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2012年5月26日 (土)

音楽:神奈川フィル第281回定期演奏会

  指揮     現田茂夫

  独奏     後藤正孝(Pf)

  演奏     神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目     リスト  :交響詩「前奏曲」
         リスト  :ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
         ワーグナー:楽劇「ニーベルンゲンの指環」管弦楽曲抜粋

  会場     横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演     2012年5月25日14:00~16:00(休憩15分)

 

 私にとっては疎遠な曲が並んだ。さすがに、「ピアノ協奏曲第1番」は聴いたことがあるし、「ワルキューレの騎行」も聴いたことがあるけど。でも、ある意味の新鮮さが胸の中にあったことも事実だ。

 ワグナーは6曲の抜粋、「“ラインの黄金”より“ヴァルハラ城への神々の入場”」「“ワルキューレ”より“ワルキューレの騎行”」「“ワルキューレ”より“魔の炎の音楽”」「“ジークフリート”より“森のささやき”」「“神々の黄昏”より“ジークフリートの葬送行進曲”」「“神々の黄昏”より“ブリュンヒルデの自己犠牲”」。

 神フィルの今までの印象は、繊細とかクリアの思いに至る。しかし、今宵は重厚、曲にも関係するとは思うが、それでも音として表現できるか否かはオーケストラの実力次第だろう。指揮者がそれを引き出すとも言えるのだが。

 管、特にトランペットなどは突き抜けるような明るさで演奏される印象がある。今宵は、ちょっとくすんだ音色、くすんだは決してネガティブな表現ではない。日頃見慣れないワグナーチューバも魅力的だ。それが絃と相俟って重厚さに結びつくのだろう。縁の下の力持ち、コントラバスの響きも魅力的だ。ヴァイオリンやビオラのソロも含めて、繊細さが失せたわけでもない。

 楽劇「ニーベルンゲンの指環」を知らないわけではない。ただ、全曲を聴くには膨大な時間がかかるので敬遠していただけだ。6曲の抜粋を聴いて、やはり全曲を聴きたくなった。若い時はワグナーを仰々しく思っていたけど、何時の頃からか抵抗が無くなった。今では元気を分けてもらえるように感じている。年を重ねるのも悪くないと、今宵、改めて思った。

 

 前後する。交響詩「前奏曲」で重厚さの片鱗を感じた。一夜のプログラムには一貫した思いがあるのだろう。

 ピアノ協奏曲、聴いたことがあると言ってもそれほど馴染みのある曲でもない。それでも引き込まれる演奏だった。ピアノの後藤正孝は力強く、ピアノフォルテでなく、フォルテフォルテと思えるよう。技巧的な曲を鮮やかに、堂々と演奏した。まだ20代後半でしょう。リスト以外の演奏はどうなのかと興味を抱いた。
 後半、私服に着替えて、私の隣(空席)の隣の席で演奏を聴いていた。多分、間違いないと思う。前回に引き続き隣の2席が空席、昨年度までは年行ったご夫婦?の指定席だったが、どうなさったのでしょうか。見ず知らずの方たちですけど気になります。

   (2012年5月26日記録)

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