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2012年10月21日 (日)

音楽:韓国音楽「歌い語るソリの世界」

  演奏  チ・ソンジャ(池成子)    (カヤグム・唱)
      チェ・ギョンマン(崔慶萬)  (ピリ) 
      ウォン・ジャンヒョン(元長賢)(テグム)
      チェ・ジョンガン(崔宗官)  (アジェン) 
      キム・キジャ(金貴子)    (カヤグム)
      チャン・チヘ(張智恵)    (僧舞)ほか

  曲目  1. カヤグム合奏
        『成錦鳶(ソングムヨン)カラク カヤグム散調(サンジョ)』
      2. 器楽合奏 『シナウイ』
      3. 『僧舞(スンム)』
         休憩(20分)
      4. 唱劇『沈清歌』より「父娘再会の場面」
      5. カヤグム併唱 丁貞烈制『春香伝歌』より
        「千字(チョンジャ)トウィプリ」
        「ヘソシック(時を尋ねる)」
      6. 唱劇 『水宮歌』より「うさぎを捕らえる場面」
      7. 民謡併唱と器楽合奏(メドレー)
         「梅打令(メファタリョン)」「漢江水打令(ハンガンスタリョン)」
         「太平歌(テピョンガ)」「陽山道(ヤンサンド)」
         「ぺンノレ(舟歌)」ほか

  会場  神奈川県立音楽堂(22列17番)
  公演  2012年10月14日15:00~17:30(休憩20分)

 

 チ・ソンジャの演奏は2回目。最初は2010年利賀フェスティバルに於いて、高田みどり(打楽器(マリンバ))との共演。韓国伝統音楽の形式で聴くのは初めて。

 「韓国全羅北道指定無形文化財第40号伽?琴散調保有者、成錦鳶カラク保存会代表、ソウル大学校国楽科講師」、短い紹介でも判らない言葉が多い。ソリとは音。カヤグム(伽倻琴)は、片側を膝の上に置いて奏する小型の琴。散調は、伽琴等の旋律楽器独奏とチャンゴ(杖鼓)の伴奏による楽曲。

 使用楽器を、()内は私の印象。ブク(太鼓)、ビリ(ひちりき)、テグム(横笛)、アジェン(弓弾き琴)、ヘグム(二胡)、カヤグム、チャンゴ(杖打ち太鼓)、チン(鉦)、ホジョク(胡笛)。他に西洋楽器のフロア・タム。

 

 1.『成錦鳶カラク カヤグム散調』は、カヤグム二丁とブク(太鼓)。チ・ソンジャ演奏。次の音が待たれるほどの遅いテンポから四段階ほどテンポを速めて演奏。背後に八曲一双の屏風、白地に墨蹟あざやかな漢詩(?)。

2.『シナウイ』は、ほとんどの楽器が登場しての演奏。3.『僧舞(スンム)』は、腕の長さも倍もある長い袖を投げ出すような仕草の踊りを伴う。

 4.『沈清歌』、6.『水宮歌』は、物語を器楽合奏つきで複数が歌い演じる音楽劇。中国の京劇風。パンソリは一人の歌い手と太鼓の掛け合いで伝説や説話を語る形式。パンとは広場。
『沈清歌』は、父の目を直すために身を売った娘が末に王妃になり、父の目も治るという話、「父子有親」の徳目を表わす。『水宮歌』は、竜王の病に兎の肝が利くとのこと、命じられたスッポンが兎を騙そうとする話、逃げ延びようとする兎が主役のようでスッポンの忠が主題、「君臣有義」という徳目を表わす。

5.『春香伝歌』よりは、チ・ソンジャがカヤグムを奏しながら唱う。実に声量豊か。百年の契りを結んだ娘が、ゆえ有って別離の憂き目に会うが、苦難の末に結ばれる話。

 7.「民謡併唱と器楽合奏」は、カヤグム合奏が加わり、主にチ・ソンジャが唄う。

 

 韓国語は判らないけれど、唄は訳が投影されて大意は理解した。音楽としてはまだ良く判らないが、高揚する何かを感じた。日本・韓国・中国、東南アジアの漢字圏という括りには、考え方の近いものがあると改めて思った。
 チ・ソンジャの途中の話(韓国語)に会場の半数ぐらいは反応したと感じた。韓国の方も多かったのだろう。「民謡併唱と器楽合奏」の際、会場から合の手が入った。間も好し、声も通り見事、パンソリは生活の中にあるのだろう。自分に判らないから、少数だからと言って絶やすのは文化の損失、国がどこかを問わない。

   (2012年10月20日記録)

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