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2013年2月

2013年2月28日 (木)

映画:ブリリア ショートショート シアター「アカデミー賞プログラム」

 昨年11月末に「ブリリア ショートショート シアター」の年間会員になって以来、既に7プログラムを鑑賞した。出来栄えと言うか、私の琴線への触れ方に差はあるものの、作品の内容、映画というメディアを使用して様々な表現に取り組む各国の製作者の存在に、結構、感動している。そのことは以前に掲載したが、その後も変わっていない。

 1日に2プログラムが交互に上映される。各プログラムは一ヶ月間継続するが、各々の開始・終了は半月ずれている。現在(2月27日)、バレンタイ・プログラム(28日まで)とアカデミー賞プログラム(3月15日まで)を上映中。3月1日からVOICEプログラムが上映開始される。

 バレンタイ・プログラムの3作品では様々な愛が描かれる。おもしろさはあるもののストーリーに既視感があった。永瀬正敏主演の「chocolate」は私が見始めてから初の日本作品、お互いの愛は失っていないものの別居状態にある家族の物語。バレンタイ・プログラムに適当かとの疑問は抱いたが、力作であることは確か。

 アカデミー賞プログラムの4作品は、いままでに鑑賞した7プログラムで最も粒よりのものが揃っていた。アカデミー賞の時期であり、「Curfew リッチーとの一日」はアカデミー賞候補作品(25日に短編実写部門受賞決定)で、アカデミー賞プログラムとされたのだろう。しかし作品の基調は愛、バレンタイン・プログラムよりはもう少し大きな愛がテーマ。

 「Lavatory-Lovestory(ロシア)」は線描の動画で部分着色、その他は実写。アカデミー賞受賞の「Curfew リッチーとの一日(アメリカ)」はさすがに見事、「The Crush アーダルの恋(アイルランド)」も鋭い視点があり、「Toyland おもちゃの国(ドイツ)」は、ドイツで制作されたことに映画人の良心を感じた。

 1プログラムは1時間に編成、入場料1000円、内容を書く訳にいかないので貴方の目で是非確認して欲しい。多少でも興味を感じていただけたら、まずはアカデミー賞プログラムを。

 

 ホームページに案内図があるけれど、地元の私も最初は戸惑ったので、要所の写真を掲載しておく。参考まで。
 案内図の迎賓館と高島中央公園の間に掛かる歩道橋上で撮影した写真。左は横浜方面を望むが、右端の丸いビルが富士ゼロックス、その奥が日産本社、横浜駅東口は日産本社の向こう側。右は歩道橋上で回れ右した状態、正面に高層住宅が二棟、その裏に二棟。シアターは右側の奥の高層住宅の二階になる。
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 左は右側の手前と奥の高層住宅の間で左側中央に住宅入り口、中は住宅入り口の様子、入って右手の階段を上る。右は二階のシアター入り口。
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   (2013年02月27日記録)

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2013年2月25日 (月)

さわやか横浜:根岸・旧柳下邸から森林公園へ(2012年12月24日)

 JR根岸駅から徒歩10分ほどのところにある「旧柳下邸」は、おそらく大正時代に作られた和洋折衷の手の込んだ建物。映画「コクリコ坂から」の主人公・海の自宅のモデルと言われています(写真は、概観と脱衣所から風呂場)。
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 今の時期、建屋内部には大正・昭和時代の雛人形が何組も飾ってあります。
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 少し根岸駅に戻るようにして脇にそれ、根岸八幡神社脇の細い階段を登ると横浜山手の西南端に出ます。尾根道を進めば、根岸森林公園に至ります。途中、30数年ぶりに「山手のドルフィン」に寄りましたが、窓から見える景色は激変していました(写真は、階段途中にあった「かながわの美林50選・根岸旧海岸線の森」標柱、米軍根岸キャンプ、山手のドルフィンの看板)。
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 根岸森林公園内には小規模な梅林がありますが、まだ見ごろにはなっていませんでした(写真は、公園中央部と梅林)。
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   (2013年2月24日記録)

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2013年2月23日 (土)

美術:神奈川県立近代美術館葉山館 検証・二枚の西周像

  名称   美は甦る
       検証・二枚の西周像
         -高橋由一から松本竣介まで
  会場   神奈川県立近代美術館 葉山館
  会期   2013年1月26日(土)~3月24日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年1月21日(木)

