美術:アントニー・ゴームリー『ふたつの時間』
名称 Two Times Antony Gormley Project in Hayama
会場 神奈川県立近代美術館葉山館
会期 2012年8月~2013年3月3日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2012年12月1日(土)
参考 この作品のみ鑑賞は無料(駐車場利用は有料)
作品は二体の彫刻で構成されている。
一体は鋳造された鉄でできており、大地に屹立して海に向いている。視界が開ければ、湘南海岸から富士・箱根・伊豆の山々が見える。他の一体はファイバーグラスでできているそうで、美術館の屋上に屹立して小高い山に向いている。
葉山御用邸から一繋がりの静かな浜辺から見える位置に設置され、雨風に晒され、太陽の位置で見え方も変わる。今回は夕方の陽射しを浴びて、赤く発色しているようだった。自らの気持ちも投影されて、受ける印象はその都度異なりそうだ。
アントニー・ゴームリーを始めて観たのは、2008年、森美術館の「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み」展だった筈だが、記憶から欠落している。何せ、デミアン・ハーストの牛を真っ二つにしてホルマリン漬けにした『母と子、分断されて』が衝撃的だったから。
2009年、越後妻有アート・トリエンナーレにおける『もうひとつの特異点』は、明確な記憶が残る。古い民家の中に、スチール・ロープが縦横斜めに張り巡らされた作品、私は飛び交う銃弾の軌跡と捉え、そこから思いを発展させた。
作品は、美術館を一周する遊歩道の、入口から最も遠い海側に設置されている。右回りでも左回りでも。小さめだけど案内も設置されていた。もし、行ったたことがある方なら、小船をひっくり返したような作品、西雅秋『大地の雌型より』の隣といえば、大体わかるだろう。
来年3月3日までの展示、報道によれば予算不足で購入不可能のためとか。文化施策の貧困かと思ったが、一度観終えたら、購入しないでも良いと思うようになった。それは作品が悪いということではない。展示されているうちに記憶に残しておけば良いことなのだ。
晴れた日の相模湾の夕景は美しいから、レストランでお茶を飲みながら過ごすのも至福の時になるだろう。そこから、屋上の作品は観られる。また出かけよう。
(2012年12月2日記録)
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コメント
美しいですね。
葉山にはしばらく行ってないので、行きたくなりました。
投稿: strauss | 2012年12月 2日 (日) 23時39分
「あかあかと日は難面もあきの風 芭蕉」が思い浮かびました。
投稿: F3 | 2012年12月 3日 (月) 10時07分