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2013年3月

2013年3月30日 (土)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月29日現在)

 大岡川。先に京浜急行黄金町駅と日の出町駅間の定点を。散り始め、川面の花筏も大分濃く大きくなっていますが、今週末はまだ楽しめるでしょう。でも、天気が心配です。
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 今日は京浜急行弘明寺駅からJR桜木町駅付近の河口近くまで、大岡川沿いに歩くことにしました。

 弘明寺駅下車後、まずは隣接の弘明寺公園へ。展望台に上ると目的地付近、ランドマークタワーが見えました。あそこまで5・6km。首を振ると、弘明寺の甍越し、大きなビルの手前に桜の列が見えましたが、多分、大岡川でしょう。花見客があちらこちらで席を広げていました。
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 写真左、弘明寺観音通り付近、以下、下流に向かって。
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 途中、漢字の読み方テストがありました。私は六勝三敗、貴方は如何ですか。
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   (2013年3月29日記録)

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2013年3月29日 (金)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月28日現在)

 大岡川。散り始め、川面に花筏も見られるようになりましたが、まだ楽しめます。写真右より2枚目、京浜急行日之出町近くの大岡川辺、「長谷川伸生誕の地」碑。写真右、京浜急行ポスター、弘明寺駅付近からから日の出町駅付近までの4駅間に渡って桜並木が続きます。
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 掃部山。散り始め、席取りのブルーシートに桜の花びらのドリッピングですが、まだ楽しめます。写真右、近江彦根藩第15代藩主・井伊直弼の銅像。掃部山は、役職名の掃部頭から取られています。日米修好通商条約調印、安政の大獄、桜田門外の変、覚えていますか。
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   (2013年3月28日記録)

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2013年3月28日 (木)

歌劇:ヴェルディ「椿姫」 (やや長文)

  作曲  ジュゼッペ・ヴェルディ

  指揮  沼尻 竜典

  演出  アルフォンソ・アントニオッツィ

  配役  ヴィオレッタ:砂川涼子
      アルフレード:福井敬
      ジェルモン :黒田博
      フローラ  :小野和歌子 ほか

  合唱  びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団

  菅弦楽 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  会場  神奈川県民ホール(3階6列20番)
  公演  2013年3月23日 14:00~17:00(休憩25分、20分)

 

 「乾杯の歌」などを心待ちする気持ちは抱いていたとして、歌だけで2時間余は満たされない。劇としての興味もまた重要、演出が重みを持つ所以である。

 椿姫の本来の時代設定は19世紀半ばだが、初演が1853年だから、その時点では同時代性を前提に成立していただろう。

 演出のアントニオッツィは、時代を近代に設定した。それは19世紀半ばという時代より、同時代性を重視したからだろう。私達が生きる現在に近づけた。その場合、高級娼婦の存在が不安定になる、としておこう。

 近代の象徴は、例えば、第一幕、直線的に構成される近代建築の趣を漂わすヴィオレッタの館。第二幕、ヴィオレッタの着るツーピースのスカートのルーズ感は、昭和中期の印象。

 第一幕の夜会の場面。フローラがドレスを脱いでスリップ姿、そして馬になり男性がまたがって歩む。続いて、誰だったかが、ソファークッションの皮を破いて中身を撒き散らす。歌劇では見慣れない演技のようで印象に残ったが、この流れはフェリーニの映画「甘い生活」の終了近くの場面に基づいている。映画ほど退廃的に描いてはいないけれど。

 無料配布されるプログラムの演出家ノートに、時代を1960年に設定した等の記述があった。しかし、舞台から得られる情報と、自からが持つ知識を照らし合わせてそれが確認できるか、近代とまでは判る。

 近代としたことのメリットは、衣装・舞台美術がシンプルになったこと。第二幕一場から二場への舞台転換など、極めて短時間のうちに行われて驚いた。

 他に気付いたこと。
 序曲の途中で幕が上がると、舞台上の集団(合唱)はストップモーション、その中を抜けて二階に上がるヴィオレッタとアルフレード。二人対世間の明示か。
 第一幕の集団の扱いが動的だったのに対して、第二幕二場後半では、落とした照明の中でほぼ直立。ソロを際立たせるためだろうか。
 第二幕二場、上手側の空間にスクリーンが下りて、映画を写す雰囲気だったけれど、何も起きなかった。故障か、それとも演出意図どおりなのか。写されたとすれば、内容で印象も変わりそうだが。
 第三幕、ヴィオレッタが二人、床に寝そべっていた。心身の各々を表す。立ち上がって歌うヴィオレッタが心を。こと切れたヴィオレッタ、すなわち身に皆は駆け寄る。

 総じて演出に違和感は感じなかった。しかし、フェリーニを本歌取りするためだろうが、近代、演出意図では1960年、の時代設定が少しあいまいに感じた。いっそ現代として、差別がいまも続くこと、ひょっとしたら拡大していることを鮮明に描くほうが、より共感を与えたようにも思える。

 

 砂川涼子(ヴィオレッタ)は、3階席から見た限り華奢とも言える体格。薄幸の女性のイメージを裏切らないが、声量は充分、クリアーでドラマティック。カーテンコールの控えめな仕草に、もっと胸を張って良いんだ、と言いたかった。他のタイトルロールも聴きたくなった。
 福井敬(アルフレード)も朗々として期待を裏切らないけれど、若手の登場も待たれるところ。
 合唱は第二幕後にカーテンコールだったが、最後の登場場面がないのが残念。オペラの醍醐味は合唱にあると思っているが、いつも期待を裏切らない。
 神奈川フィルの繊細さは、サポートに回っても生きる。良い演奏だった。オーケストラピットに納まるメンバーも格好良い。