  参考   公式ホームページ

 

 展覧会名称からは企画意図が少々判りにくいように思えるが、軸は二つ。「二枚の西周像に関する修復・調査の成果報告」と「収蔵品による日本洋画の変遷」。軸の交差するところが高橋由一。

 

 島根県津和野町立津和野郷土館に高橋由一作「西周像」がある。津和野町の太鼓谷稲荷神社で高橋由一作と考えられる「西周像」が新たに発見されたが、痛みが激しく、二枚が酷似することから、学芸スタッフが中心となって修復・比較検討調査を実施した。

 西周とは、明治維新前後に活躍した啓蒙思想家・教育者。西周からみて森鴎外は従兄弟の子。未読なれど森鴎外に「西周伝」あり、荷風が誦読するに最適と高く評価するとは、とある日本文学史からの受け売り。

 二枚の「西周像」は並べて展示される。素人目には同一作者と思える。良く見れば、髭や勲章を下げる紐、ステッキの房?の形に細かい差異がある。顔は、新発見が修復直後も関係するのか肌色がやや濃く、全体につややか。背後のカーテンも色が濃く暗い。ただ、それらは本質的なことではないだろう。

 調査結果の一端はCGによる解説がある。修復前の側面光投影で確認できる大きく波打つカンバス、透過画像による二枚の像の重ね合わせ。高橋由一と関係者間の手紙等の関係資料展示もある。新発見の「西周像」が高橋由一作と断定されていないけれど、日本洋画史の最上流に位置づけられることは確かだろう。誰かの模写としても、日本洋画を切り開こうとした力の存在は感じられる。

 多くの客を呼ぶ派手な企画ではないが、美術館の底力を垣間見せられるようで興味深い。そういう所にもっと注目して良いと思った。

 

 「高橋由一から松本竣介まで」は、収蔵する日本洋画作品を、黎明期から戦中までの時の流れに沿って展示するもの。作品リストが無かったので、思い出す範囲で浅井忠、高橋源吉、黒田清輝、萬鉄五郎、佐伯祐三、岸田劉生、村山知義、古賀春江、藤田嗣治。高橋由一「江ノ島図」、松本竣介「立てる像」など、昨年の大々的な個人展で見たばかりだ。
 印象的な作品に関根正二「少年」、見つめるのは手に持った花か、さらに遠くの見えないものか。この作品を初めて観た時から、ジョー・オダネルの一枚の写真と切り離せなくなっている。

 日本の近代洋画史を概観する思いがする。それにしても収蔵品は充実していると感じる。日本初の公立近代美術館として活動してきた成果だろう。

 

 小企画「石巻文化センター所蔵作品の東日本大震災による被災美術品の修復報告」を併催、大震災のあまり気付かれない傷跡を目の当たりに出来る。
 そして、「アントニー・ゴームリー 彫刻プロジェクトIN 葉山 TWO TIMES -ふたつの時間」は3月3日まで。半年ほど海風にさらされてさびが進んだ。
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   (2013年2月22日記録)

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2013年2月21日 (木)

美術:静嘉堂文庫美術館「曜変・油滴天目茶碗」

  名称   受け継がれる東洋の至宝 PartⅢ
         曜変・油滴天目 -茶道具名品展-
  会場   静嘉堂文庫美術館
  会期   2013年1月22日(火)~3月24日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年2月20日(水)

  参考   公式ホームページ

 

 静嘉堂文庫の名前は以前より承知していたが出かけるのは初めて。行きそびれていたが、「曜変・油滴天目」が展示されるとのことで重い腰を上げた。出かけてみれば横浜から一時間ほどで到着。多摩川左岸、武蔵野の面影が残るのだろう、緑濃い静寂の中だった。

 

 稲葉天目と呼ばれる「曜変天目茶碗」は、5・60Cm角の独立ケースに展示されていた。控えめ照明の下でさえ、見込みに散りばめられた小宇宙、瑠璃色の深い輝きに引き込まれそうだ。四方それぞれの景色が見事だが、やはり正面から見た景色が一番輝いていて、しかも整然としていると感じた。

 やや小振りに見える端正な天目形。美しいことは目で見て判るが、なぜ名器か。世界に三つしかない曜変天目茶碗の一つであること。徳川将軍家に端を発し、淀藩主稲葉家、岩崎小弥太(三菱4代社長)などを経て静嘉堂に収まるその歴史ゆえだろう。

