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2013年11月18日 (月)

神奈川フィル 第294回定期に向けてのお勉強 1時限目 「J.ブラームス作曲:交響曲第3番」

注:これは「We Love 神奈川フィル」に投稿したものの写しです。

 朝届いたシモンからポールへの速達に「ブラームスはお好きですかPhoto?きのうは失礼しました」、夕方の音楽会への誘い。F.サガンの小説『ブラームスはお好き』(*1)の一節。二人は「ちょっと悲壮な、ところどころ、ちょっと悲壮すぎるコンチェルト」を聴くことになる。映画は見ていないけれど、挿入曲として第3楽章が使用された。舞台はパリ、男女3人が紡ぎだす恋物語には、何か判らない悲壮なコンチェルトよりは、第3楽章の方が似合うというもの。
 ちなみにタイトルは、小説が「Aimez-vous Brahms・・・・・ 」、映画が「Goodbye Again さよならをもう一度」、ブラームス隠しと思うのは勘繰りすぎか。

 2管編成。初演は1883年12月、指揮ハンス・リヒター、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団と記録に残る。20世紀がそこまで迫っている時期。それでも全体の印象は古典派。

 演奏時間を約36分とする資料もあるが、手持ち音源の演奏時間は次のとおり。この範囲で、前半楽章に指揮者の思い入れがあるように思える。当日は?

            計    第1楽章 第2楽章 第3楽章 第4楽章
 シャイ(*3)    34分21秒  11分44秒  8分16秒  6分06秒  8分15秒
 ベーム(*4)    36分30秒  10分54秒 10分22秒  6分34秒  8分40秒
 ティーレマン(*5) 38分20秒  13分37秒  8分44秒  6分54秒  9分05秒

 大きなお世話を承知で、聴き所を探した。
 神フィルの繊細で美しい弦と明るいホルン、第3楽章の仕上がりは想像つく。しかし、私は両端楽章に注目したい。
 第1楽章冒頭、簡潔にして力強く示される基本動機は、いきなり気持ちを高揚させるだろう。張り詰めた緊張感を感じさせる第1主題は、コンマスがぐいぐい牽引する様子が目に浮かぶ。クラリネットで示される第2主題は、心和ませるだろう。そして、管が音を繋ぐ小結尾は、管の実力が遺憾なく発揮される筈だ。
 第4楽章は力強い。ファゴットで示される第1主題は、先の不安を感じさせる筈だ。チェロとホルンで示される第2主題は、堂々と響くだろう。私が一番好きな小結尾、全合奏される旋律は神フィルの魅力が遺憾なく発揮されるだろう。

 以下は、資料と音源で確認したことのメモ、乏しい知識で纏めたもの。ただ、纏めることを前提に突き詰めて聴くので、今までとは異なる音楽の楽しみ方を感じている。

第1楽章。Allegro con brio、ヘ長調、6/4拍子。
 冒頭の10小節ほどで、全曲を通じて響く基本動機と第1主題が示される。初心者の私にも見通しはつきやすい。
 最初の3小節で、管によりF-A♭-Fの上昇音型が力強く示される。3小節目からヴァイオリンにより、鋭利な感じのする第1主題が示される。拍子が9/4に変り、クラリネットにより第2主題が示され、すぐにオーボエとヴィオラに移り、発展した後で拍子は6/4に戻って小結尾。提示部は繰り返される。
 展開部は激しい。再現部の第1・第2主題が繰り返される長い結尾の後、力の抜けた第1主題で終える。

第2楽章。Andante、ハ長調、4/4拍子。
 静謐な楽章。激しい第1楽章から甘美な第3楽章への橋渡しか。
 クラリネットとファゴットの四重奏により、素朴な旋律の第1主題が示される。弦楽器が加わって基本動機が再現される。やがてクラリネットとファゴットの二重奏により第2主題が提示されるが、旋律は悲しげだ。経過部を経て初めの部分が変奏されながら、静かに終わる。

第3楽章。Poco allegretto、ハ短調、3/8拍子。

 ホルンを除く金管は沈黙、ティンパニーもまた。スコアの段数も少ない。
 第1部はチェロにより、たゆたうような甘美な主要主題がいきなり示され、その旋律はすぐにヴァイオリンに引き継がれるが、後に管で繰り返される。第2部の弾むような旋律は愛らしいけれど、憂いを帯びている。第3部はホルンが主要主題を示し、オーボエ、弦と移って、甘美なままに終わる。

第4楽章。Allegro - Un poco sostenuto、ヘ短調-ヘ長調、2/2拍子。
 序奏なしにファゴットと弦が示す第1主題は、弱音で小刻みに揺れ動いて不安が過ぎる。木管が繰り返す。ホルンとチェロが示す第2主題は、跳びはねるに明るく楽しい思いが伝わる。小結尾の激しい全合奏は実に印象的で、オーケストラの醍醐味、胸のすく思いがする。 ファゴットが第1主題を示して展開部に移るというのもおかしいいけれど、私には良く判らない。展開部無しにに再現部に移っているのだろうか。形を変えのて第一・第二主題、小結尾の印象的な旋律も懐かしさを覚える。。結尾で速度は Un poco sostenuto に変り、第1楽章第1主題が余韻を残すように奏でられて静かに終わる。

  *1 サガン・朝吹登水子訳・ブラームスはお好き・新潮文庫1480
  *2 ブラームス 交響曲第3番 ヘ長調 作品90・音楽の友社 OGT2113
  *3 R.シャイー指揮ゲヴァントハウス・オーケストラ DECCA 478 5812
  *4 K.ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                    POLYDOR POCG-2319
  *5 C.ティーレマン指揮ドレスデン国立管弦楽団
                    (2012年10月20日 NHKホール) NHK

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