美術:原美術館「マイウェイ」展
名称 ジャン=ミシェル・オトニエル「マイウェイ」展
会場 原美術館
会期 2012年1月7日(土)~3月11日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2012年2月18日(土)
参考 公式ホームページ
会場は賑わっていて、特に女性あるいはカップルの客が多いように感じました。ムラーノガラスを主な素材にして制作された作品は、見ているだけで充分に美しい。現代アートなどと肩肘はる必要もない。多くの人を惹き付けることが納得できます。そこから先は、各々が思いを巡らせば良いことでしょう。
なお、写真撮影が許されていました(一部不可)ので、撮影したものを文書中に挿入します。
玄関を入ったところに展覧会タイトルでもあります「マイウェイ」の展示があります。ボール状のムラーノガラスを、文字の形に並べて壁面に留めてあります。色やガラスの質感は、現物で確かめて頂きたいものです。
「私のベッド」は、アルミニウムのフレームの要所にムラーノガラスを嵌め込んだ作品、ベッドに横たわった時に目に入る天井部は見事です。一番大掛かりな作品と言って良いでしょう。
ちょっと見に美しい作品ですが、良く見ればガラスにしてもアルミにしても寒色系のイメージの素材、どのような夢が見られるのでしょか。囲まれる構造も周囲と切り離されるようで、孤独を感じない訳にいきません。ゆりかごから墓場まで、その間の少なくとも1/3はベッドにて過ごします。プライベートな時間が凝縮される空間、そんなことを感じました。
「涙」は、水を満たしたガラス器の内部に、恐らく色のついたガラスを満たした作品、器には人形を思わせる形と円筒の形があります。
ガラスの透明感と満たされた色付きガラスの様々な形状が、ガラスの本質をとても良く表現していると感じました。無機質な素材なのに、恐らく胎内環境のような温かみも感じました。
他に「ラカンの結び目」「ハピネスダイアリー」など、エスキースを含む60点程の作品が、屋内外に展示されています。会期は残り少なくなりましたが、ご都合のつく方は是非お出かけ下さい。
多少蛇足。今回、写真撮影を許可して頂いたことをありがたく思い、自戒の念を込めて触れます。天井から大人の顔の位置ほどに吊るされた作品にぶつかって音をたてている場面がありました。後ろ向きに下がって当たったようです。それと、作品に近づきすぎる場面も多く見かけました。写真を撮る場合は特に注意して、お互いに作品保護に配慮しましょう。これからも可能な限り写真撮影を許可して頂くためにも。
(2012年2月26日記録)
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