音楽:東京都交響楽団マーラー・ツィクルス第1期 ツィクルス3
指揮 エリアフ・インバル
独唱 池田香織(メゾソプラノ)
女性合唱 二期会合唱団(合唱指揮=長田雅人)
児童合唱 東京少年少女合唱隊(合唱指揮=長谷川久恵)
演奏 東京都交響楽団
曲目 マーラー:交響曲第3番二短調
会場 横浜みなとみらいホール(3階1列18番)
公演 2012年10月27日15:00~16:45(休憩なし)
1ヶ月余の間にインバル・都響のマーラー交響曲第1~3番を聴いた。毎回、本格的なマイク・セッティングがなされているのでCD化されるのだろう。それにしても凄い勢いで進行している。
マーラーの交響曲は長大で、編成も大規模なものが多い。第3番の演奏時間は100分ほど、編成は弦が16・14・12・10・8で、ホルン8、ティンパニー2を含む打楽器が目に付く。独唱・女性合唱・児童合唱も加わるからなかなか大変な曲だと思う。
第1楽章はホルンのユニゾンで始まり、短いトゥッティが絡んで聴き手を一気にマーラーの世界に誘い込む。30数分を要する楽章だから聴き所は多いけれど、管やヴィオリンのソロも強く印象に残った。短い第2楽章が終わると独唱・合唱が入場する。第4楽章で、アルトがニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」からの1節を神秘的に歌ったが、この曲では充分に活躍できる役割が与えられているとは思えない。第5楽章で、明るい調子の合唱・独唱が爽やかだ。歌詞を確認すれば、内容は一概に爽やかとは言えない。切れ目なく続く第6楽章もかなり長く、30分弱を要する。二式のティンパニが印象的だ。
インバル・都響の演奏は良く鳴っているし、爽やかなところは爽やかに、重厚なところは重厚に演奏されていて美しいと思う。音のバランスは録音のようにはいかないところもあるけれど、多少バランスが悪くても生で聴ける喜びは大きい。都響を聴いたのはマーラー・シリーズの3回のみだが、他の曲、他の指揮者で聴きたいと思うようになった。
都響の演奏を聴くきっかけは、神奈川フィル定期会員である私はここ数年、他のオーケストラを聴いたのは数えるほどで、それもまずいかなと思ったことにある。予ねてからインバル・フランクフルト放送響のマーラー全集を聴いていたから、インバル・都響の組合せは絶好のチャンスと思った次第。
第1~3番を聴き終わって、色々な意味で良かったと思っている。音楽界は広いとも。神奈川フィルを縦糸とすれば、他オーケストラは横糸に位置づけよう。幸い横浜公演するオーケストラは多い。恵まれた環境を活用して、いろいろ聴く機会を持ちたい。少なくともインバル・都響の演奏はそう思わせた。
用ありで4番を聴けないのが残念だ。
プログラムに「指揮者のタクトがおりるまで、余韻をお楽しみください。」と注意書きがあった。お互いに心したいものだ。
(2012年11月1日記録)
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