 ちなみに残る二つの曜変天目茶碗は、藤田美術館、大徳寺龍光院に収まるそうだ。

 

 「油滴天目茶碗」も、5・60Cm角の独立ケースに展示されていた。良く見られるようにとの配慮だろう。ありがたい事だ。壁付き展示ケースでは、鑑賞の制約が大きい。

 天目茶碗だが、口径20Cmほどと大振り、しかも朝顔の形状をしている。黒地に、大き目の銀白色の油の滴状の模様がびっしりと現れている。見込みだけでなく外側にも。色合いは地味な印象だが、見れば見るほど味わいが増すように感じた。。

 過日鑑賞した『江戸東京博物館 特別展「尾張徳川家の至宝」』にも「油滴天目茶碗」が展示されていた。こちらは天目形だったが、油滴が実に細かかった。目検討で1対3か4程の面積比だと思うが、その大きさはコントロールされているのだろうか、偶然か。

 

 茶道に通じているわけでもなく、骨董趣味がある訳でもない。ただ良いものを、良いと言われるものを見て、目と感性が多少なりとも向上すれば、それで幸せな気分になれる。

 他に、天目茶碗の幾つか、楽茶碗の特に黒の幾つか。付藻茄子、松本茄子と呼ばれる茶入れ。伝藤原定家の小倉色紙。などを特に美しいと感じた。

 全8ページだが、主要作品の図版入りリーフレットが入場時に配布された。これは実に嬉しいサービスだった。別に作品リストも配布された。

 

 茶道やお宝に興味ある方は足を向けては如何でしょうか。名品とその歴史を感じられると思います。

   (2013年2月20日記録)

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2013年2月12日 (火)

音楽:バッハの見た世界

  名称  バッハの見た世界
      寺神戸亮&曽根麻矢子 デュオ・リサイタル

  演奏  寺神戸亮(Vn)
      曽根麻矢子(Cemb)

  曲目  J.S.バッハ   :ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調
      ヴィヴァルディー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
                「マンチェスターソナタ集」より第2番 ニ短調
      スカルラッティ :ソナタ ニ短調 K9、ソナタ ニ短調 K10
                              (チェンバロ・ソロ)
      コレッリ    :フォーリア(ラ・フォリア)ニ短調
                ~ヴァイオリン・ソナタ Op.5-12より
      ヘンデル    :ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 二長調
      ヴィターリ   :シャコンヌ ト短調
      J.S.バッハ   :ヴァイオリンとオブリガートチェンバロのためのソナタ
                                   第3番 ホ長調
      J.S.バッハ   :G線上のアリア(アンコール)

  会場  リリスホール(横浜本郷台)
  公演  2013年2月10日 14:00~15:50(休憩15分)

 

 プログラムに使用楽器が明記されている。ヴァイオリンは「Giobanni Gracino,Milano 1691」、ふくやかで豊かな響き、ちなみにと言うか当然と言うべきかバロック・ボーを使用していた。チェンバロは「Flemish double manual harpsichord after Dulcken 1745 MOMOSE HARPSICHORD 1995」、曲の加減もあると思うけど、いままで聞いたチェンバロに比して高音域が多少控えめな感じで落ち着いた響き。蓋裏にフランドル派とか、バルビゾン派とかを思わせる美しい風景画が描かれている。

 寺神戸亮も、曽根麻矢子も、一度は聞いてみたい演奏家だった。「バッハの見た世界」と言うプログラムからも、二人が教職者であることからも、多少、学究的な意味合いが感じられるかと思っていたが、それは微塵も感じなかった。寺神戸はヘンデルから上着を脱いで演奏、曽根は終始にこやかで明るい雰囲気を漂わせていた。

 全体を通して感じられたことは、ヴァイオリンが明瞭に響いてくるのに対して、チェンバロの響きが少し控えめだったこと。使用したチェンバロ自体の特性と、通奏低音を担うことによるものだろう。座席が下手の端の前の方だったことも影響しているかも知れない。

 J.S.バッハと同時代の作曲家が、各々に新しいものを創造していた。それだから、今に残っているのだが。事細かく説明はできないけれど、改めて判ったような気がした。それにしても、J.S.バッハやヘンデルはともかくとして、ピリオッド奏法でコレッリやヴィターリが生で聴けるとは。それを楽しみに出かけたのだが。

