美術:ブリジストン美術館「ドビュッシー、音楽と美術」展
名称 ブリヂストン美術館開館60周年記念
オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画
「ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」
会場 ブリジストン美術館
会期 2012年7月14日(土)~10月14日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2012年8月16日(木)
参考 公式ホームページ
ドビュッシーには「海」「牧神の午後への前奏曲」「子供の領分」など標題付き楽曲が多くあります。ピアノソナタ第何番等と言われるよりは身近に感じられます。しかし、標題が描写楽曲に繋がるものでしょうか。
「海」は各楽章に、Ⅰ.海の夜明けから真昼まで、Ⅱ.波の戯れ、Ⅲ.風と海との対話、と標題が付いて描写音楽と認識できます。「牧神の午後の前奏曲」は、マラルメ の『牧神の午後』に触発されたそうですから、マラルメを紐解かないと理解は進まないでしょう。「子供の領分」も各楽章に面白い標題がついていますけど、どうなんでしょう。
標題に限りませんし音楽に留まらないのですが、最近、作品の背景やその時代などに興味を抱いています。時間の余裕もできたこともあります。良い機会でもあるので出かけた次第です。
作曲家のアウトプットは楽曲ですが、作曲家を冠にした美術展とは何が展示されるか。自筆楽譜や出版された楽譜などは十分に想像範囲内ですが。
展示は、インプットを明確にすることでドビュッシーの創作活動に迫るものと捉えました。関連する作品を第1~10章に分けた展示は、繰り返しますが多彩・多様です。一回りしただけでなかなか理解できるものではありません。
印象に残ったのはドビュッシーの興味の及ぶ範囲。
美術家では、印象派のモネ・ドガ・ルノワール、象徴派のルドン・ドニ、その後のカディンスキー、作品を愛蔵したクローデル・北斎。詩人・文学者では、マラルメ・ヴェルレーヌ・メーテルリンクなど。作曲家では、フォーレ・サティ・ラヴェル・ストラヴィンスキー。舞台美術家では、ディアギレフ・ニジンスキーなど。
印象に残った作品も何点かありました。
「海」の楽譜の表紙に北斎の版画が使われるなど、ドビュッシーのジャポニスムへの傾倒は承知してましたが、北斎・広重の版画が何点も展示されていました。印象派・象徴派の絵が多数展示されることは当然ですが、ガレのガラス工芸作品も多数展示されていました。ニジンスキーの写真やドビュッシーとストラヴィンスキーが一緒に写った写真にも興味が向きました。
美術好きにも、音楽好きにも楽しめる企画と思います。片方だけ好きなら、この際、両方好きになってしまうのは如何でしょうか。期間に余裕があるので、夏休みの時期が終えたらもう一度出かけようと思います。
(2012年8月19日記録)
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