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2012年7月26日 (木)

音楽:コムラード マンドリンアンサンブル 第40回記念演奏会

  演奏  コムラード マンドリンアンサンブル

  曲目  第1部 指揮・日高哲英
        日高哲英  :「フレア」Flare(世界初演)
        芥川也寸志 :弦楽のための3楽章「トリプティーク」
        鈴木静一  :音楽物語「アリババと40人の盗賊」
      第2部 指揮・飯塚幹夫
        ブラッコ  :マンドリニストの群れ
        マーラー  :交響曲台5番「アダージェット」
        鈴木静一  :交響詩「失われた都」

  会場  紀尾井ホール
  公演  2012年7月22日14:00~16:00

 

 成人した若者が還暦に至る年月、それを思えば、1972年発足のコムラードが第40回記念演奏会を迎えたことは、それだけでまず、賞賛されて良い。アマチュア演奏団体が定期演奏会を励みに、永年に渡り活動を継続することが素晴らしい。縁あって最新5回の演奏会を聴いただけだが、一般論に照らしてそう思う。

 

 「フレア」とは太陽の火炎の意。記念演奏会のために作曲されて世界初演。恐らく5分ほど(時計を持たない)の描写音楽、太陽活動を暗示する緊張感ある旋律で始まったが、全体的には落ち着いた印象を受けた。曲ばかりでなく、マンドリン・アンサンブルの特質かと思う。

 「トリプティーク」、平佐修編曲。原曲は夏祭りの動と静を感じさせて現代曲として親しみやすい。今回の演奏も、力強い演奏で始まり全体的に雰囲気が良く伝わってきた。私が抱くマンドリン演奏とは異なる印象だったが、複雑なリズムの難しい曲が美しく響いた。マンドリン曲を聴く機会は限られるので、ある意味ポピュラーな弦楽合奏などの編曲ものを聴くと、マンドリン演奏の位置づけが可能になると思った。

 「アリババと40人の盗賊」、ナレーション入りの大曲。でも何か上の空で聴いてしまった。私の中では、ナレーション主、演奏従で響いていたからと思う。劇的なナレーションより、あっさりしたナレーションの方が演奏が引き立つように思うのだが、スコアに指示はあるのだろうか。

 「マンドリニストの群れ」、飯塚幹夫編曲。メリハリが利いていて、マンドリンアンサンブルらしい雰囲気が漂う美しい曲・演奏。大曲のなかの小品(少し長いけど)にも強く惹かれるものがある。

 「アダージェット」、飯塚幹夫編曲。持続音の出せないマンドリンはトレモロで持続音を模すわけだが、それが原曲のもやもや感をどのように表現するか、当日最大の興味。素敵な演奏で、美形の少年・タジューの姿が思い浮かんだ。

 「失われた都」、作曲者は太宰府に遊んで曲想を得たそうだ。私も水城から太宰府まで歩き、古に思いを馳せたことがあった。同じ雰囲気に浸って作曲者は一曲をものにする、凡人の及ばざるところ。
 40回記念演奏会の掉尾を飾る大曲、管・パーカッションなど十数名が加わっている。演奏から熱気が感じられた。
 しかし、管がちょっとうしろに引っ込んでいる感じ、マンドリンパートの中音域も、高・低音域に比して多少弱い思いがした。この曲に限らず全体的に感じたことだが。サイドの席に座っていたこともあるし、私の聴力も落ちていることもある。他の人はどう感じられたのだろうか。
 
 
 それにしても、2時間のプログラムを揃えるのにどれだけの時間と努力を費やすのだろうか。立派な演奏を繰り広げたメンバー・関係者に敬意を表します。そして40年の節目を迎えたことに祝意を表します。41年目を踏み出してますますの発展を祈念します。

   (2012年7月25日記録)

