美術:静嘉堂文庫美術館「曜変・油滴天目茶碗」
名称 受け継がれる東洋の至宝 PartⅢ
曜変・油滴天目 -茶道具名品展-
会場 静嘉堂文庫美術館
会期 2013年1月22日(火)~3月24日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2013年2月20日(水)
参考 公式ホームページ
静嘉堂文庫の名前は以前より承知していたが出かけるのは初めて。行きそびれていたが、「曜変・油滴天目」が展示されるとのことで重い腰を上げた。出かけてみれば横浜から一時間ほどで到着。多摩川左岸、武蔵野の面影が残るのだろう、緑濃い静寂の中だった。
稲葉天目と呼ばれる「曜変天目茶碗」は、5・60Cm角の独立ケースに展示されていた。控えめ照明の下でさえ、見込みに散りばめられた小宇宙、瑠璃色の深い輝きに引き込まれそうだ。四方それぞれの景色が見事だが、やはり正面から見た景色が一番輝いていて、しかも整然としていると感じた。
やや小振りに見える端正な天目形。美しいことは目で見て判るが、なぜ名器か。世界に三つしかない曜変天目茶碗の一つであること。徳川将軍家に端を発し、淀藩主稲葉家、岩崎小弥太(三菱4代社長)などを経て静嘉堂に収まるその歴史ゆえだろう。
ちなみに残る二つの曜変天目茶碗は、藤田美術館、大徳寺龍光院に収まるそうだ。
「油滴天目茶碗」も、5・60Cm角の独立ケースに展示されていた。良く見られるようにとの配慮だろう。ありがたい事だ。壁付き展示ケースでは、鑑賞の制約が大きい。
天目茶碗だが、口径20Cmほどと大振り、しかも朝顔の形状をしている。黒地に、大き目の銀白色の油の滴状の模様がびっしりと現れている。見込みだけでなく外側にも。色合いは地味な印象だが、見れば見るほど味わいが増すように感じた。。
過日鑑賞した『江戸東京博物館 特別展「尾張徳川家の至宝」』にも「油滴天目茶碗」が展示されていた。こちらは天目形だったが、油滴が実に細かかった。目検討で1対3か4程の面積比だと思うが、その大きさはコントロールされているのだろうか、偶然か。
茶道に通じているわけでもなく、骨董趣味がある訳でもない。ただ良いものを、良いと言われるものを見て、目と感性が多少なりとも向上すれば、それで幸せな気分になれる。
他に、天目茶碗の幾つか、楽茶碗の特に黒の幾つか。付藻茄子、松本茄子と呼ばれる茶入れ。伝藤原定家の小倉色紙。などを特に美しいと感じた。
全8ページだが、主要作品の図版入りリーフレットが入場時に配布された。これは実に嬉しいサービスだった。別に作品リストも配布された。
茶道やお宝に興味ある方は足を向けては如何でしょうか。名品とその歴史を感じられると思います。
(2013年2月20日記録)
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