« 随想:抜粋要約「近世大名と菓子」 | トップページ | 美術:「ベン・シャーン展」と「島田章三展」 »

2011年12月19日 (月)

演劇:チェルフィッチュ「三月の5日間」

  作・演出 岡田利規

  出演   山縣太一、松村翔子、武田力 、青柳いづみ、
       渕野修平、鷲尾英彰、大田信吾

  会場   神奈川芸術劇場・中スタジオ
  公演   2011年12月16日(金)~23日(金・祝)、詳細要確認
  鑑賞   2011年12月16日(金) 19:30~21:15(休憩15分)
  参考   神奈川芸術劇場公演情報

 

 私のチェルフィッチュ歴は鑑賞順に「フリータイム」「わたしたちは無傷な別人であるのか?」「ゾウガメのソニックライフ」、そして今回の「三月の5日間」。途中で飛び出そうと思った「フリータイム」、まとまった感想を形成できなかった「無傷」「ゾウガメ」。

 4作の中では「三月」が最も古い2004年の初演。今回のツアー中、熊本にて100公演を達成。公演歴には多くの海外公演を含んで見事な足跡。今回の演出が初演時と変わっているかは不明だが、他の3作に比べて身体表現は抑制されているのか、驚くほどのことはない。そう思うのは馴れたのか馴らされたのか。そうではなく良く練れた作品だからだと思う。

 

 ミノベとユッキーは共にフリーターター、六本木のライブ会場で知り合い、そのまま渋谷のラブホテルに4泊5日間籠もる。避妊せずことに及ぶが突然気付いて、何か定かでないが心配して避妊具3ダース買いに出かけたり、食事には出かける。見知った筈の渋谷に旅先のような新鮮さを感じたりもする。「後3日ここに居たら戦争が終わってるかも」。5日目に二人は連絡先など交換せずに、掛かった費用の精算をして渋谷駅で別れる。余韻を引きずっていたユッキーは、ある光景に遭遇して一気に日常に戻される。
 それは2003年3月21日、すなわちアメリカ軍がイラク空爆を開始した日を間に挟む5日間の出来事である。

 

 若者と戦争の距離感が描かれ、距離感を短縮する方法のないことも描かれ、同時に若者が置かれる社会的な位置も描かれる。決して若者にのみのしかかる問題ではないことも。

 差し迫る問題にリアリティを与えるのが現代若者言葉、そして他人に語らせれたり、出来事をタイムスライスして入れ替えたり重複させたりする方法。それを超現代口語演劇と言ったり、Cubisticと言ったりするのだろう。そして、戦争と若者風俗というかなり距離の隔たった二物衝撃の組合せが、他の3作品よりは受け留めやすかった理由だと思う。まあ比較の問題で難解であることに変わりないが。

 中スタジオは満員、定員は300程と思うが、前一列のマット席は当日券入場者だろう。これだけ観客動員できることは大したものだ。若い人が多いけど、マニアックな感じの方が多いように思えたのは見立て違いか。
 私のような年配者は極めて少ないけど、もっと多くの元若者にも見られて良いと思う。

   (2011年12月19日記録)

|

« 随想:抜粋要約「近世大名と菓子」 | トップページ | 美術:「ベン・シャーン展」と「島田章三展」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180824/53517511

この記事へのトラックバック一覧です: 演劇:チェルフィッチュ「三月の5日間」:

« 随想:抜粋要約「近世大名と菓子」 | トップページ | 美術:「ベン・シャーン展」と「島田章三展」 »