 そして、アンコールの「G線上のアリア」がまた美しく、ターンだと思うが装飾音がやけに心に響いた。あと一ヶ月で東日本大震災から二年。

 コンサートに出かければ何らかの幸福感を貰って帰るのだが、このコンサートは貰ったものが大きかった。二人の、あるいは単独でも良いけれど、スケジュールを確認してまた出かけようと、帰り道で思った。

   (2013年2月11日記録)

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2013年2月11日 (月)

さわやか横浜:中華街旧正月(2013年2月10日)

 新年好。横浜中華街の旧正月風景です。中華街全体にすごい人出でした。連休と言うこともありそうです。

 関帝廟、媽祖廟。本通り中空の電飾、漢字表記が似合います。
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 獅子舞。店内を舞った帰り際、軒下に吊る下げられたご祝儀袋を獅子が食べます。「採青(さいちん)」と言いますが、昔は獅子の大好物の青菜に包まれていたからだそうです。
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   (2013年2月11日記録)

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2013年2月 9日 (土)

音楽:みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.47

 出演 サキソフォーン・カルテット・アテナ
      塩安真衣子(S.Sax)、江川良子(A.Sax)、
      富岡祐子(T.Sax)、平賀美樹(B.Sax)

 曲目 ランチタイム・クルーズ(12:10~12:55)
      フラッケンボール編曲 :ラグタイム組曲
                  グレン・ミラー・メドレー
      クレリス       :かくれんぼう
      野村秀樹編曲     :日本の四季 懐かしの童謡メドレー
      ビゼー(伊藤康英編曲):カルメン幻想曲
      レスピーギ      :リュートのための古い舞曲とアリア
                  第3組曲より イタリアーナ(アンコール)

  会場   横浜みなとみらいホール・大ホール
  公演   2013年2月7日

 

 チラシには黒尽くめで写っていたけれど、当日は、各々デザインは異なる白尽くめのパンツ・ルック、サキソフォーンを抱えて颯爽と登場。実に格好良いけれど、バス・サキソフォーンは13Kgもあるそうで、格好良く見せるのも力がいると思えます。久しぶりのクラシック・クルーズ、ただしランチ・タイムのみ。

 

 「ラグタイム組曲」。古いスタイルだけど、めりはりの効いたラグは好きだし、サキソフォーンに良くマッチ。若手だけれど、良い響きがしています。

 以降もですけど、カルテットなのに、ソプラノ・アルト+テナー・バスの3パートに聴こえています。アルトとテナーは音色が似ているかも知れませんし、編曲もあるでしょうけれど、一番は私の耳の機能低下でしょう。聴こえないものが増えてきました。都合の良いときもありますけど。

 「グレン・ミラー・メドレー」。時々、ビッグバンドを聞きたくなるときがあります。サキソフォーン4本では迫力に乏しいきらいはありますが、スイングしなけりゃ意味がない、良かったです。

 「かくれんぼう」。唯一のオリジナル曲。描写音楽。確かに弦ではなく、管のための曲だろうとの感じはします。しかも音が尾を引くような楽器向けだと思いました。

 「懐かしの童謡メドレー」。しみじみ響くと言いたいところですが、明るい童謡になりました。『何曲挿入されているか数えて下さい、答えはティータイムに』との事でしたので、ランチだけの予定の私は数えませんでした。春夏秋冬を巡って春で終わりましたけど、春の曲が圧倒的に多かったです。私も例外ではありませんけど、客の年齢層が高いので良い選曲です。

 「カルメン幻想曲」。早回しでカルメンを見た思いがしました。劇的で激しい情熱が渦巻く曲、その印象が凝縮されていました。

 

 「ラグタイム組曲」「グレン・ミラー・メドレー」「カルメン幻想曲」「イタリアーナ」、編曲物ですけれど、オリジナルをそこそこに聴いているので楽しさ倍増。「かくれんぼう」、一度聴いただけで多くはわかりませんが、楽器の魅力を一番ん引き出していたのは、やはりオリジナルのこの曲でした。「懐かしの童謡メドレー」、楽しめました。でも『どこかで春が生まれてる』という感じはなくなりました。今の子供には判らないでしょう。

 

 次回は3月1日(金)、横浜シティオペラ メンバーによるオペラハイライトです。

   (2013年2月9日記録)

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2013年2月 7日 (木)

美術:横浜美術館「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー展 」

  名称   ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家
  会場   横浜美術館
  会期   2013年1月26日(土)~3月24日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年2月5日(火)

  参考   公式ホームページ

 

 企画展に大小があるならば、横浜美術館で9月末終了の「奈良美智展」は大、次の「はじまりは国芳展」は小、今回の「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 展」は小。大小は私の勝手な分類、人気ある作者や、入場者が多そうな企画か否かで、内容を突き詰めた訳でない。

 ブログに書きそびれたが、「国芳展」は前期2回・後期1回を鑑賞した。近代美術史を貫く一本の師系が垣間見られた。小に分類したが、伏流する内容が興味深かった。

 

 結論から言えば、「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー展 」も、小に分類したが興味深かった。“ロバート・キャパ”の名前の真相を含めて。

 

 「二人の写真家」の本名は、アンドレ・フリードマン(1913年生/1954年没、後のロバート・キャパ)とゲルタ・ポホリレ(1910年生/1937年没、後のゲルダ・タロー)であること。

 二人は1934年にパリで出会い意気投合、1936年春に“ロバート・キャパ”の架空の名前を作り、報道写真撮影とその売り込みをはじめた。この時期、使用カメラの異なりで識別可能な作品もあるが、どちらが撮影しても“ロバート・キャパ”でクレジットされた。

 二人の仕事が軌道に乗ると、ポホリレは“ゲルダ・タロー”の名前で自立する。そしてフリードマンは、単独で“ロバート・キャパ”を名乗る。

 “ロバート・キャパ”の名前は知っているつもりだった。しかし、“ロバート・キャパ”には“ゲルダ・タロー”と一体で活動した時期と、個人で活動した時期があることを、新たに知った。

 

 会場に要を得た解説がある。珍しく丹念に読んだが、次の作品展示区分の背景が理解できて丁寧な鑑賞に結びついた。

  Part1:ゲルダ・タロー
      1.1936年
      2.1937年
  Part2:ロバート・キャパ
      1.フリードマンからキャパへ
      2.スペイン内戦
      3.日中戦争~第二次世界大戦 I
      4,第二次世界大戦 II
      5.インドシナまで

 作品のほとんどは1985年のモノクロ・プリント。写しだされた戦争は、悲惨な場面だけでなく和やかな場面も含まれる。それは紙一重の表裏だろう。
 会期末までに間があるので何回か出かけるつもり。感想は次に回す。

 現在とは異なるかも知れないが、戦争報道の観点からも興味深い。多くの方に足を向けて頂けたらと思う。

   (2013年2月6日記録)

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2013年2月 2日 (土)

映画:ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ

  原題     First Position
  監督     ベス・カーグマン
  参考サイト  公式サイト
  場所     シネマ ジャック&ベティ(横浜黄金町)
  鑑賞     2013年1月30日

 

 もう一年前のこと、ローザンヌ国際バレエコンクールの一位に選ばれた菅井円加が、自分であることを確かめるように列を離れて表彰に踏み出す一歩二歩が、成し遂げたことの大きさを物語るようで印象的であった。一位になっても、それはゴールでなく次のスタート。

 その後、菅井はジョン・ノイマイヤー率いるドイツ・ハンブルグのナショナル・ユースバレエに留学したそうだ。一度だけ観たノマイヤーの「夏の夜の夢」は美しく、クラシックとモダン両方の要素があったように記憶する。菅井も磨かれていつの日にか凱旋するだろう。

 

 前置きが長くなった。この映画は、未来のプリンシパルを目指す若者たちの登竜門・ユース・アメリカ・グランプリ、その狭き門の通過を夢見て各地で日々のレッスンに励む6人に焦点を当てた記録映画。

 若者とは言ったが、このコンテストの出場資格は9歳から19歳、少年少女と言う方がふさわしい年代かも知れない。

 若者の生い立ちは各々に異なる。その一人・ミケーラはシオラレオネ生まれ、内戦で両親を亡くし、4歳でアメリカ人夫婦の養女に。今14歳、運命が他の途を歩ませていたら。

 予選・本選の舞台は5分、華やかで美しく感じるのは他人だろう。本人や師や家族には、将来を振り分けられる過酷な場だ。そこで自己を最大限にアピールするために、日ごろのレッスンはさらに過酷だ。つま先だって限りなく回転するフェッテは美しく華やかだが、トゥシューズを脱いだ足は傷だらけ。身体だって故障は耐えない。

 全ての若者は、結果の前にひれ伏さなければならない。努力なしに結果は得られないが、努力が結果に結びつくとは限らない。厳しい現実を垣間見せてくれる。

 

 が、栄光も挫折も一時。プリンシパルへの途は、さらに厳しいレッスンを継続し、いくつもの関門を潜り抜けなければ成らないだろう。だから、スポットライトを浴びてセンターステージで踊るプリンシパルに、限りない賞賛を寄せられる。極めて限られた者だけがそこに立つ。

 この映画はそこまで追うわけではないが、コンテストから先が今まで以上に狭い途であることを十分に予感させる。

 興味深い記録映画だ。週中の昼間、40人ぐらいが入場していた。時々、鑑賞に行くが、いつもの3~4倍。女性9割、男性1割。

 ダンスに興味があればお勧め。そうでない方にもお勧めします。観れば、新しい世界が広がることでしょう。

   (2013年2月2日記録)

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2013年2月 1日 (金)

歌劇:D.チマローザ「秘密の結婚」

  指揮   樋本英一

  演出   恵川智美

  独唱   松山いくお  :ジェロニモ(裕福な商人)
       チョ・ミョンミ:エリゼッタ(ジェロニモの長女)
       田島千愛   :カロリーナ(ジェロニモの次女)
       細見涼子   :フィダルマ(ジェロニモの妹で未亡人)
       藤原海考   :パオリーノ(ジェロニモの使用人)
       鶴川勝也   :ロビンソン伯爵(伯爵)

  演奏   フィルハーモニア東京

  会場   横浜みなとみらいホール・小ホール
  公演   2013年1月26日14:00~16:50(休憩20分)

 

 「秘密の結婚」はオペラ・ブッファの代表作の一つ。オペラ・ブッファとはオペラの下位概念で、イタリア・オペラの一様式。ストーリーは単純明快、庶民的で喜劇的な内容を表現する。

 とは言え、小ホールでの上演には乗り越えるべき多くの課題があっただろう。ステージ後方に可動式残響調整板がある。二幕構成だけれど舞台幕は無く、何より舞台転換するスペースも無い。オーケストラピットがある筈も無く、座席を一列外していたように見えたが、そこに、弦(1st Vn,2nd Vn,Va,Vc,Cb)、管(Ob,Cl*2,Hr*2)、チェンバロが陣取る。もちろん指揮者も。

 ステージには書割が左右に3枚、客席に向けて開くような形でセットされ、椅子などの小道具が置かれていた。

 座席に着いた時に、これらの様子が目に入り、開演前にひとしきり感心した。なぜって、演奏会形式とは明示されていないけど、ここに大道具を入れてオペラを上演するなんて。出演者・関係者の熱意にまず敬意を表さないといけないと思った。

 

 カロリーナ(田島)のソプラノは美声、会場が小さいせいもあるけれどよく響く。他もそれぞれに個性を感じる。重唱も美しい。オーケストラは、下手から上手に一列に広がっていたが、私はほとんど最後方の席だったので、左右に広がって聴こえる感じもほとんど無かった。前方席の方はどうだったろうか。

 演技も取ってつけたようなところはない。狡猾そうな伯爵(鶴川)、成金のジェロニモ(松山)がオペラ・ブッファの雰囲気を盛り上げる。伯爵は客席中央の入り口から登場、通路を通ってステージに上がるなど、狭いステージを補って立体感を表した。
 演出の恵川は、現黒テントでの演劇活動を経てオペラに重心を移してきたようで、笑わせ所も心得て舞台を支えた。

 

 一点、改善要望。原語上演で和訳を残響調整板上部に直に投影していたが、ステージの照明の状況によって判読不能。普及公演だから、可能な限りきちんとしたほうが良い。

 とは言え、立派に上演。もちろん、最高峰の魅力を備えていたかと言えば首を縦に振りはしない。しかし、多くの制約を乗り越えて、オペラを普及させようとの意図は100%達成していた。

 ちなみに、4月5/6日に「椿姫」公演が予定されている。5日が追加公演とされているので、たまにはオペラと思ったら早めにチケットを手当てした方が良いと思う。

 

 一月は風邪を引いたり、後半になって忙しかったりでブログ更新が間延びしました。2月からはタイムリーな更新を心がけます。

   (2013年1月31日記録)

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