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2011年12月20日 (火)

美術:「ベン・シャーン展」と「島田章三展」

  名称   ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト
  会場   神奈川県立美術館葉山館
  会期   2011年12月 3日(土)~2012年 1月29日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2011年12月18日(日)
  参考   展覧会詳細

 ジャーナリスティックなテーマの作品が多いのは、20世紀を代表するアメリカの画家ではあるが、リトアニア生まれのユダヤ系リトアニア人という出自が底流にあると感じた。また、クロスメディア・アーティストと謳われる理由は、絵画ばかりでなく壁画、ポスター、写真、挿絵やレコードジャケット・デザインなどの多様な分野で作品制作していることから納得させられた。

 同じテーマの絵画と写真が展示されているが、写真をベースにして制作されたものだろう。市井の人々の生活の一場面が切り取られているが、表現に平板な印象がある。詳しく説明しろと言われれば口ごもってしまうが、良くも悪くもアメリカ的な表現のように感じた。

 私が興味を抱いたのはテーマの鮮明な作品、ポスター、レコードジャケット、版画集『一行の詩のためには・・リルケ「マルテの手記より」(リトグラフ)』。ポスターはともかく、他はアメリカ的なものが稀薄で魅力的だ。作品数が多いので丁寧に見るのに根気が必要と思うが、私は緩急をつけて鑑賞した。

 葉山館の裏手は葉山御用邸に続く海岸線、天気の良い日は相模湾越しに富士山から箱根・伊豆方面へ視界が開け、海上には伊豆大島も見えた。天気の良い日ならば景色も併せて楽しめる。(写真は、正面、敷地内からの景色)
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  名称   島田章三展
  会場   横須賀美術館
  会期   2011年11月19日(土)~12月25日(日) 、詳細は要確認
  鑑賞日  2011年12月18日(日)
  参考   島田章三展

 私の場合、神奈川県立美術館葉山館と横須賀美術館はペアーになっていて、どちらかに出かければ他にも原則立ち寄る。言い方は悪いが、今回はベンシャーンに惹かれて出かけ、その足で島田章三展に寄った。電車の吊り広告で認識していたが、それ以上に島田章三を知らなかった。1933年生まれ、青年期までを横須賀で過ごす。先頃まで初代横須賀美術館館長を務め、横須賀にゆかりのある画家。

 多くの作品が「かたちびと」というキーコンセプトに沿って描かれている。自ら設定した課題「キュビスムを日本人の言葉(造形)で翻訳」に対する回答とのこと。幾何学的に描かれた大半は正面を見据えた人物が組み込まれた具象絵画と言って良いのだろうか、キュビスムと言うほど多面的な視点はない。色調は暗め、印象的ではあるが私はあまり惹き付けられなかった。

 入場して直ぐに既視感のある風景画、タイトルを見れば『横浜落日』。運河沿いの倉庫や円筒形ガスタンクが夕焼けに染まっている。横浜駅西口から西に向いて描いた風景。時間的にずれはあるが、古い横浜の風景で私の記憶にかすかに残っている。

 世に認められた最初の作品だと思うが『ノイローゼ』も印象的、屹立した女性が顔を空に向けている。少し後の作品『母と子のスペース』も惹かれる。パレットナイフで絵の具を薄く延ばして描かれた母子像で、色調は明るい。その他、若い頃の作品に興味を覚えた。

 横須賀美術館の正面に東京湾が広がり、船が頻繁に行き交っている。鑑賞の後に景色を楽しむのも良い。裏手の山は古い軍事施設なども残り、散策すれば歴史も感じられる。(写真は、薄暮の外観、エントランスから外を見る)
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   (2011年12月19日記録)

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