 

 書くのが遅れ、皆さんのブログが出揃っているので、私は少し演出を主にまとめた。
 年を重ねていてもまだ初心者、良い観客になるのもなかなか大変だ。9月の「ワルキューレ」は、しっかり予習して臨みたい。

   (2013年3月28日記録)

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2013年3月27日 (水)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月26日現在)

 根岸森林公園。満開、一部散り初めです。家族連れも多く、静かに行く春を楽しむ感じが伝わってきます。写真右、染井吉野の桜山の外れに、孤高のおおしま桜がみごとな姿を見せています。
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 三渓園。満開。横浜の観光名所の一つ、多くの方で賑わっていました。名園ですが、写真を撮る際の問題は、ポイントになる三重塔が南側に位置する、すなわち逆光になることです。桜の季節、夜間ライトアップを行っているので、天気が良ければ一度出かけたいと思っています。
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 石崎川、古い埋立地を貫く運河です。満開。京浜急行戸部駅近く、国道一号線沿いに建つ戸部警察署の裏側。台船に乗った重機が川の中に。風情が無いと言うか、珍しい光景と捉えるか。
 かって、川沿いを東海道線が走っていたと言ったら貴方は信じますか。興味があれば、こちらを参照して下さい。当時からの桜かは定かでありません。
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   (2013年3月26日記録)

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2013年3月26日 (火)

音楽:波多野睦美 朝のコンサート

      波多野睦美(メゾソプラノ)
      山田武彦(ピアノ)

  曲目  春のお祝いに
        私のお気に入り   ロジャーズ
        ムーンリバー    マンシーニ
        ソー イン ラブ   ポーター
      シェイクスピアをたずねて
        シルヴィアって?  シューベルト
        グリーンスリーブス ヴォーン・ウィリアムズ編曲
      キャパとタローの時代
        三人のモーロ娘   ロルカ編曲
        トランプの王様   ロルカ編曲
        セビリアの子守唄  ロルカ編曲
        ホタ        ファリャ編曲
        子守唄       ファリャ編曲
        平和の祈り     プーランク
        ユーカリ      ワイル
      春の歌
        こきりこ      間宮芳生
        花の街       団伊玖磨
        さくら横ちょう   別宮貞雄
        春の電車      小倉朗
        あわて床屋     山田耕筰
        G線上のアリア   J.S.バッハ(アンコール)

  会場  神奈川県立音楽堂(18列12番)
  公演  2013年3月22日11:00~12:10(休憩なし)

 

 波多野睦美を聴きたいと思ったのは、神奈川フィル第262回定期の「マーラー:交響曲第3番ニ長調」の独唱を聴いた時でした。

 「朝のコンサート」は、午前11時に始まる1時間のコンサート。変則ですが、この条件ゆえに会場に足を運べる方もおられるとのことのようです。ライフワークにしたいと言っていました。

 

 プログラムにない「さくら」で始まりました。伴奏なしのヴォカリーズ(母音唱法)、清々しく滑らかな声。思っていたとおり。隣接の掃部山公園の桜を目の当たりにして、付け加えてくれたのでしょうか(写真は、音楽堂内から見た掃部山公園の桜)。
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 『私のお気に入り』、ポップス的な表現は希薄でした。それを求める企画でもないでしょう。昼前に「ムーンリバー」の突っ込みも不用でしょう。一気に波多野の世界に引き込まれました。

 『シェイクスピアをたずねて』『キャパとタローの時代』は、言葉が判らないので微妙な表現は判りません。良く聴く「グリーンスリーブス」は細やかな情感が、「ユーカリ」では高揚する雰囲気が伝わってきました。全体的に、歌唱と伴奏に身を任せて。
 なお「トランプの王様」「セビリヤの子守歌」は順番が入れ替わり、「ホタ」「子守歌」は続けて歌われました。

 

 『春の歌』は当日の嘱目。しみじみとした日本の春を感じました。

 「こきりこ」の出だし、今まで“こきりこのお竹は”と認識していましたが、“こきりこの 竹は”でした。それを聴き取れたのは、丁寧な歌唱のためでしょう。当然かも知れませんが。

 「花の街」を独唱で聴くのは初めての気がします。合唱では力強さを先に感じます。波多野の歌唱は、夢の街が目の前に現れるようでした。歌にそれを託した時代を感じました。今だってそうに違いありませんが。

「あわて床屋」は、最後の“ちょっきんな”の ppp が印象的でした。

 アンコールに「G線上のアリア」をヴォカリーズで。涙が滲みました。

 

 定員1000人強の半分ほどが埋まっていました。音楽を丁寧に聴かれる方が多かったようです。一曲の最後の音が減衰して静寂に戻り、一呼吸して拍手が始まる。ある意味当然ですが、なかなか味わえない芸術的な拍手でした。

 言い換えれば、波多野の歌唱に深く引き付けられたからとも言えます。伴奏も良く寄り添ったと感じました。

 もっと多くの方に聴かれて良いコンサートでした。しばらく追っ掛け?

