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2012年3月31日 (土)

随想:大飯原発安全性の疑義

 報道は、原子力安全・保安院審議官が『滋賀・京都知事に耐性評価を説明 大飯原発 立地県以外は初(2012年3月30日東京新聞朝刊2面)』と伝える。両府県知事は、現状での再稼動に反対の意向を示したそうだが、当然だろう。

 2日前の報道は『福島2号機 格納容器内7万2900ミリシーベルト 6分で人死ぬ量 ・・・ 通常、原子炉が停止した状態では、格納容器内の線量は0.1ミリシーベルト程度で、いかに異常な状態かが分かる(2012年3月28日東京新聞朝刊1面)』と伝える。単位が不正確だけど。

 福島第一原発の事故原因は解明されず、訳の判らない“冷温停止状態”は宣言されたものの廃炉工程だって明確にできない今、なぜ再稼動か。

 より所は、原子力安全・保安院が、指示した関西電力大飯3・4号機のストレステストの簡易一次評価を妥当としたことだろう。ただ、妥当とは実施プロセスの妥当を意味して、安全とは意味合いが異なる筈だ。報道も恣意的に意味を摩り替えていると思うが。

 原子力安全・保安院のホームページを探ると『東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた大飯発電所3号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告)』なる資料に到る。ここから『1.はじめに』を引用すれば次のとうり。

 『平成23年7月22日、原子力安全・保安院から当社に対し、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設の発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価の実施について(指示)」(平成23年7月22日付け平成23・07・20 原院第1 号)(以下、指示文書という。)が発出され、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的に評価を行うよう要請された。
 本報告書は、指示文書に基づき、当社原子力発電所の安全性に関する総合評価の内、一次評価について、その結果を取りまとめたものである』。

 

 読み進まなくとも、この報告は“設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関する総合的評価”であり、“安全性に関する総合評価の内”なるものに言及したと判る。大飯3号機、まして大飯原発の安全性を保証するものでない。

 私は分厚い報告書を理解できるとは思わないが、少なくとも簡易一次評価のストレステストが、原発の安全性を保証するものでないと理解する。いかがだろうか。

   (2012年3月31日記録)

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