« 美術:東京芸大美術館「高橋由一展」 | トップページ | 美術:神奈川県立近代美術館葉山館「松本竣介展」 (やや長文) »

2012年6月28日 (木)

演劇:「音と言葉と身体の景色 Vol.7」

  テキスト  :「エレクトラ」他
  構成/演出 :身体の景色
  ドラマターグ:田中圭介

  出演    :久保庭尚子、境宏子(リュカ.)、西田夏奈子、
         中島美紀(ポかリン記憶舎)、福寿奈央(青☆組)、
         小川恵子、村島智之、三島景太(SPAC)、岡野暢

  会場    :d-倉庫(東京・日暮里)
  公演    :2012年6月22日(S)、23日(M,S)、24日(M,S)
  鑑賞    :2012年6月23日(M)

  参考    :公式ホームページ

 

 会場は元倉庫だろう。長方形で天井が高く、長手方向に百数十人程の階段状客席と舞台に二分されている。内部は黒色の仕上げ。小劇場にしてはなかなか良い環境だ。ただ音響が少しライブ、私的問題だが聴力劣化が台詞の聞取りに影響する。

 初めて観る集団で事前知識なし。構成/演出:身体の景色とは岡野暢のことらしいが、あるいは集団創作の意味があるかも知れない。出演者は混成と判るが、シリーズに繰り返し出演する役者はいるようだ。

 

 舞台中央、椅子に座って原稿(?)を読む男が一人、スタンバイ。JAZZのスタンダードが流れる。やがて開演。

 内容は、導入・展開・結尾の三部構成で、展開部のエレクトラが主たる部分。導入部はよく把握できなかったが、作家(?)と男が議論(ここがつかめなかった)するうちに、やがてエレクトラの世界に没入していった。結尾部は、エレクトラの結末を迎え、原稿用紙が宙に舞って現実に戻るということだろう。一度で把握できないのはなんとも情けないが。

 エレクトラをシリアスに上演するのは、この劇団の目指すところではないようだ。まずは男達の妄想の中に展開するという伏線がある。そして、エレクトラの中に歌あり、踊りあり。

 何かどたばたの印象を与えてしまいそうだが、決してそのようなことはなく、俳優は皆達者でよくまとまっている。逆にまとまりすぎているようにも思えたし、既視感も感じた。

 一つは、エレクトラという古典が持つ強烈な主張から、演ずる方も観る方も逃げようのないこと。一つは、衣装にしろ舞台後方からの登場の仕方(構造上の制約もありそう)にしろ、鈴木忠志の面影が付きまとっていることによるものだろう。岡野暢が演劇を目指したきっかけもその辺りにあるようだし、何人かの俳優もその世界にいたから、むしろ当然かもしれないが。

 言語表現と身体表現と論理表現(?)が自立して飛翔することを目指しているようだが、分離の度合いが弱いように思えた。もちろん、西田夏奈子(?)のフルコーラスの歌唱などそれはそれで見応え(聴き応え)はある。しかし、全体的にもっと意外性があっても良さそう。昔、歌い終わって「ああ、くたびれた」と言って爆笑を誘った場面をちょっと思い出した。

 最近はたいていの事を横浜で済ませ、東京は久しぶりで少々疲れた。でも、表現能力の高い集団で、しばらく追っかけも面白そう。たまには東京へも出ないと。

   (2012年6月26日記録)

|

« 美術:東京芸大美術館「高橋由一展」 | トップページ | 美術:神奈川県立近代美術館葉山館「松本竣介展」 (やや長文) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180824/55069652

この記事へのトラックバック一覧です: 演劇:「音と言葉と身体の景色 Vol.7」:

« 美術:東京芸大美術館「高橋由一展」 | トップページ | 美術:神奈川県立近代美術館葉山館「松本竣介展」 (やや長文) »