   (2013年3月25日記録)

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2013年3月25日 (月)

随想:十万アクセス越えに感謝(2013年3月21日)

 数日前、十万アクセスを超えました。ブログ開設以来およそ7年、今までにアクセス頂きました多くの方々に心より感謝致します。切番通過の経緯は次のとおりです。
Jyuumann

  ブログ開設   2006年 6月11日
  五万アクセス  2011年 4月20日、記事数 739件
  六万アクセス  2011年10月 1日、記事数 831件
  七万アクセス  2012年 3月13日、記事数 924件
  八万アクセス  2012年 6月22日、記事数 959件
  九万アクセス  2012年10月22日、記事数1013件
  十万アクセス  2013年 3月21日、記事数1060件

 カウンターの左側に充足していた"0"がなくなりました。五万から十万アクセスの間、平均月当たり約2200アクセスを頂いています。この頻度で続くとすれば、次の桁上がりは30年以上先のことですから、6桁のままで充分です。

 

 最近の4ヶ月の参照ページのトップ10は、次のとおりです。『トップページ』は、その瞬間の最新記事で、記事を特定しませんので除外します。

  1.さわやか横浜:根岸森林公園の梅(2013年3月4日現在)
  2.トップページ
  3.さらば「Y市の橋」(2012年1月10日)
  4.川上弘美×高橋源一郎(対談編)(2009年10月20日)
  5.BankART Studio NYK「川俣正展」
  6.さわやか横浜:みなとみらい全館点灯(2012年12月21日)
  7.横浜・掃部山公園と大岡川の桜(2012年4月6日現在)
  8.アントニー・ゴームリー『ふたつの時間』(2012年12月1日)
  9.「たまリバー50キロ」完歩計画(2010年5月17日)
   10.手水の使い方(2)(2010年12月4日)
   11.みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.45(2012年12月3日)

 この中に、横浜の様子を伝える記事が3件あります。ブログ・タイトルの港街とは横浜のことですが、時々の街の様子を伝えていくことが、当ブログの役割と再確認しました。今年の桜開花の様子も多くのアクセスを頂いていますが、十万アクセス以降の記事で、今後に反映されてくると思います。

  1.根岸森林公園の梅
  6.みなとみらい全館点灯
  7.掃部山公園と大岡川の桜

 広く芸術に含まれる記事が4件あります。横浜あるいはその周辺での場面が主ですから、広く言えば横浜の様子を伝えているとも言えます。この中で「3.さらば「Y市の橋」」は、長時間の変化をまとめていますが、古い横浜との関わりを伝えることも重要と思いました。

  3.さらば「Y市の橋」
  5.BankART Studio NYK「川俣正展」
  8.アントニー・ゴームリー『ふたつの時間』
   11.みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.45

 前回もトップ10に入った『講演:川上弘美×高橋源一郎(対談編)』が、今回もトップ10に入っています。3年前の記事ですが。「川上弘美」「高橋源一郎」のビッグネームで検索ヒットしているのでしょう。二人の存在の大きさが確認できます。

  4.川上弘美×高橋源一郎(対談編)

 多く参照される記事も、たまに参照される記事も、長期間に渡って参照される可能性があるから、記事は丁寧に書かなければいけないと思います、とは九万アクセスの時にも書きました。今もそのように思っています。

 

 大きく流れを変える力もありませんが、こまめな記事掲載、広く芸術関連では会期の早いうちの記事掲載などは、私の心がけ次第で改善できます。と言いながら、なかなか出来ていません。たぶん、これからも。
 次は十一万アクセスを目指します。これからも『変様する港街から』をよろしくお願いします。

   (2013年3月24日記録)

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2013年3月24日 (日)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月24日現在)

 定点観測が一日跳びました。
 京浜急行・黄金町駅から日の出町駅の大岡川。見ごろで、人出も多かったです。桜祭りは4月6・7日ですが、どうなることやら。
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 掃部山公園。上段は見ごろ、下段は満開に近いです。グループらしき花見客がちらほら、企業関係は明日以降ではないでしょうか。ただし空模様が怪しいようです。
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 根岸森林公園。見ごろです。家族連れと思われる花見客も多かったです。子供達も思い切り遊べます。競馬場跡も、桜の彩取りです。
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 今日は、午後から陽射しが出たので、まず市バスで根岸森林公園へ。そこから横浜橋商店街、大岡川、野毛、掃部山公園、自宅とおよそ10Kmの散歩でした。

   (2013年3月24日記録)

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2013年3月23日 (土)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月22日現在)

 京浜急行・黄金町駅から日の出町駅の大岡川。花の咲き具合は木によってずいぶん違いますが、均して三・四分咲きくらい。昨日より随分と咲いた感じがしました。桜祭りは4月6・7日ですが、さて持つでしょうか。
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 掃部山公園。上段は三・四分咲くらい、下段は六・七部分咲きでしょうか。席取りのブルーシートが昨日から広げてありますが、予定は25日になっていて、花見が充分に楽しめるように思います。まだ、がら空きでしたけど。
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 神奈川県立音楽堂と図書館の間に桜が数本ありますが少し早い感じですが、でも見ごろです。音楽堂の内部から掃部山公園の桜が見られます。入り口から奥の階段を上ったところ、右写真です。
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   (2013年3月22日記録)

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2013年3月22日 (金)

さわやか横浜:きょうの桜(2013年3月21日現在)

