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2013年8月23日 (金)

美術:東京国立博物館 特別展「和様の書」

  名称   和様の書
  会場   東京国立博物館平成館
  会期   2013年7月13日(土)~9月8日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2010年8月20日(火)

  参考   公式ホームページ

 

 誰が作ったか判りませんが、「売り家と唐様で書く三代目」という川柳があります。唐様を話題にするからには、唐様が珍しかったからに違いありません。日本の文字は唐様で始まったのに、時を経れば(たぶん江戸時代中・後期)、反って唐様が珍しくなる。

 唐様に対峙する言葉は、日本歴史の道のりで言えば和様。唐様とは中国風あるいは中国様式を意味し、和様とは日本風あるいは日本様式を意味することは言うまでもありません。

 平安中期以降に社会制度や文化の和風化が進む中、漢字文化圏に属する日本では仮名文字の萌芽など、書の和様化の進んだことなどの断片的な知識は持っています。企画展「和様の書」は、書の世界における唐様から和様への変遷を辿る企画、断片的な知識を膨らませるには良い機会でした。

 私は書道を習ったことがありません。内容もほとんど判らず、書は敷居の高い分野だと思います。しかし、西洋や中東の、文字を美しく見せるカリグラフィー作品を見て、内容を理解できずとも美しいと思うことがあります。書も、同じような感じ方があって良いと思う次第です。

 一文字の、墨の濃淡の、散らし書きなど全体配置の、美しさが書にあります。趣向を凝らした料紙の美しさも記憶に残ります。

 判らないでなく、判るところもある、と発想の転換(居直り?)をすると、難しそうな企画に大きな抵抗はなくなります。この企画展もそんなところ。なんと、昼飯抜きで2時間半以上の時間をかけて一周、最後の方は多少疲れてぞんざいになりましたが。なにしろ、名前を知るだけだった「平家納経」「翰墨城」などが目の前にあるのですから。

 展示は次の構成でした。
   第1章 書の鑑賞
   第2章 仮名の成立と三蹟
   第3章 信仰と書
   第4章 高野切と古筆
   第5章 世尊寺流と和様の展開

 代表的な作品は公式ホームページの概説を参照願うとして、私が特に興味を抱いた作品の一部をまとめます。

 「桧原図屏風」、6曲1隻の屏風。近衛信尹が「初瀬山夕越え暮れてやどとへば(三輪の檜原に)秋かぜぞ吹く」と大書するが、()内の文字を書かずに等伯の画で表したところがお洒落。
 「寸松庵色紙」「古今和歌集(高野切)」、伝紀貫之に。
 「手鑑 翰墨城」、手鑑は古筆の断簡を貼り込んだ作品集。名のみ知る作品を目の当たりにして。
 「白氏詩巻」、白氏とは白居易のこと、日本が中国に学ぶ近しい国であったことを感じて。
 「平家納経」、裏表に装飾のある贅を尽くした見事な仕上がりに。

 切がありませんけど、「藤原道長・御堂関白日記」などは実用文であり、意味が判らないので興味半減。「古今和歌集」「和漢朗詠集」「御堂関白日記」など、古典に触れておけばより興味は深まるとは思いました。下地がないからそれも大変ですけれど。まあこれからも、判るところもある、で切り抜けます。

 もう一度出かけても良いかと思いますが、とにかく疲れます。混雑していた訳でなく、何時もに増して熱心に鑑賞したからですが。一番疎遠だった分野の書に、少し近づけたように思います。

   (2013年8月22日記録)

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コメント

興味深いです。
行きたいところがいっぱいあって困ります……。

投稿: strauss | 2013年8月23日 (金) 19時59分

お忙しいとは思います。しかし、これはプライオリティを上げて良いかと思います。

投稿: F3 | 2013年8月23日 (金) 22時28分

優先順位一位にしておきます♪

投稿: strauss | 2013年8月24日 (土) 21時43分

おお、責任重大。

投稿: F3 | 2013年8月24日 (土) 22時02分

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