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2013年10月27日 (日)

美術:愛知トリエンナーレ2013・まとめ(2013年10月17・18日)

 愛知トリエンナーレ2013を、2013年10月17・18日の二日間に渡って鑑賞した。感想は既に、岡崎地区松本町会場岡崎地区東岡崎駅・康生会場名古屋地区各会場の三回に分けて掲載した。

 ここでは全体的な印象をまとめる。ただ、私はアート関係者でも行政関係者でもない。2000年の越後妻有アートトリエンナーレ、2001年の直島スタンダード展あたりから興味を抱き、その後、各地のトリエンナーレ等に出かけて来た一愛好者にすぎない。
 
 
 名古屋地区は、愛知芸術センター、名古屋市美術館を丹念に、長者町地区と納屋橋地区は駆け足で、名古屋テレビ塔や栄周辺のビルなどは見落とし以前に予定外であった。失礼とは思うが、二日間の限られた時間では作品の集中する場所が鑑賞の主体になる。台風の影響で急遽一日ずらしての行動も、余裕のなさに結びついた。

 総括すれば、華がなかったように思う。私の脳裏には2010年の草間弥生が浮かぶ。草間作品には、大いなる既視感を抱くけれど、それを超越した存在とも感じる。建物前に置かれた水玉模様の自動車、10階入り口に置かれた水玉模様の花、それだけで華やぎを感じた。
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 それに匹敵する作者はいただろうか。オノヨウコか、ヤノベケンジか。二人は多くの作品展示があったけれど、草間弥生の存在とは何か異なる。若い人たちに、カリスマの片鱗を輝かせる作者がいただろうか。私は気付かなかった。
 
 
 2013年テーマ「揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」を感じさせる作品に何があったか。

 愛知芸術センター、宮本佳明の《福島第一原発神社》《福島第一さかえ原発》があった。荒ぶる神様に、気の遠くなるようなお賽銭を投げ入れ続けなければならないことは事実だ。絶対安全から世界一安全に格下げしてなお取り繕おうとする為政者もいる。できるなら、アートで荒ぶる神様を鎮めてくれると良いのだが。天の岩戸の前で踊ったアメノウズメの命のように。

 名古屋市美術館、アルフレッド・ジャーの《生ましめんかな(栗原貞子と石巻市の子供たちに捧ぐ)》は、広島・長崎まで遡って原爆・原発に迫る。ジャンルを越えた本歌取りで記憶に鮮やかだ。

 納屋橋地区、クリスティ・ノルマンの《戦後 Ⅰ 5月9日戦勝記念日。タリン市の中心にある兵士の銅像前での儀式。》他は、大国の周辺で揺れる小国、自然災害とは異なる意味の揺れる大地を現して興味深かった。前に言及しなかったので、ここで紹介しておく。
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 テーマと直接関係しない作品にも印象に残る作品があった。

 納屋橋地区、名和晃平の《フォーム》。さりげない素材で意表を突く作品。いつまでも見ていたい思いがした。子供にも判る素材で作品を仕上げ、衝撃を与えたことに共感を覚えた。

 岡崎地区を新たな会場に加えたのは良かった。八丁味噌倉しか知らなかった私に、限定的ではあるけれど、異なる一面を教えてくれた。松本会場の魅力は、力強く生きてきた庶民の存在と感じさせた。アートがそれを知る介添えになるなら、それはそれで素晴らしい。

 康生会場、studio velocity/栗原健太郎+岩月美穂の《Roof》は、アートかパフォーマンスか定かでないが、分類することに意味はない。繰り広げられていた光景に労働の原点を感じた。手の先にりんごやみかんがあるようだった。
 
 
 旅行の目的がアートであることは素晴らしい、と自分で思う。そこで素晴らしい作品が一つでも二つでも見つかれば、なお素晴らしい。今回、心から感動する作品があっただろうか。どうも事実がアートの先を行く現状では、アートの後追い感が拭えない。愛知トリエンナーレに限らないけれど。

 トリエンナーレ形式の美術展も目白押し、愛知でなければ出来ないことって何なのだろうか。私にとって愛知と言えば、粗密はあっても数十年の間、仕事で行き来した海辺の町なのだけれど。掘り起こすべきものは沢山あるような気がする。
 元気であれば3年後にまた出かけよう。つい先ほど閉幕したばかりだけれど。

   (2013年10月27日記録)

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