 京浜急行・黄金町駅から日の出町駅の大岡川。花が咲いている木もありますが、全体としては2分咲きくらい。桜祭りは4月6・7日です。
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 伊勢山皇大神宮境内です。桜の木は少ないですが見頃です。お宮参りを見かけましたが、より良い日になったでしょう。
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 掃部山公園。上段は2分咲きくらい、下段は5分咲きくらい。
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   (2013年3月21日記録)

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2013年3月21日 (木)

演劇:MODE公演「城」 

  原作    フランツ・カフカ
  構成・演出 松本修
  音楽    斉藤ネコ
  振付    井出茂太

  出演    K(測量士) 笠木誠
        フリーダ   山田美佳 ほか

  会場    あうるすぽっと
  公演    2013年3月14日(木)~20日(水・祝)
  鑑賞    2011年3月17日(日) 13:00~15:55(休憩10分)
  参考    公式HP

 

 カフカの中・長編小説を読む契機は、「城」の観劇準備のためだった。と言っても今回は再演、その話は国立劇場における初演時のこと。

 「城」を観る契機は、松本修主宰のMODEに親近感を抱いていたから。この25年ほどの間、水切りする石のような感じでMODEに接してきた。垣間観たのは、チェーホフ、ベケット、はたまた近松。素朴な身体表現ながら、洗練された展開に粋を感じたし、親近感を抱かせた。

 再演までに8年。この間、カフカ原作のMODE公演は「失踪者」「審判」「変身(初演・再演)」などを重ねた。言わば、満を持していた、いやそんな気負いはないだろう。

 閑話休題、先に書いておく。2013年12月1日~17日、座・高円寺1にて「失踪者」「審判」「城」の一挙上演が予告されている。観るのも大変だけれど、この意欲的な取り組みを見逃す手はない。暇な身ではあるが、この間、他の予定は入れないようにしておこう。

 

 カフカの作品は難解だけれど、「城」がもっとも捉えどころがない。登場しない権力者クラム、クラムの愛人でもあるフリーダなどが名前を持つのに対して、主人公の測量士はKと記号化されている。

 深い雪の中、城に招かれてやってきたKは、泊まるところもなく、酒場の片隅で眠る。翌日、城を目指すが、城は見えるのに城へ通じる道が見つからない。何とか見つけた宿屋に戻ると一日は終わっている。そこへ、Kを追いかけてきた昔ながらという二人の測量助手が立っている。事実か虚実か判らないままに現実として受け留めるK。

 役者は一人何役もこなしながら23人が登場するが、初演時の出演者は3名のみ。K役の笠置誠、フリーダ役の山田美佳も今回初出演、集団創作で作り上げることを考えれば、今回も初演と言える。

 笠木は朴訥な演技、へたうまとも言える。始終、予想外の出来事が連続するこの物語を滑らかに演じられても興ざめで、私は充分に肯定できる。
 山田は上半身裸になってのKとの愛欲場面がある。若い女性としてつらいものもあるだろうが熱演。急速に燃えて急速に冷める、体制から逃れたいのに逃れられない立場の女性が見えた。

 舞台セットは、周囲を二階床が囲む立体構造になっている。ここを黒尽くめの秘書たちが埋めると、Kのみならず体制に監視される恐怖感が伝わった。二階床へ上がる階段や、床下の部屋のドアーを移動して場面転換するのも面白かった。

 面白いと言えば、場面転換に集団の奇妙な踊りが使われる。伝統的な演劇様式ならば何幕かになるこのストーリーをうまく展開する役目を帯びている。エスニック風な音楽も不思議な世界へ誘う大きな役割を果たした。

 

 100年前に書かれた小説が、今の社会を端的に捉えていることに驚愕する。MODEが如何にリアライゼーションするか、それが興味の焦点。そして、十分に納得させられた。12月の三部作一挙上演への期待が大きく膨らむ。原作を読み直しておこう。

   (2013年3月21日記録)

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さわやか横浜:媽祖祭行列(2013年3月20日)

 山下公園、港の見える丘公園、山手外人墓地、元町公園を散歩して、16時少し前に媽祖廟前に到着しました。
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 媽祖祭の行列は、16時に媽祖廟を出発しました。
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 媽祖さんが乗る御輿、しなう構造になっていて上下に揺らしながら進行します。媽祖さんは航海・漁業の守護神、波に揺られている様子を表現していると思っていますが。
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 ホームページを改造中ですが、2009年の媽祖祭行列の様子はこちらで参照できます。

   (2013年3月21日記録)

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2013年3月20日 (水)

路上観察:戦跡と歴史を訪ねる沖縄旅行・第3日目(やや長文)

 第3日目は「嘉数高台」「首里城」「玉稜」「県立博物館」を巡った。宜野湾に面したホテルを8時30分頃に出発、那覇空港に15:30頃に到着。

 琉球王家最大の別邸の「識名園」は休館日のため見学がかなわなかった。博物館の休館日は確認したのに、どうも抜けているところがある。

 

 「嘉数高台」周辺は、沖縄戦最大の激戦地だったそうだ。標高90m余りだが宜野湾への視界が開け、防御線を引くに適地だろう。一段高い所に慰霊碑が立ち並び、中央に「京都の塔」。ここに配置された人は、京都出身者が多かったそうだ。その前方に銃弾を浴びたためだろう、形を大きく変えたトーチカ跡が保存されている。斜面には、塞がれているが陣地壕の入り口があり、トーチカなどに繋がっているそうだ。   

