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2013年2月 2日 (土)

映画:ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ

  原題     First Position
  監督     ベス・カーグマン
  参考サイト  公式サイト
  場所     シネマ ジャック&ベティ(横浜黄金町)
  鑑賞     2013年1月30日

 

 もう一年前のこと、ローザンヌ国際バレエコンクールの一位に選ばれた菅井円加が、自分であることを確かめるように列を離れて表彰に踏み出す一歩二歩が、成し遂げたことの大きさを物語るようで印象的であった。一位になっても、それはゴールでなく次のスタート。

 その後、菅井はジョン・ノイマイヤー率いるドイツ・ハンブルグのナショナル・ユースバレエに留学したそうだ。一度だけ観たノマイヤーの「夏の夜の夢」は美しく、クラシックとモダン両方の要素があったように記憶する。菅井も磨かれていつの日にか凱旋するだろう。

 

 前置きが長くなった。この映画は、未来のプリンシパルを目指す若者たちの登竜門・ユース・アメリカ・グランプリ、その狭き門の通過を夢見て各地で日々のレッスンに励む6人に焦点を当てた記録映画。

 若者とは言ったが、このコンテストの出場資格は9歳から19歳、少年少女と言う方がふさわしい年代かも知れない。

 若者の生い立ちは各々に異なる。その一人・ミケーラはシオラレオネ生まれ、内戦で両親を亡くし、4歳でアメリカ人夫婦の養女に。今14歳、運命が他の途を歩ませていたら。

 予選・本選の舞台は5分、華やかで美しく感じるのは他人だろう。本人や師や家族には、将来を振り分けられる過酷な場だ。そこで自己を最大限にアピールするために、日ごろのレッスンはさらに過酷だ。つま先だって限りなく回転するフェッテは美しく華やかだが、トゥシューズを脱いだ足は傷だらけ。身体だって故障は耐えない。

 全ての若者は、結果の前にひれ伏さなければならない。努力なしに結果は得られないが、努力が結果に結びつくとは限らない。厳しい現実を垣間見せてくれる。

 

 が、栄光も挫折も一時。プリンシパルへの途は、さらに厳しいレッスンを継続し、いくつもの関門を潜り抜けなければ成らないだろう。だから、スポットライトを浴びてセンターステージで踊るプリンシパルに、限りない賞賛を寄せられる。極めて限られた者だけがそこに立つ。

 この映画はそこまで追うわけではないが、コンテストから先が今まで以上に狭い途であることを十分に予感させる。

 興味深い記録映画だ。週中の昼間、40人ぐらいが入場していた。時々、鑑賞に行くが、いつもの3~4倍。女性9割、男性1割。

 ダンスに興味があればお勧め。そうでない方にもお勧めします。観れば、新しい世界が広がることでしょう。

   (2013年2月2日記録)

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