路上観察:旧東海道・宇津ノ谷峠とさった峠(2012年3月18・19日)
旧東海道徒歩の旅は大井川手前で休止中。今までの道筋で印象に残る所は、箱根峠・さった峠・宇津ノ谷峠。今回は箱根西坂に向かう予定でしたが空模様が怪しく、宇津ノ谷峠とさった峠に目的地変更。移動は自動車。
宇津ノ谷峠の静岡側と藤枝側に「道の駅」があり、自動車は静岡側に停めました。藤枝市側でも同じとだ思います。
宇津ノ谷峠は古来より交通の要衝、伊勢物語・第九段の「駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人にもあはぬなりけり」の歌で辺鄙な所と知れます。今は国道一号線が山腹を貫き、他に昭和第一トンネル、明治トンネル、旧東海道、蔦の細道のルートがあります。
今回は旧東海道を往き、明治トンネルで戻りました。歩き始めてすぐに間宿・宇津ノ谷、昔の面影を残しているように思えます。家並みを抜けると山道、峠は容易に越えられますが、それはここだけ歩くから。昔の旅人は、日に30~40Kmを歩く途中の峠です。
一端下ってから明治トンネルへの道へ。トンネルは全長は200mほど、煉瓦積みで技術の高さを感じました。往時は人と人力車が主に通ったようです。
久能山東照宮経由で宿泊地の三保に移動。翌朝、天気はまずまずだけど、視界はうっすら富士山が見える程度。羽衣の松は二代目に引き継がれていました。「能・羽衣」のシテ(天女)の言葉「いや疑は人間にあり、天に偽なきものを」が身に沁みます。
さった峠への起点はJR新蒲原駅。自動車は海側のイオンタウン・ショッピングモール駐車場へ。
JR東海道線で興津へ移動、そこからさった峠経由でJR新蒲原駅まで歩きました。距離は14Kmほど。旧東海道を味わうためですが、興味なければJR由比駅から電車利用も良いでしょう。
さった峠も交通の要衝。東名高速は由比辺りで海上を通過しますが、本当に海から崖が立ち上がるような地形。古道は海岸線を進む下道、途中から山道に入る中道、興津川沿いに少し遡ってから山道に入る上道があります。さらに内陸を通る通称地蔵道もあるようです。いずれも興津側のこと、由比側は一本道です。今回は上道を歩きました。
今の時期、みかんの生る山道から見る駿河湾が美しく、崖下のJR東海道本線、東海道、東名高速道路を、電車や自動車が気忙しく行き交う様子が見られます。でも富士山見えてこそのさった峠とは少し言い過ぎでしょうか。今回は少しも見えず、残念でした。
(2012年3月22日記録)
| 固定リンク | 0
コメント