 現在は公園として整備され、多くの方がグランドゴルフを楽しんでいた。「京都の塔」の脇に地球を模した展望台が設置されている。展望台から迫り来る米軍を想像して恐怖感を覚えた。目の前に米軍普天間飛行場が見え、輪を掛ける。戦闘機が飛ぶ光景は見なかった。それにしても、普天間飛行場は街中にある。
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 「首里城」は、1879年に沖縄県となった後に日本軍が駐屯、1945年に米軍の攻撃で全焼。1980年代末から1992年に、正殿などが旧来の遺構を埋め戻す形で復元されたというのが、かいつまんだ経歴。世界遺産指定は首里城跡だから、建屋復元は直接関与しない。首里城に入る直前に園比屋武御嶽石門があった。

 幾つかの城を見てきたが、それに比べて首里城は、規模においても築城技術においても格段に進展したことが一目でわかる。30年ほど前に中国の故宮を見学したことがあるが、それに比べれば狭小である。琉球の立ち位置が何となく理解できた。翻弄の歴史は琉球処分に始まり今に至るように思うが、これを契機に知識を深めようと思った。
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 「玉稜」は、たまうどぅんと読むそうで、琉球王国第二尚氏時代のの歴代国王が葬られている陵墓、独特の雰囲気が漂っていた。入場口脇の資料館でおおよそのことが判った。首里城入り口から5分もかからない距離にあるが、私が訪れた時は数えるほどの人しかいなかった。
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 「県立博物館」は、城を模した建屋で美しい外観を持つ。すかっとした青空の下に映えるだろう。美術館も同居していて、正式には「沖縄県立博物館・美術館」と呼称する。総合展示は、「シマの自然のくらし」「ニライカイナの彼方から」「1.海で結ばれた人々」「2.貝塚のムラから琉球王国へ」「3.王国の繁栄」「4.薩摩の琉球支配と王国」「5.王国の衰亡」「6.沖縄の近代」「7.戦後の沖縄」「沖縄の今、そして未来へ」に分類して展示されている。他に「歴史」「民族」などの部門展示もある。博物館は、沖縄についての貴重な情報を与えてくれるが、2時間ほどでは充分に見学できなかった。再訪したい。
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 2泊3日ではもちろん沖縄を理解できない。しかし、主として沖縄戦の戦跡を含む歴史について、書籍で読んだ知識と現物の一部対比はできた。先に進むための貴重な機会だった。
 米軍基地脇の道路を通過して4・50年前の横浜を思い出したが、宿舎主体だった横浜と戦場に繋がる沖縄とは大きな差異があると感じた。ただ、旅行中に戦闘機の機影を確認したのは一度きり、飛行音を聞いたのは5・6度だった。特異日だったのか。
 GPSを頼りに運転しただけで、右も左も判っていない。知識を向上して、次の機会には沖縄の現状を知りたいと思った。それにしても、4月28日に「日本の主権回復と国際社会復帰を記念する式典」を開催するようだが、沖縄人をないがしろにする行為ではないか。駄々っ子のような首相が続くと感じる。

   (2013年3月19日記録)

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2013年3月17日 (日)

路上観察:戦跡と歴史を訪ねる沖縄旅行・第2日目(やや長文)

 第2日目は「読谷村米軍上陸の地碑」「ちびちりがま」「座喜味城跡」「今帰仁城跡」「勝連城跡」を巡った。宜野湾に面したホテルを8時30分頃に出発、同じホテルに18:30頃に帰着。

 「米軍上陸の地碑」「ちびちりがま」を探すのに迷って1.5時間ほどを余計に費やしたが、「座喜味城跡」を含めて読谷村の狭い地域に散在しているのだろう。道に迷ったためか、「中城城跡」「嘉数高台」に周れなかった。あるいは行程に無理があったのだろうか。

 

 「読谷村米軍上陸の地碑」は、泊城公園の遊歩道脇にあった。一旦素通りして、土地の方に訪ねたところ案内して頂いた。碑は比謝川河口を見下ろす小高い所にあった。河口一帯は古くからの港だそうで、この辺りの海岸線は上陸の適地だったのだろう。上陸した米軍は北部と南部の二手に別れて進撃したのは、「ひめゆり平和祈念資料館」「沖縄県平和祈念資料館」の展示でも確認した。   

 今の美しく静かな海岸線から想像は難しい。しかし、米軍艦船が埋め尽くした海岸線をたくましく想像しなければならない。そこから兵器・兵力の種類を問わず、彼我の立場を問わず、戦争を忌避する思いを強く育てなければならないと感じた。
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 「ちびちりがま」は、米軍上陸翌日の1945年4月2日に、米兵の残虐な仕打ちを恐れて、肉親相互が殺しあう凄惨な集団自決が行なわれた所、その数80数名に及ぶそうだ。史実として認識していても、目の当たりにすることでより強く印象付けられた。がまとは洞窟のこと。

 写真撮影を遠慮願うとのこと、70年近くの時が流れても関係者には拭いがたい出来事だろう。写真は近くの農道からがまの方向を望んでいる。二つの屋根は公衆トイレだが、その向こうにがまがある。左に見える道路の下側に、がまは延びているように思えた。鬼畜米英でなく、非戦闘員は保護されると教えられていれば、あるいは生き延びられたかも知れないと思った。
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 「座喜味城跡」は、15世紀初めに護佐丸が築城したとされる。沖縄戦時には日本軍の高射砲が設置され、戦後には米軍のレーダー基地が置かれたそうだ。その際に壊された一部城壁は復元されているそうで、今は美しく感じられる。しかし、史跡であり戦跡である。

