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2013年8月24日 (土)

美術:三井記念美術館 特別展「大妖怪展」

  名称   大妖怪展 ---鬼と妖怪そしてゲゲゲ
  会場   三井記念美術館(東京・日本橋宝町)
  会期   2013年7月6日(土)~9月1日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年8月20日(火)

  参考   公式ホームページ

 

 既に『そごう美術館「幽霊・妖怪画大全集」』『横須賀美術館 日本の「妖怪」を追え!』を観賞。満を持してか、行き掛かり上か、締めくくりは三井記念美術館。それぞれに特徴があって、幽霊・妖怪を取り扱っても楽しませ方が異なり、こういう美術館巡りもなかなか勉強になると思った。

 

 110点ほどの作品は次のように区分される。

   展示室1・2 浮世絵の妖怪
   展示室3   妖怪フィギュア
   展示室4   鬼と妖怪
            鬼神(荒ぶる神の擬人化)・天狗と山姥(異界の魔物)・
            怨霊と幽霊(人間の鬼神化、妖怪化)・
            動物の妖怪(動物の擬人化、妖怪化)・
            器物の妖怪(器物の擬人化・妖怪化)・百鬼夜行
   展示室5   近世・近代の妖怪  博物学観点と娯楽的観点)・妖怪実録
   展示室6   近世・近代の妖怪研究(パネル展示)
   展示室7   現代の妖怪画  ゲゲゲの原画、水木しげるの世界

 『浮世絵の妖怪』には、他の企画展と重複する作品が若干あったが、それでも妖怪展の中核は浮世絵との思いを深めた。中心となる作者は、歌川国芳、月岡芳年。二人が師弟の関係にあることを知れば、国芳の存在が大きいと判る。国芳の「相馬の古内裏」は展示換えされていたが、「源頼光公館土蜘作妖怪図」は見ることができた。

 『鬼と妖怪』は、能面と浮世絵などを対比しての展示、館蔵品が多く、この企画展の中核をなす展示と捉えた。能面で鬼と言えば「般若」しか思い浮かばないが、「大飛出」「小飛出」などがあり、特徴は目と歯列が金色に塗られていると解説で知った。

 『近世・近代の妖怪研究』は、平田篤胤(国学者、1776年-1843年)、井上円了(仏教哲学者、1858-1919年)、柳田国男(民俗学者、1875-1962年)、江馬務(歴史学者、1884年-1979年)の紹介。井上と江馬の妖怪分類が興味を誘った。ただ、メモするには量が多く、写真も撮れない。名前を知ったことが、今後の行動のきっかけになりそうだ。私は幽霊と妖怪を別に考えていたが、幽霊は妖怪の一分類のようだ。

 『現代の妖怪画』は取って付けた思いもする。客寄せの意図も感じる。しかし、水木しげるの岩波新書「妖精画談・幽霊画談・妖怪画談」三部作などからも判るように、妖怪に対する認識を広めた功績は大きい。「がしゃどくろ」は「歌川国芳:相馬の古内裏」の、「提灯お岩」は「葛飾北斎:お岩さん百物語」のパロディになっていることが面白かった。

 

 三館の妖怪企画から、自然に対する畏怖や脅威、宗教・倫理・道徳面からの戒めが、総合的に具象的に表現されていると感じた。とするならば、古臭いと一笑せずに、意味するところを噛み締めることも無駄でないだろう。現代ほど妖怪が跳梁跋扈する時代はないように思うから。

   (2013年8月24日記録)

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コメント

これにも惹かれてるんです。
新しくなった根津にも行きたいし、葉山館も東京にいるうちに行きたいし。
頑張って荷造りします!
利賀も控えていますしね。

投稿: strauss | 2013年8月24日 (土) 22時01分

 三館を巡っても、子供たちのように妖怪博士にはなれませんでしたが、
でも楽しかったです。大人と子供が一緒に楽しんでいるのも、良いこと
です。
 利賀は今週末ですね。昔ほどときめく物がないのは、年を重ねたこと
だけでもないでしょうね。

投稿: F3 | 2013年8月25日 (日) 12時24分

利賀。
私の中のピークは終わっています。。。

投稿: strauss | 2013年8月28日 (水) 00時34分

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