美術:ブリジストン美術館 野見山暁冶展
名称 特別展「野見山暁冶展」
会場 ブリジストン美術館
会期 2011年10月28日(金)~12月25日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2011年12月01日(木)
参考 公式ホームページ
野見山の作品をどこかの常設展で見たことはあったかも知れないが、まとめて見た記憶がない。それなのになぜ出かけたかと言えば、多分、「洲之内徹・人魚を見た人」の中の「ゆめまぼろしのごとくなり」で野見山の名前を記憶したからだ。と思ったが、読み返しても野見山を強くどころか、記憶に残すような文章にはなっていない。印象的な文書を書く須之内にしては冴えないと言って良いだろう。さてどこでスタンピングされたのか。
今年になって制作された作品を含む約110点が、年代順に区切られた次の4章に分けて展示されている。
第1章 不安から覚醒へ-戦前から戦後へかけて
第2章 形をつかむ-渡欧時代
第3章 自然の本質を突きつめる-90年代まで
第4章 響きあう色彩-新作をめぐって
野見山暁冶は1920年生まれだから、90才を越えてなお旺盛な制作の日々を過ごしていることが伝わってくる。
そのような全体感は抱いたとして、多くを語れるほどの感想は形成できなかった。後半になると、具象画でもないし、さりとて抽象画とも言えないだろう作品群。色の塊がどんと置かれていても、何かの形状を留めていない。タイトルはいくつかを確認もしたが、例えば「いつかは会える」「遠い日のこと」「かけがえのない空」、心象としか考えられない。標題音楽のタイトルのようでもある。
その中で私の記憶に残った一枚は「ぼくの生まれた川オンガ」、1992年の油彩・カンヴァスの作品、他の作品が大きいから小振りに見える。遠くから見て何か伝わるものがあった。山に挟まれた川筋らしきものがおぼろげに確認できる寂しげな作品。生まれは筑豊である。若い頃の作品に炭鉱・廃鉱などをテーマにした作品がある。野見山の原風景が留められているように感じた。どこかに図版がないかと探してみたが、残念ながらない。
作品に向き合うだけでは、私の理解はこれ以上進まないと思う。ベースがないから仕方ないけど。幸いにして著作があるようだ。近いうちに読んでみよう。
ブリジストン美術館に足を運ぶことは多くないが、いつでもしっかりした作品リストが用意されていて大変ありがたく思っている。そのうえでの要望だが、作品サイズを追加していただけるとなおありがたい。
(2011年12月6日記録)
| 固定リンク | 0
コメント