 築城技術は高いと感じた。城壁の角を円弧状に仕上げてある箇所もあった。左右の円弧状の石板を、中央の楔で保持する城壁のアーチ門が見事と感じた。城壁に上ると読谷村の海岸線が見える。あの海を米軍艦船が埋め尽くしたのだろう。
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 「今帰仁城跡」は、13世紀初めの築城とされ、三山時代には北山王の居城だったそうだ。荒々しい美しさとを感じた。左右に覗き窓の付いた城門が印象深かったが、上部は平らな一枚の石板を渡したに過ぎず、技術はまだ未成熟だったのだろう。首里城を除けば、旅行中に見た城の中では一番大きいように思えた。訪れている人は多かったが、沖縄美ら海水族館も近く、観光ルートになっているかとも思った。城だけ見に来る私は少数派かも知れない。自動車で片道1.5時間以上を要したので。
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 「勝連城跡」は、13~14世紀にかけて築城されたそうだが、かなり整然とした造りと感じた。海から急に立ち上がる山の上にある。唐突だが、静岡の久能山東照宮が思い浮かんだ。広場を挟んで反対側のこぶでも復元作業が進んでいた。琉球王国に抵抗して滅ぼされた阿麻和利が最後の城主。視界は開けていなかったのが残念、天気がよければ久高島などが見えるそうだ。
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 自動車を走らせていると、何々城跡の案内が多く見られた。各地に城が築かれた時代を経ているが、こんなに多いのかと思ったほど。仮に何もなかったとしても、一度は城跡を見たい思いが募った。

   (2013年3月16日記録)

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2013年3月15日 (金)

路上観察:戦跡と歴史を訪ねる沖縄旅行・第1日目(やや長文)

 沖縄の中・南部の戦跡と琉球の歴史をたどる2泊3日の旅を終えた。基礎知識取得のために、既読を含む6冊の書籍を出発前に読むつもりだったが、2冊残して出発当日を迎えた。

 羽田空港を8時に出発、那覇空港へ11時過ぎに到着。3日間の全行程をレンタカーにて移動。2泊とも宜野湾に面したホテル。

 第1日目は「ひめゆりの塔」「平和祈念公園」「斎場御嶽」を巡り、時間に多少の余裕があったので「糸数城」に寄った。

 

 「ひめゆりの塔」に近づくと他の多くの慰霊塔への案内が目に付いた。「ひめゆりの塔」は数多ある慰霊塔の一つ。この一帯は沖縄戦で一番の激戦地だったことを実感した。

 「ひめゆりの塔」は、旧南風原陸軍病院第3外科壕跡の上に建立された慰霊碑。名称は、看護活動のために動員された沖縄師範学校女子部と第一高等女学校の生徒で構成された「ひめゆり部隊」に因む。塔は小さなものだが、後方に名前を刻んだモニュメントが建立されている。左手に「ひめゆり平和祈念資料館」がある。

 アメリカ軍が迫るなか「ひめゆり部隊」に解散命令が出され、そのために砲撃の中を逃げ回り、多くの死者が出たと知った。「軍隊は、窮すれば多くの国民を守らない」と覚えておこう。「守るものは何か」を良く吟味したい。
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 「平和の礎」は、県営平和祈念公園内にある施設の一つ。海岸台地にあって、平和の広場から波が広がるように、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々の氏名を刻んだ石碑が連なる。刻まれた氏名は24万余。沖縄県出身者は昭和6年9月18日の満州事変から、沖縄県出身者以外は昭和19年3月22日の沖縄守備軍第32軍創設から、沖縄で降伏調印式のあった昭和20年9月7日から一年以内に亡くなられた方だそうだ。沖縄戦戦没者追悼のためと思っていたが範囲が少し広い。

 「平和の礎」とした経緯は追って調べたいが、24万余の数字に気が遠くなる思いがした。ちなみに、第二次世界大戦の日本人戦死者は約310万人と認識する。朝鮮・台湾出身者遺族の中には「日本軍関係者と同列にされたくない」と刻銘を拒否した人々もいたそうだが、その思いは理解できる。虐げられた人たちを含めての一億総懺悔に通じるものがあるように思う。
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 「斎場御嶽(セーファウタキ)」は、琉球王国最高の聖地。本来は男子禁制の場所、時を遡れば目の当たりにすることさえ適わなかった所。御嶽には6箇所の神域があり、中でも大庫理・寄満・三庫理は、首里城内にある建物や部屋と同じ名前を持ち、首里城と斎場御嶽との深い関わりを示しているとのこと。ウローカーという神域への道が崩れていて通行止めになっていた。帰宅後にネット検索したところ、自動車道からは行けるようで、興味ある方は調べてみては如何か。 

 原始信仰の聖地・神域は、場所だけ拝見しても単なる自然で深みは無いはずだが、何となく神秘的な感じに至るのは聖地ゆえか、矛盾した思いに至る。移動途中に池状の窪みがあったけれど、太平洋戦争の際の着弾跡だそうで、聖地を守ってきた人たちは、その時にどのような思いがしただろうか。沖縄は迫害の歴史の中にあると感じた。
 三庫理からイザイホーの久高島がうっすらと見えた。島に渡る計画も考えたが一日を費やしそうで今回は見送った。次の機会があれば、ぜひとも渡りたいと思っている。
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  「糸数城跡」に到着したのは17時に近かった。人一人いないのは時刻が遅いためと、観光地化していないためであろう。三山時代初期(14世紀)の築城らしいが、詳細は不明のようだ。

 城壁は野面積みと切石積み併用で構築されていた。見事に積み上がっていて、技術の高さが実感できた。城壁を少し上ったが、巾が狭く、途中からスロープが急になるので恐怖感を感じ、途中で引き返した。初めて見る城跡、琉球史の一端に触れる思いがした。後に、多くの城跡をみることになるのだが。
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   (2013年3月15日記録)

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2013年3月 9日 (土)

美術:森村泰昌講演『「ヨコトリ物語」が始まった!さあ、たいへん!』

  2013年3月6日、横浜トリエンナーレ関連活動の一つであるトリエンナーレ学校が開催された。講師は「ヨコハマトリエンナー2014」のアーティスティック・ディレクターに就任した森村泰昌。

 話の基調にマルセール・デュシャンを据えた、その内容がまず興味深かった。そして、そこから横浜トリエンナーレを方向付ける5つの指針を導き出した。

 私は、その中の一つの「横浜トリエンナーレはエンターテイメントでなければならない」に大いなる共感を覚えた。
 横浜トリエンナーレは過去4回開催されたが、回を重ねるごとに学究的な臭いが強くなったように感じられる。学究的な面のあることを否定しないが、そこから遠ざかった作品・企画があっても良いだろう。
 例えば第1回作品の、横浜グランドインターコンチネンタルホテルの外壁に設置された「巨大バッタ(椿昇・室井尚作品)」は、作品の面白さとともにその上げ下げに、通行人を含めた多くの人の視線を集めた。

 質問の回答に含まれた「裏トリエンナーレ」の提案も実に興味深い。
 知的所有権等による問題派生を恐れる状況もあるだろうけれど、現にこの講演も、一般参加者は写真撮影・録音録画禁止。公式記録が遅滞なく掲載されるならまだしも、情報は滞りがちである。もっと広く、サポーターや一般の力を集約して、広くアピールする仕組みが必要だろう。必要ならば、テープ起こしなどの作業に参加しても良い。
 進行に伴う議事録の公開なども実現すれば画期的だ。前回の第4回開催は、10年の節目などと言われた。トリエンナーレは3の倍数が開催年だから10年目など本来有り得ない。過去にはアートディレクターの途中交代もあった。これは行政臭もあるのか。そういうこともオープンにしてこそ、真の創造都市と言える気がする。

 森村泰昌の講演が実に興味深かったので、つい日頃の思いを書いてしまった。「2014ヨコハマトリエンナーレ」は今まで以上に面白くなりそうだ。目指せ「横浜トリエンナーレ2.0」。

 当日の私的メモは長いので添付した。興味あれば参照願います。

   (2013年3月9日記録)

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2013年3月 5日 (火)

さわやか横浜:根岸森林公園の梅(2013年3月4日現在)

 午後になって晴れてきたので、根岸森林公園へ梅の様子を見に出かけました。六分から七部咲きでしょうか。少し早い気もしますが、それでも充分に楽しめます。大きな梅園ではありませんが、多分、一本一本が異なる種類で、一口に梅といっても様々であることが判ります。

 左右にマウンドがあり、間の窪みが梅園になっています。逆光ですが遠景。ちなみに後ろの林は桜です。桜も見事ですから記憶しておいて下さい。
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 遊歩道に沿って梅が植えられています。斜面にも。
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 開花状況はこんなものです。今週末は良いと思います。
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 梅ではありませんが、今の時期、和紙の原料となる三椏も花が咲いています。
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   (2013年3月5日記録)

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音楽:神奈川フィル第288回定期演奏会

  指揮  金聖響

  演奏  神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目  池辺晋一郎 :交響曲第8番「大地/祈り」 (世界初演)
      レーガー  :ヒラーの主題による変奏曲とフーガ
      ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調

  会場  横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演  2013年3月2日 14:00~16:40(休憩15分)

 

 池辺。初演の客席にいることは稀にあるけど交響曲は初めて。3楽章で、ピアノ・ハープ・チューブラーベルが目に付く。特殊奏法は無いようだったし、無調性でもない。現代曲でイメージする要素はなかった。

 1楽章は「大地から」の標題付き。チェロとコントラバスで重々しく始まる。管・打楽器が絡むけれど、他パートはどうなるかと思うほど長く続いた。現代曲らしいか。その後も各パート独立の演奏が多い印象を受けた。強奏で唐突と思われる終わり方は、大地の軋みか、人々の悲鳴か。

 2楽章は標題なし。独立した楽章だが、3楽章への過渡状態と感じた。標題なしは一瞬の思考停止を、短い楽章はそれでも立ち上がる人達を印象付けられた。3楽章は「祈り」の標題付き。チューブラーベルの響き。怒り・鎮魂、新たな歩みが印象付けられた。

 前提知識があっても良い聴き手になることは難しい。まして世界初演。標題に引きづられ過ぎているけれど、音楽鑑賞を趣味とする私なりの受け止め方だ。現代曲にしては身構えるところが少なく、演奏を含めて興味深い。録音していたようで、有償で構わないからダウンロード・サービスして欲しい思いだ。録音ででも何度か聴きたい。

 2011年3月12日、金聖響の「我々ができることは音楽しかない。精一杯演奏する」と挨拶の後に演奏されたマーラー・交響曲第6番イ短調「悲劇的」、第270回定期が思い出された。もう二年か、まだ二年か。

