音楽:「小林道夫チェンバロ演奏会」
曲目 : J.S.Bach ゴールドベルク変奏曲
J.S.Bach 平均律クラヴィーア曲集・第1巻より
前奏曲・ハ長調(アンコール)
演奏 : 小林道夫
会場 : 東京千駄ヶ谷・津田ホール
公演 : 2012年12月22日
鑑賞 : 2012年12月22日 14時~16時(休憩20分)
「ゴールドベルク変奏曲」と季節の関係は無いでしょう。しかし、40年以上もこの時期にコンサートが開催されていると、むしろ、この時期に「ゴールドベルク変奏曲」が当たり前になります。もはや恒例。
もっとも、私はここ4年連続と、それ以前に数回聴いたことがあるだけですけど。会社勤めだった頃は、この時期に余裕などありませんでした。
今年は、チェンバロの前にサブ・マイクロフォンが2本セットされていたので、録音していたのでしょう。5年ぐらい前にCDが発売されているので、何でまたとは思いました。しかし、1933年生まれの小林は今年が傘寿だから、その記念ということもありえるか、などと想像しました。
テーマは宇宙の彼方から響くように思えます。旋律と、「銀の鈴」とも形容されるチェンバロの音色が、これほどマッチする曲も無いように思います。ゆったりした味わいのある演奏です。
変奏に入って左手の旋律が良く聴こえました。左手が右手より大きい音を出す訳はありませんから、私が意識がそういうところに届くようになったということだと思います。おそらく、録音も含めて私が一番良く聴いている曲ですから。左手の旋律が良く聴こえると、音楽の楽しみも増します。こんなこと書くと、今まで何を聴いてきたのかと言われそうですが。
変奏を終えて再びテーマ、これで一年が閉じるような思いに至ります。暫しの静寂がたまらない。
後半の後半で気になる箇所がありましたけど、定かではありません。ただそういうことは脇において、この時期に小林道夫の「ゴールドベルク変奏曲」が聴けることに意義があるように思います。津田ホールと東京文化会館小ホールが交互に演奏会場となりますが、チェンバロには少し大きすぎる会場、それも仕方ないでしょう。今回も満席でした。
ただ、いつまでも続いて欲しいものです。
アンコールも素敵でした。平均律の生演奏を聴いたことが無いので、機会あれば全曲を聴きたいものです。ピアノも良いけど、やはりチェンバロで。
(2012年12月25日記録)
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