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2013年3月26日 (火)

音楽:波多野睦美 朝のコンサート

      波多野睦美(メゾソプラノ)
      山田武彦(ピアノ)

  曲目  春のお祝いに
        私のお気に入り   ロジャーズ
        ムーンリバー    マンシーニ
        ソー イン ラブ   ポーター
      シェイクスピアをたずねて
        シルヴィアって?  シューベルト
        グリーンスリーブス ヴォーン・ウィリアムズ編曲
      キャパとタローの時代
        三人のモーロ娘   ロルカ編曲
        トランプの王様   ロルカ編曲
        セビリアの子守唄  ロルカ編曲
        ホタ        ファリャ編曲
        子守唄       ファリャ編曲
        平和の祈り     プーランク
        ユーカリ      ワイル
      春の歌
        こきりこ      間宮芳生
        花の街       団伊玖磨
        さくら横ちょう   別宮貞雄
        春の電車      小倉朗
        あわて床屋     山田耕筰
        G線上のアリア   J.S.バッハ(アンコール)

  会場  神奈川県立音楽堂(18列12番)
  公演  2013年3月22日11:00~12:10(休憩なし)

 

 波多野睦美を聴きたいと思ったのは、神奈川フィル第262回定期の「マーラー:交響曲第3番ニ長調」の独唱を聴いた時でした。

 「朝のコンサート」は、午前11時に始まる1時間のコンサート。変則ですが、この条件ゆえに会場に足を運べる方もおられるとのことのようです。ライフワークにしたいと言っていました。

 

 プログラムにない「さくら」で始まりました。伴奏なしのヴォカリーズ(母音唱法)、清々しく滑らかな声。思っていたとおり。隣接の掃部山公園の桜を目の当たりにして、付け加えてくれたのでしょうか(写真は、音楽堂内から見た掃部山公園の桜)。
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 『私のお気に入り』、ポップス的な表現は希薄でした。それを求める企画でもないでしょう。昼前に「ムーンリバー」の突っ込みも不用でしょう。一気に波多野の世界に引き込まれました。

 『シェイクスピアをたずねて』『キャパとタローの時代』は、言葉が判らないので微妙な表現は判りません。良く聴く「グリーンスリーブス」は細やかな情感が、「ユーカリ」では高揚する雰囲気が伝わってきました。全体的に、歌唱と伴奏に身を任せて。
 なお「トランプの王様」「セビリヤの子守歌」は順番が入れ替わり、「ホタ」「子守歌」は続けて歌われました。

 

 『春の歌』は当日の嘱目。しみじみとした日本の春を感じました。

 「こきりこ」の出だし、今まで“こきりこのお竹は”と認識していましたが、“こきりこの 竹は”でした。それを聴き取れたのは、丁寧な歌唱のためでしょう。当然かも知れませんが。

 「花の街」を独唱で聴くのは初めての気がします。合唱では力強さを先に感じます。波多野の歌唱は、夢の街が目の前に現れるようでした。歌にそれを託した時代を感じました。今だってそうに違いありませんが。

「あわて床屋」は、最後の“ちょっきんな”の ppp が印象的でした。

 アンコールに「G線上のアリア」をヴォカリーズで。涙が滲みました。

 

 定員1000人強の半分ほどが埋まっていました。音楽を丁寧に聴かれる方が多かったようです。一曲の最後の音が減衰して静寂に戻り、一呼吸して拍手が始まる。ある意味当然ですが、なかなか味わえない芸術的な拍手でした。

 言い換えれば、波多野の歌唱に深く引き付けられたからとも言えます。伴奏も良く寄り添ったと感じました。

 もっと多くの方に聴かれて良いコンサートでした。しばらく追っ掛け?

   (2013年3月25日記録)

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