 

 レーガー。シンプルで舞曲風のテーマ、特徴をつかみ難い11の変奏、長大で複雑なフーガ。本来なら、冴えたオーケストラの響きを聴かせるのが変奏曲だと思う。オーケストラに難があったと言うつもりは無い。極めて短い曲間で繋いでいくこの曲の、掴みどころの少なさがその要因だろう。めったに聴かない曲、よほど事前学習しておかないと楽しみは薄いと反省。

 

 ラフマニノフ。眠りから覚めるように始まる1楽章、風雲急を告げるような2楽章、美しさに包み込まれる3楽章、そして激しく高らかな総奏で締めくくる4楽章。オーケストラの機能が様々に要求される曲と思うが、神奈川フィルは美しく、力強く演奏した。毎度だが、繊細な弦、瑞々しい木管、輝かしい金管、引き締まった打楽器。充分楽しんだが、まだ何か出てきそうな気がしないでもない。末永く付き合おう。

 

 10年ほど前を考えると夢のようだ。この時期、花粉症の症状でコンサートに出向くことなどあり得なかった。医者にも行かず、数十年を耐えに耐えた成果だ。他人に勧められないが。と言いながら前回はA型風邪でダウン、マーラー・交響曲第10番嬰ヘ長調を聴けなかった。マーラー・シリーズの最後を聴けずに画竜点睛を欠く思いだ。

   (2013年3月4日記録)

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2013年3月 3日 (日)

音楽:みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.48

ランチタイム・クルーズ(12:10~13:55)
  曲目  ヴェルディ 歌劇「リゴレット」ハイライト
        二重唱「娘よ!お父様!」、アリア「慕わしき御名」、
        アリア「悪魔め、鬼め」、カンツォーネ「女心の歌」、
        四重唱「いつだったか、思い出せば確か」、
        カンツォーネ「女心の歌」、二重唱「私が悪かったの!」
  出演  泉良平(リゴレット)、松原有奈(ジルダ)、秋山徹(マントヴァ公爵)
      西けい子(ナッダレーナ)、江原洋子(語り)、小林万里子(pf)

ティータイム・クルーズ(14:30~15:15)
  曲目  プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」ハイライト
        アリア「冷たい手を」、アリア「私の名はミミ」、
        二重唱「愛らしい乙女よ」、ワルツ「私が街をあるけば」、
        アリア「さようなら」、四重唱「さらば甘い目覚めよ」、
        アリア「みんないってしまったのね」
  出演  悦田比呂子(ミミ)、君島広昭(ロドルフォ)、鵜飼文子(ムゼッタ)、
      香月健(マルチェッロ)、景山周玄(ショナール)、江原洋子(語り)、
      小林万里子(pf)

  会場   横浜みなとみらいホール・大ホール
  公演   2013年3月1日

 

 オペラの聴かせどころをかいつまんで40分に纏めたもの。衣装を付け、簡単な小道具、多少の照明効果も付けられた。伴奏はピアノ、歌唱はイタリア語だが字幕なし。語りと歌唱が交互に繰り返される。オーケストラをバックのアリア、重厚なコーラス、華麗な大道具。オペラの豪華さには事欠くが、制約内でオペラの面白さを伝える工夫があった。そこに目を向ければ、頭の下がる思いはした。 

 「リゴレット」で描かれる世界は、特権階級の横暴とその仕打ちに泣かされる庶民だろうか。それを端的に示すのがマントヴァ公爵の「女心の歌」。『風の中の 羽のように いつも変わる~』、嗄れ声で歌う喜劇王エノケンの歌う「女心の歌」を、どこかで耳にしたことがないだろうか。軽快な旋律は一度聴けば記憶に残る。

 「ラ・ボエーム」。芸術家の卵の詩人ロドルフォ、隣人のお針子ミミがロウソクの火をもらいに来たことをきっかけに二人は恋に落ちるが、ミミに結核が忍び寄っていた。青年達の感傷の中で繰り広げられる純愛。二人を取り巻く仲間達の紆余曲折を含めて青春の感傷が色濃く漂う世界が描かれる。

 

 カラオケで歌の上手な人も少なくない。しかし増幅器を介さず、自らの声で定員2000人を超えるホールを満たすところがオペラの醍醐味。鍛え上げられた声、可能にする強靭な身体を実感させられる。独唱ばかりでなく、二重唱、四重唱など、それぞれが異なるパートを歌唱して一つの調和を生み出すなど、確かなテクニックも見事。現代演劇に同時発話メソッドがあるけれど、オペラで古くから実現されているところが面白い。

 ただ、私の感じ方に起因するだろうが、テノールなどのパートに比してソプラノにシャリシャリした響きが混じるように思えた。確かな基準を持たないが、ソプラノの響きを確認しておく必要を感じた。 

 

 話は逸れるが、横浜における近々のオペラ公演は、3月23・24日に神奈川県民ホールで「ヴェルディ・椿姫」がある。有名な「乾杯の歌」も楽しみだし、オーケストラ・ピットに入る神奈川フィルも楽しみ。ソリストへの期待は言うまでもない。カジュアルな服装で構わないし、C席なら5000円。初めての方も気後れせずに足を向けてみませんか。ひょっとして病みつきになるかも知れませんよ。

 

 次回のクラシッククルーズは4月9日(火)、「ハマのJACK・春を感じる名曲コンサート」です。

   (2013年3月3日記録)

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