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コメント

今年も冷静なご批評ありがとうございます。
毎年、楽しみにしております。
演ずる側では感じられない姿を知ることが出来て
とても参考になり、また励みにもつながっております。
 一年間の活動を通じて楽団の実力を高めると共にメンバーのモチベーションが維持でき、そして最後にはお客様に楽しんでいただける選曲には毎回苦労ております。プロではない素人の集団として、発表会ではなく演奏会を目指したいと考える者と、できる範囲のことをやってお披露目できればいいかな?という者との幅の中で揺れ動く難しさは正直あります。
 今年の選曲の中で、アダージェットは音楽を高めようとする目標感をみんなで共有できるようにとの思いで選び、苦労を重ねましたが次回へつながる成果は出たのではないかと思っております。 失われた都は団員全員の愛して止まない曲として、コムラードとしては譜面以上の熱意はこめられたのでは?と思っております。ご指摘の通り低音系の相対的弱さは否めませんでしたが…
天国の鈴木静一先生に少しは響いたのではと思っております。
  今後とも、ご支援ご鞭撻宜しくお願い致します。
長文、失礼いたしました。

投稿: 小野智明 | 2012年7月26日 (木) 16時58分

 望外のコメントを頂きましてありがとうございます。
 単なる音楽好きの感想をまとめただけで、演奏上の機微に触れる訳でも
ありません。ただ、私のような客も多いと思いますので、そういうレベル
の者が、当日の演奏をどう受け留めたかをまとめておくのも、多少の意味
はあるかと思う次第です。
 多くの方が集まって音楽を奏でるのは素晴らしいことと思いますが、あ
れだけの集団がまとまっていくのも大変なこととも思います。是非、課題
は乗り越えられて、これからも美しい音楽を奏でて下さい。
 ますますご活躍を。お疲れ様でした。

投稿: F3 | 2012年7月27日 (金) 14時08分

今年も遠い所ご来場いただいてありがとうございました。
またいつもの丁寧な感想、重ねて御礼申し上げます。
個人的にはとても楽しんで、コムラードでの演奏の良い思い出となります。
これからどこでどういう形で弾くことを続けられるかわかりませんが、せっかくの楽器を眠らせるのは勿体ないので何とかします。
コメントはコンマス(小野さん)に先を越されてしまいました。(苦笑)
来年の日程もホールも決定しているようなので、もし良かったら続けて御聞き下さい。

月末繁忙期のピークを終え、気持ちは越後妻有へ。
もしかしてご一緒できることになれば嬉しいです。
ついでに吟行!(うそです)

投稿: strauss | 2012年7月27日 (金) 19時10分

 山道は間違えないのに、街中の道は良く間違えます。今回も例に洩れず
大汗をかいてたどり着きました。どうも東京は複雑です。
 演奏会、お疲れ様でした。今年で最後ですか。それで皆さんが集まって
おられたのでしょうか。ご挨拶させていただきましたけど。頂いたチラシ
でマンドリン・アンサンブルの多いのに驚いています。きっと、どこにい
っても同好の仲間は見つかるのではないでしょうか。
 私は、今から楽器をものにするのも無理な話なので、それなら良い鑑賞
者(音楽に限りませんが)を目指そうと思い、少し勉強を始めました。移
動可能な範囲なら聴きに出かけますし、コムラードも。いずれ様子も判る
と思いますので教えて下さい。
 ここ5日間ばかり私も忙しく、それが過ぎたら8月の予定を決めようか
と思います。一人旅ならどうにでもなりますので。

投稿: F3 | 2012年7月27日 (金) 20時59分

実は私も迷ったのです……。
とにかく人に訊く、を実践してるのですが、人はあてにならないですね。(なあんて自分の方向音痴を棚に上げ)
本当にありがとうございました~

池袋のマンドリン専門店のサイトに演奏会のスケジュールページがあります。
近いうちに(忘れないうちに)メールでお知らせします。横浜でもコムラードのメンバーが弾いている団体がありますし。
こっそりお薦めをお知らせしますね。

一人旅、ご一考を!

投稿: strauss | 2012年7月27日 (金) 22時07分

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