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2013年9月25日 (水)

演劇:RUKADEN Produce R3「跫(あしおと)/不完全犯罪」

  作・演出 川松理有

  出演   仲谷智邦、金世一、久保庭尚子

  会場   新宿タイニーアリス
  公演   2013年9月20日(金)~9月23日(月・祝)、全6公演
  鑑賞   2013年9月22日(日) 14:00~15:30(休憩なし)

Rukaden  ビル地下のさして広くない部屋を二分、片方が舞台、残りが階段状の客席。舞台と言っても土間に最小限の照明と音響設備。客席といっても5・6列。出演者は、男二人で一人は韓国人、女が一人。与えられた時間は90分。
 この条件からどのような芝居を生み出すか。

 タイトルで判ったつもりだったが、前後半の二本立てではなかった。そう認識しても間違いとではないけれど、通しで巧妙な仕掛けが施されていた。音楽で言えば、主題と変奏。しかし、一つしかない変奏が、実は主題だったかも知れない。

 

 「跫(あしおと)」。国際結婚した夫婦。夫は自殺したと思われる妻の足音に夜な夜な悩まされる。カウンセリングの医者は、夫が妻を殺したと疑い、真相を突き止めようとする。ところが逆転、再逆転。

 仲谷智邦(医者)が台詞を発した時点で、SCOT所属の経歴があると推察。良く通る声、重厚な言い回し。腰の据わった身体表現。後で確認、推察は正しかった。
 久保庭(妻)も長いことSCOTに所属していたので、演技は同質。金(夫)の日本語発話に少々たどたどしさがあるけれど、演技能力に不足無し。芸達者三人は期待を裏切らない。

 

 「不完全犯罪」、開演前の案内が「まじめに見ないでください」と言っていた。基本的に同じ状況。カウンセリングを受ける妻、そこへ夫が帰ってくる。妻は医者を見積もりにきた漆喰屋とごまかす。

 ベットの隅で赤いイアリングの片方を拾った妻、日頃の行動から後輩との浮気を疑っている。後に結婚することを匂わせながら、破産しかけている医者の協力を得て、夫を亡き者にしようと企てる。

 金庫に秘密があると見当をつけた妻は、何とか金庫を空けたい。ありふれた4桁の暗証番号を次々に推定。0220をオニツマと、しばらく続く語呂あわせが笑いを誘う。そして、漆喰屋を装う医者と妻の会話の端々に疑いを向ける夫、取り繕うように言い訳する二人が、またおかしい。

 途中に前半の種明かしを挟みながら、最後は誰も居なくなった、としておこう。

 

 前半をまじめに演じれば演じるほど、後半の滑稽さが生きる。良くできた台本だ。しかし、大爆笑の手前で止まるのも台本ゆえ。それを上品と思うか、徹底さが足りないと思うか。

 役者たちに客いじりを要求するのも無理、客はそれを承知だろう。とすれば、上品な笑いが充満したと捉えて良い。楽しい90分だった。

   (2013年9月25日記録)

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コメント

久保庭さんのお芝居でしたか。
ちょっと読んだだけでも引かれます。

投稿: strauss | 2013年9月25日 (水) 20時59分

限られた資源を、台本と演技で良く補っていたと思います。プロデュース
公演なので、今回限りだと思うのですが、それが残念です。ユニットでも
できて、洒落た翻訳物でも上演されると良いと思っています。

投稿: F3 | 2013年9月26日 (木) 08時48分

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