎮座します。

 かって訪れた折に、境内の案内で湯立神楽の執り行われることを知りました。今夏訪れた時、今年の湯立神楽の案内を見つけて、予定に入れました。当日の解説で、曜日に関わらず毎年10月28日に挙行されると知りました。

 14時開始、まず秋季大祭が30分間ほど執り行われました。神事ですから、祝詞・玉串奉奠など他所と同じような進行でした。一つ気付いたことは、別当寺の僧侶が最初に玉串奉奠したこと、神社と別当寺の関係を垣間見た思いでした。

 引き続いて、湯立神楽が90分間ほど続きました。白旗神社の湯立神楽は神職によって執り行われる格式高いものだそうです。6人の神職がいました。祭主は、当然、白旗神社の神職です。他は、藤沢諏訪神社(恐らく遊行寺前の)、逗子森戸神社、他も近隣から馳せ参じたようです。日ごろ集まって練習するそうで、各々の神社の神事・祭事にも協力するのでしょう。

 

 以下、祭事から湯立神楽の終わるまで、主要場面を写真にて示します。

 全体の雰囲気の確認です。後に使われる神具はすべて祭壇に飾ってあります。例えば、最後に使われる天狗や毛止幾のお面など。
001 002 003 004

 神事で、祝詞を上げる白旗社の神職、一番に玉串奉奠する別当寺の僧侶。
005 006

 これからは湯立神楽の様子ですが、十二座、すなわち12の場面で構成されていました。確か森戸神社だったと思いますが、三十六座の記録があるそうです。ただし、伝承は絶えているそうです。神事・祭事は一旦絶えてしまえば、復元は絶望的でしょう。いつまでも続いて欲しいものです。

 解説は当日配布されたチラシの写しを、写真と合わせて参照願います。
1 2

1.打囃子(うちはやし)
007

2.初能(はのう)
 米を巻きながら踊る様子を見て、源流は能の三番叟などと同じ所にあるのではないかと感じました。能という名称も付けられているし。
008

3.御祓(おはらい)
009 010

4.御幣招(ごへいまねき)
 この仕草は多くの座で見かけました。漫画のイヤミ氏のシェーに似ていました。きっと、作者がどこかの神事で見かけたことで、出来上がったのではないかと想像しました。
011

5.湯上(ゆあげ)
011a 011b

6.中入れ(なかいれ)
 休憩も1座として扱われます。一般参列者にもお神酒と赤飯が振舞われていたようです。撮影場所が確保できないので、私はその場所で立ち続けました。
012 013

7.掻湯(かきゆ)
 かなりの勢いで、力強く掻きまわしました。静的な感じの多い神楽の中で、ダイナミックな仕草でした。今回は湯玉がほとんど見られず、どのようなご託宣かと解説されました。
014 015

8.大散供(だいさんく)
016

9.湯座(ゆぐら・または笹の舞という)
 フリスビーを投げるように、笹の葉を振り回しました。仕草が大きいので驚きました。数m離れた位置にいて様子も判らなかったので、熱湯でやけどしないかと腰が引けています。降りかかる時は冷たくなっています。もう陽がかなり傾いているので、反対側に位置すると、逆光に湯玉が光る光景が撮れそうです。そういう写真がどなたかのブログに掲載されていました。
016_2 017

10.射祓(いはらい・または弓祓と書く)
018

11.剣舞(剣舞)
 次の毛止幾と同時に行われます。毛止幾は道化役、口を拭った紙を客に投げつけたり、お餅を渡すふりをして反対側に投げたり、笑いを誘います。
019 020

12.毛止幾(もどき)

   (2014年11月11日記録)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »