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2013年1月

2013年1月28日 (月)

音楽:神奈川フィル第286回定期演奏会

  指揮   下野竜也

  独奏   三澤徹(トランペット)

  演奏   神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目   ニコライ :歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
       ハイドン :トランペット協奏曲変ホ長調
       ブラームス(シェーンベルク編曲)
            :ピアノ四重奏曲第1番ト短調

  会場   横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演   2013年1月25日17:00~20:50(休憩20分)

 

 コンサートに出かけるのは楽しむためだから、プログラムを見て敬遠したくなることはある。選り好みであったとしても。

 今夜はちょっと敬遠したくなる組み合わせだけれど、定期会員になった以上は出かける責務がある。と、それほど堅い意思でもないが。逆に言えば、選り好みを避ける意味で定期会員になった一面がある。

 

 閑話休題、「ニコライ」。この題名でウィキペディアを検索すると、シェイクスピアの同名の喜劇が先にヒットする。この曲は、それをテキストにしたオペラの序曲。残念ながら喜劇もオペラもまだ観ていないけれど、曲から、演奏から、指揮者の動きから、何か含み笑いしそうな雰囲気が漂ってきた。何よりオペラ・演劇へ誘われる思い、そういう楽しさがが伝わる演奏だった。

 

 「ハイドン」。ソロの三澤は神フィルの首席、出だしはちょっと緊張している様子が伝わったきた。仲間がバックだったからだろうか。

 トランペットが明るい音色だし、曲も凱旋を思わせるような雰囲気があるし、新年を寿ぐ雰囲気が存分に漂い、まず楽しい。外部からソリストに迎えるのも良いけれど、仲間内からソリストを出すのも、多少語弊のある言い方になるけれど、一体感が感じられて楽しかった。こういう機会が時々あるけれど、良いことだと思う。

 

 「ブラームス」と「シェーンベルク」、生みの親と育ての親がいるようなこの曲は、やさしい性格の子が、勇気と力強さを兼ね備えて成長したようだ。育ての親の影響が大きい、すなわちオーケストレーションの妙。神フィルの弦の美しい繊細さと管の煌びやかさが余すところなく引き出さた。4楽章の途中、第2が遅れて弾きだすけど弦のトップによる四重奏の形が現れる。生みの親が思い出される瞬間だし、神フィルの核が確認できた。

 

 プログラムは、前半で祝祭の雰囲気を醸し出し、後半で神フィルの実力をさらけ出して、新年をスタートするととらえた。下野の紡ぎ出す音楽は、オーケストラとともに、厳しくも楽しさが付いて回っていると感じられる。
 終えてみれば大いに楽しめた、2013年初の神フィルの定期だった。だから選り好みしてはいけないということか。

 クラッシクコンサートを敬遠している方も、音のシャワーを浴びてしまえば結構楽しいから、今年こそ最初の一歩と言わず、二歩三歩、を踏み出しては如何でしょうか。

   (2013年1月27日記録)

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2013年1月25日 (金)

美術:江戸東京博物館 特別展「尾張徳川家の至宝」

  名称   会館20周年記念特別展「尾張徳川家の至宝」
  会場   江戸東京博物館
  会期   2013年1月20日(水)~2月24日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年1月21日(月)

  参考   公式ホームページ

 

 源氏物語絵巻を観たくて出かけた。それは後述として、大概の作品は美しいと思うけれど、圧倒されるほどでもない。権力の集中を感じた。分類は次のとおり。

  1.尚武  刀剣、弓・馬具、鉄砲、陣中道具・火薬装束 
  2.清雅  茶の湯、能面、能装束、能道具・楽器、香
  3.教養  つれづれの楽しみ、書画の嗜み

 

 「尚武」とは“武事・軍事をとうとぶこと(岩波国語辞典第3版)”。角川必携国語辞典には“尚武”が立ってない。

 「尚武」の小見出しに分類されない作品があった。『徳川家康画像(伝狩野探幽)』、『白熊毛采配』など。とても美しいと思ったのが『銀溜白糸威具足』、尾張家初代の徳川義直(家康の九男)所用で、銀の礼(さね)を白糸の紐で繋ぎ、とても渋い。

 “刀剣”以下は、刃こぼれのある刀が目についたけど、言葉にまとまらない。さすがに丁寧なつくりであることは判る。

 

 「清雅」は武士の資質として欠くべからざるものだろうけど、「尚武」とは対極にある。天下の頂点に立つために武力が不可欠だけれど、一度頂点にたてば、他者の武力は削ぎたいだろう。と書いて、昨今と相違ないと思った。

 『藤原定家書状「山門状」』に歴史を感じ、武家の所有に似合わない思いがする。『油滴天目(星建盞)』は細かい油滴、単眼鏡で除けば実に見事。ただ茶碗全般に言えるが、照明がトップライトのために天目などは外面が影になり、特に色濃いものは観にくいので改善を希望する。
 『香木 伽羅 銘蘭奢待』は正倉院御物から切り取った小片、家康が切り取らせたのだろうか。

 「清雅」には心休まるものがいくつか。手元に置いて日々眺めたいと思うものもいくつか。

 

 「教養」、特に書画は文学史の感がある。『古今和歌集 伝二条為氏筆』、『三十六歌仙図額 伝狩野探幽筆・石川丈山賛』、『新撰朗詠集抄 後円融天皇筆』など。たどたどしくても読めたら楽しいだろ。自分の教養のなさを再確認。

 ところで『源氏物語絵巻』、当日展示されていたのは、『柏木(三) 現状模写』と『東屋(二) 模本』。案内に期間限定と記されていたが、両方とも本物でない期間だった。私に差異は判らないだろうけど、本物を見ておくことは重要だと思う。
 虫眼鏡でよく見れば、確かに展示期間は明示されているが。

 

 会期終了までに一ヶ月ほどある。もう一度出かけるか。虫眼鏡で展示期間をよく確認して。

   (2013年1月24日記録)

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2013年1月12日 (土)

美術:世田谷美術館「松本竣介展」

 「生誕100年 松本竣介展」は、岩手県立美術館、神奈川県立美術館、宮城県美術館、島根県立美術館を巡回、今は最後の東京世田谷美術館で開催中(~2013年1月14日)。

 私は神奈川県立美術館で一度鑑賞したが、東京世田谷美術館に巡回時に再度、鑑賞しようと思っていた。竣介の絵が好きだし、これだけの企画展が観られるのは、私にとっては最後の機会だと思うから。

 同一の企画展が、アクセス容易な異なる美術館で開催されることも興味があった。会場、展示方法で印象が変わるのかなどと。早くに出かければ良かったが、結局、会期末が近づいた1月10日に出かけた。

 

 全体の印象は、神奈川県立美術館での鑑賞時の『竣介は1948年、36歳で夭逝。人並みの寿命を送れたら、どれだけ偉大な画業を成し遂げたことだろう。いや、残した作品は多いし、内容も見事だし、既に偉大な画業を成し遂げていたのだが。』に尽きる。

 例えば、「船越保武・松本竣介二人展」の案内チラシなどの展示を観ると、その思いは増す。船越の晩年の活躍が映像などで見られるだけに、若くして命を絶たれなければ竣介の記録も残っただろうなどと。

 

 会場は第1会場、第2会場に分かれていた。作品が多いので、展示は少し窮屈な印象、天井も低いから余計にそう感じる。

 第2会場に入ってすぐの部分は円弧状の壁面、そこに「画家の像」「立てる像」「三人」「五人」の4作品が並んで展示されていた。少し離れて交互に作品を観る。戦時下に描かれ、家族や自分、そして社会のことを思いやる竣介の強い意志が伝わってくるようだ。

 神奈川県立美術館では、4作品が他の作品と並んで壁面にL字型になるように展示されていたと記憶する。特に「立てる像」が印象付けられる展示だった。
 4作品に関しては世田谷美術館の展示が効果的、それぞれの館の特徴を生かして大いなる工夫が凝らされていると感じた。

 

 松本の作品には、静謐を通り越して無響の印象を受ける。十代半ばに聴覚を失ったこが背景にあるだろ。戦争の臭いが充満している時代だったことも多分に関係するだろう。美術、広く芸術が、社会との係わり合いなしに存在することは不可能だ。もし松本が今に生きていたらどのような作品を残すだろうか。

 生誕100年記念ではあるが、歴史が巡る兆しを訴えかけているようにも感じらた。心に沁みる美術展。終えてしまうのが残念、もっと出向けば良かった。

   (2013年1月12日記録)

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2013年1月 8日 (火)

美術:BankART Studio NYK「川俣正展」

  名称   川俣正展「Expand BankART」
  会場   横浜 BankART Studio NYK
  会期   2012年11月 9日(金)~2013年1月13日(日)、詳細は要確認
  鑑賞日  2013年 1月 7日(月)

  参考   公式ホームページ

 

 主な素材はパレット。「BankART Studio NYK」が旧日本郵船倉庫であることを思えば、パレットは見事にマッチする。しかし、例えば宗教施設とパレットの組み合わせほどの意外性はない。産業現場として長い歴史を刻んだ倉庫へのオマージュと思いたい。

 

 赤レンガ倉庫からみなとみらい地区へ続く運河沿い道、そこから外壁のオブジェが見られる。倉庫が内臓を吐き出すように見えて面白い。ただ、周囲に大きな建物が並んでいて大きさを実感しにくい。壁面が北北東ぐらいに向いていて始終日陰で目立ちにくい。それを補正しながら見ると、結構すごい(写真は、赤レンガ倉庫付近から、万国橋上から、運河を挟んで正面から)。無料だから、近くへお出かけの際は試しに見て頂きたい。上質の現代アートの一端が見られる。
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 倉庫内は有料だけれど、チケットは会期中有効になっていた。各階で、川俣の過去の展覧会のビデオ記録を投影している。 

 1階は、パレットで壁・天井を覆うオブジェ。平らなパレットが緩やかに孤を描いて天井に連なる様子は、何か暖色系の感じがする。「森敦・月山」で、主人公が古紙でドーム状のシェルターを作って籠もる場面が描かれるけど、それを思い出した。
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 2階は、建築廃材の窓枠で天井を覆うオブジェ。これ以上は進化しないと思うが、ちょっと物足りないか。
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 3階は、柱に木材で小屋が取り付けてあった。登って中に入れるような空間があると楽しいと思う。結構手がかかるだろうけど。
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 かっての産業現場で展開されるインスタレーション。結構力強いし、こんなことをやってみたいと思わせる面白さがある。そこから倉庫や労働の歴史が浮かび上がるようにも感じた。まだまだ発展の余地がありそうだけれど、もう会期末。

 関係者ブログに『どうか全ての建築家に見て欲しい。/どうか全ての美術家に見て欲しい。/どうか全てのパフォーマーに見て欲しい。/どうか全ての行政マンに見て欲しい。/そして、少数でもいいから市井の人たちも反応して欲しい。』と書いてある。客の入りが良くないのだろう。私は一人の市井の人に属するが、市井の人のプライオリティを上げる工夫が必要と感じた。周囲の観光地の中にあって展覧会は地味だし、即物的な感興も少ない。それと展覧会の良し悪しは決して関係ないのだけれど。

   (2013年1月8日記録)

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2013年1月 4日 (金)

路上観察:第89回箱根駅伝復路

 第89回箱根駅伝は日体大の優勝で幕を閉じました。選手・関係者の皆さん、お疲れ様でした。これから良いお正月をお過ごしください。

 白バイ2台に先導されて走る選手の気持ちはどんなものでしょうか。良い気分か、たすきをつなぐまでは気が気でないか。おそらく後者と想像します。団体競技で途中交代もできませんから、一入、重い責任を感じるのではないでしょうか。 Hakone1 Hakone2_2

 九区中間点過ぎ、先頭から後尾まで長く延びて、選手は一人また一人と通り過ぎて行きましたが、一箇所だけけ三校が競り合っていました。一人で走るのと併走するのとで、気持ちはどう違うのでしょうか。
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 来年は第90回の記念大会、元気に一年を過ごしたい。そして11年後は第100回の記念大会、がんばらばいけど元気で選手たちを応援していたいものです。

   (2013年1月3日記録)

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2013年1月 2日 (水)

路上観察:第89回箱根駅伝往路

 箱根駅伝が通過する国道一号線・往路二区の横浜駅過ぎ近くに自宅があるので、例年、選手の通過に合わせて応援に出かけます。目の前を10位近くで通過した日大・ベンジャミン選手は、二区のゴール寸前に1位に躍り出ました。敬意を表してベンジャミン選手の写真を。それにしても美しい筋肉です。Hakoneekidenn

 写真がなんとなく不安定なのは、地に足がついていないからでしょう。選手通過のうちに数枚しか撮れませんが、そのうちの一枚をトリミングしています。それにしても素晴らしい一瞬を写真に留めるのは至難の技、改めてプロは凄い。

   (2013年1月2日記録)

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2013年1月 1日 (火)

路上観察:おめでとうございます

 明けましておめでとうございます。

 横浜駅を少し過ぎたあたりの国道一号線上空、機種を南に向けたまま、人が走るような速度で西に移動するヘリコプターを見かけました。箱根駅伝は明日・明後日ですけれど、長年の経験から箱根駅伝の中継準備と思い、カメラを向けました。確かに、胴体の脇に「日テレ」のロゴが確認できます。
 横浜は青空で新年を迎えました。明日の空模様は多少怪しげな予報ですが、良いほうに外れて欲しいものです。Photo

 今年も、ブログ「変様する港街から」を通して、身辺の話題を発信しますのでよろしくお願いいたします。

   (2013年1月1日記録)

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