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2013年10月24日 (木)

美術:愛知トリエンナーレ2013・岡崎地区東岡崎駅・康生会場(2013年10月18日)

 愛知トリエンナーレ2013鑑賞の続き、岡崎地区の松本会場を除いた2会場について纏める。

 

 名鉄東岡崎駅の駅ビルおよび駅前に、規模は小さいが作品展示があった。

 駅前に《オノ・ヨウコ:生きる喜び》。この会場以外、例えば名古屋TV塔にも。参考にヨコハマトリエンナーレ2011の作品も並べておこう。記された言葉に力強さはないが、陳腐化した言葉をあえて持ち出すことに意味があるということか。とりたてて刺激されることもない。映像で見ただけだが『カット・ピース(Cut Piece)』の頃の切れ味を感じない。名誉展示か。
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 東岡崎駅の小さな駅ビルの2階に《ゲッラ・デ・ラ・パス:シークレット・ガーデン》。ゲッラとデ・ラ・パスの二人組み、ゴミ処理場行きの衣類を主な素材として、当地への挨拶を作り上げた。他に《ブーンスィ・タントロンシン:ブロウイング・ジョブ(写真なし)》。
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 康生会場は、東岡崎駅から徒歩15分ほど。歩いた範囲で一番賑やかな市街地。徳川家康の生誕地・岡崎城の城下町、東海道の宿場町として発展してきたそうだ。しかし、ショッピングセンターや空き店舗などを利用して作品展示可能な現状があった。

 宝金堂西側空地に《レッド・ペンシル・スタジオ:ふたつの断片》。空き地の左右の建物に張り渡した紐は、かってあった建物の形を再現していた。路上観察の原爆タイプの3Dタイプ。天気の加減もあっただろうが、作品自体が判りにくい。
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 春ビルに《アリエル・シュレジンガー:Untitled (Inside out urns)》、《同:The kid》。壊れたガラスとそれを通して写した写真を重ねて展示。欠けた陶器を石膏(?)で繋ぎ合わせた作品を展示。
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 旧連尺ショールーム《平川祐樹:Missing River》。天上に吊るした小船の底は破れて、床に透過した光りが模様を描くインスタレーション。それと、砂地の満干の様子を写したビデオ、床には砂が敷き詰められていた。物皆無に帰す流れを押し留めることは出来ないが、自然は永久に運動を繰り返すことは伝わった。
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 岡崎シビコは周辺で一番大きな商業ビル、その空き階・屋上を利用しての作品展示。買い物客が行き交う日常とアートの同居を面白いと言うべきだろうが、それを可能にした現状にこそ目を向けるべきだろう。

 《バシーア・マクール:エンター・ゴースト、エグジット・ゴースト》。段ボールのビル、ビルを連ねて市街地を作るインスタレーション。創造たくましく廃墟を思い浮かべようとしても、ちょっと無理。作品中に長い通路が付けられているけど、いっそ迷路をさまような形ならどうか。
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  《向井山朋子+ジャン・カルマン:FALLING》。音楽や光などを使った展示と、ボランティアによるパフォーマンス(やっていなかった)の構成。これも廃墟を思わせるが展示だけでは限界がある。ベケット『いざ最悪の方へ』に着想したパフォーマンスを併せて見たかった。
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  《志賀理江子:螺旋海岸》。写真を立て看板上にしてフロアを満たし、作品中の通路を徘徊する作品。時間の関係もあって丹念に観ること出来ないのが悪いのだろうが、まとまった感想を形成できなかった。
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 《studio velocity/栗原健太郎+岩月美穂:Roof》。会場入り口にサングラスがたくさん置いてあった。当日は曇っていたので気付かなかったが、エーゲ海の民家のように真っ白に塗られた(行ったことは無いけど)屋上は、陽が出ていれば相当にまぶしいだろう。数人の男女が、脚立に乗って空に何かを取り付けているように思った。手先に何も見えないから見せ掛けの作業と思い、それはそれで面白く感じた。
 しかし、手先を注意深く見ると、釣り糸のようなものが天上のように格子状に張り巡らされ、そこに短い糸を結びつけていた。徒労とも思える作業を延々と続けることに、少し未来を見る思いがした。仕事に貴賎はないと言うが、戦争ビジネスや派遣ビジネス、行き過ぎた金融が真っ当な仕事なのだろうか。私はそんなことが頭に浮かんだ。途中階の作品が暗い印象だから屋上に出て一つの救いを見た。岡崎地区、いや愛知トリエンナーレ2013で大いに刺激を受けた作品の一つ。青空の下で見たかった。
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   (2013年10月24日記録)

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