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2011年7月 5日 (火)

読書:最近の読書から(2011年6月30日)

1.『原発大崩壊!』 武田邦彦著、ベスト新書

2.『原発震災の真実』 広瀬隆著、朝日新書

3.『原発のウソ』 小出裕章著、扶桑者社新書

 

 東電福島事故を契機にして脱原発を鮮明にしたとしても悪いことない。安全神話が、バベルの塔のようにガラガラと崩れ去ったのだから。もっと早くに気付くべきであったと言われればそれまでだが、もっと早く真実が語られていたらとも思う。私の観点は『安産第一』。遅れ馳せながら知識の探求を始めよう、まずは入門。

 

1.『原発大崩壊!』

 著者は原発推進を主張していると認識する。

 最後の章「原子力エネルギー政策はどこへ向かうのか」で次のように述べる。

   (1) 良質の石油や石炭はおよそ1000年分はある
   (2) 太陽光・風力・水力などの「自然エネルギー」は自然を崩壊する
   (3) 日本の原発はすべて危険だが、日本には「安全な原発」をつくる技術はある

 (1)は、表現の差はあっても反原発の主張も言及されることがある。(2)は、その主張が直ちに納得できるものでもなく、多くの資料を探る必要がありそうだ。

 問題は(3)で、著者は内閣府原子力安全委員会委員等の役職についているのに、この主張は論理矛盾と思える。ただ、長い時間をかけて積み重ねられたものだから、個人を突いても何も出ないだろう。「安全な原発をつくる技術はある」とは何を意味するか。技術はあるが阻害要因があるということ。そうだとすれば、それを解消する力はどこから出てくるのかが知りたい。少なくとも、原発が安全でないことが実証されてしまったのだから。

 

2.『原発震災の真実』

 著者は反原発を主張する。

 第一部の「福島第一原発事故の真相」、マスコミや特にインターネットの報道に接していると納得できる。
 第二部の「原発震災、ここで阻止せよ」、プレートテクトニクスから巨大地震の激動期に入った日本を説明する。常識の範囲で理解できるし、阪神淡路大震災、中越沖地震、東日本大震災と続けば実感として理解できる。北から南に至る主な原発の周辺の活断層の説明は、次の巨大地震がきたら何が起きるかと背筋が寒くなる。原発建設後に既知となった場所も少なくないし、判っていながら矮小化した場所もあるそうだ。

 終章の「完全崩壊した日本の原子力」、原発は温暖化対策の切り札と成り得なず、温排水が大陸棚の生態系を破壊する。原発がなくても停電はしない、と主張する。

 東電原発事故は大きな社会混乱をもたらしているのだから、疑わしきは罰して良いだろう。反証は、政府・原発企業が率先して行うべき状況にあると思う。

 

3.『原発のウソ』

 著者は反原発を主張する。

 前半は、福島第一原発事故、放射能の特質、放射能汚染から防護までを概説する。事故の後で規制値が引き上げられたのは、現実の汚染に合わせただけとの主張は、科学的背景無しでも肯定できる。どんなに少ない被爆量であっても、それに比例した影響が出る。安全な被爆は存在しないという、アメリカ科学アカデミーの中の委員会の報告を引用するが、これもその通りだと思う。

 後半は、原発のおかれている状況とこれからどうすべきかを概観する。
 原発は電気を作るけれども同時に死の灰も作る。東京電力は管内に火力発電所を建てても原発は建てない。これらは事実だろう。

 事故の補償をするのは国民自身。電力会社が責任を取らないシステム。原発を造れば造るほど儲かる電力会社。大量の二酸化炭素を出す原子力産業。地球を暖め続ける原発。資源枯渇の恐怖が原発を推進してきた。核燃料サイクル計画は破綻している。これらは、理解をさらに含めて今後の判断の基盤を形成しておく必要があると思った。

   (2011年7月4日記録)

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