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2012年12月12日 (水)

美術:千葉市美術館「須田悦弘展」

  名称   「須田悦弘展」・「須田悦弘による江戸の美展」
  会場   千葉市美術館
  会期   2012年10月30日(火)~12月16日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2012年12月10日(月)

  参考   公式ホームページ

 

 某展示室。壁付き展示ケースに作品が見当たらない。作品リストによれば、数点の作品が展示されている筈。展示ケースに近づくと、監視員さんが「あまり近づかないで」と。おかしなことを言うが、これがヒント。他の作品もさりげなくというより、「見つけてみなさいよ」と言わんばかりの場所に置かれる。探すのも結構楽しい。私と前後した客はほとんど素通りしたが。

 千葉市美術館は興味深い企画展が開催されるので承知していたが、訪れるのは初めて。千葉市中央区役所との複合施設。展示は、8階と施設内に取り込む形の旧川崎銀行千葉支店の建物で「須田悦弘展」、7階で「須田悦弘による江戸の美展」。

 個人展は初めて。第1室、「泰山木」「睡蓮」「芙蓉」「大山蓮華」の大振りな作品の展示、それらは人一人が入れるようなシェルター、かれんな花を守るまさにシェルターの奥に、あるいは床に置かれる。一人づつ順番に鑑賞するが、当日は待たなかった。

 植物が持つ瑞々しさは欠けるが、本物と見間違える作品、主たる素材が木とは思えない。展示の仕方で随分と印象が変わるだろう。周囲から隔絶され、一時に一人だけが作品と対峙する。束の間だが、随分と贅沢な時間。ちょっと待て、この空間・時間も作品だろう。

 「睡蓮」は、二畳ほどの絨毯中央の水面に見立てた黒い光沢の敷物上に展示される。周囲を「」状の壁が囲む。初めてなら、他作品同様に感動するだろうけど、京都・大山崎山荘での印象が強烈過ぎた。すなわち、円形の壁面にモネの「睡蓮」6・7点が展示され、その中央に今回の展示。鑑賞者は、モネと須田が対峙する緊張感の中に身を潜める。対峙相手がいない今回は、何か手持ち無沙汰。

 須田の作品は、主として木を素材にした植物だけれど、それは狭義の作品。狭義の作品がコラボレートする時間・空間、他者作品に思い至ってこそ、広義の作品だろう。第1室はその伏線の気がする。お楽しみは後から。それを明かしては身も蓋もない。残る会期は少ないけど是非、ご自身で確かめて下さい。意に沿わなくとも保証はしませんけど。

 「須田悦弘による江戸の美展」は、館蔵品を須田が選んで展示。私は、鑑賞の流れとして良い思いを持たなかったが、途中からにやりにやり。別の企画展のように装って実は仕掛けあり。芸が細かい。
 展示も北斎あり、横浜美術館開催中の国芳ありで、興味深かったことを申し添える。

   (2012年12月12日記録)

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