音楽:勝間田裕子 個展+3
指揮 佐藤紀雄
独奏 平松英子(S)
演奏 アンサンブル・ノマド
曲目 1.松平頼暁 :閃光(1997年)
2.湯浅譲二 :蕪村五句(2007年)
(休憩)
3.近藤譲 :杣道(2008年)日本初演
4.三宅榛名 :風は庭をめぐり(2011年)
勝間田裕子委嘱作品・初演
5.勝間田裕子:雷鳴(2010年)初演
会場 東京オペラシティリサイタルホール
公演 2011年6月9日 19:00~20:40(休憩15分)
1.松平頼暁 :閃光
後方席から見た範囲で楽器編成を順不同で記述しておきます。多分あっていると思うが。ピアノ、ヴァイオリン、ビオラ、フルート・ピッコロ、パーカッション、おもちゃのピアノ、おもちゃの笛、声。
標題からある程度イメージできる音の断片。ピアノの側面を叩いたり、絃の強いピチカートが特殊奏法。途中、おもちゃのピアノがバッハ・ハ長調のプレリュード(多分、気付いた時は終わっていた)を弾いたが、かえってバッハを強く感じてしまった。
2.湯浅譲二 :蕪村五句
ハープ、フルート、クラリネット、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、鉄琴・木琴、声。
蕪村の春夏秋冬+辞世の五句の俳味を音楽で表そうと試みた作品。例えば春は「菜の花や月は東に日は西に」が選ばれている。音楽のまとまった印象が残っていないが、取り立てて好き嫌いの思いはなかった。鉄琴を弓で擦る奏法あり。
3.近藤譲 :杣道
ピアノ、フルート、オーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、パーカッション。
ゆったりした曲、作曲技法などが判るわけもないので印象を表現し難い。六甲山系の杣谷峠を思い出していたが、また歩きたい。
4.三宅榛名 :風は庭をめぐり
ピアノ、ギター。
楽器の組合せからして音のバランスが悪く、一番印象が薄い。ギターはひょっとしてアンプを通していたのだろうか。
5.勝間田裕子:雷鳴
ギター、ヴァイオリン×2、ビオラ、チェロ、コントラバス、オーボエ、フルート、クラリネット、トロンボーン、チューバ、ティンパニー。
ピチカート主体で演奏される絃の循環する音形の上に、管、ティンパニーが雷鳴を描写。循環する音形が、気持ちを次第に高揚させた。本日演奏された五曲のうちで一番好き。
久しぶりに現代曲のコンサートに出かけた。楽器編成がユニークかも知れないが、特殊な奏法が頻繁にあるわけでもなく、おとなしいコンサートだった。五曲がすべて標題付きというのも特徴だろうか、ある意味テーマが無いと作曲できないとも言えそうだが、たまたまだろう。演奏の後に作曲者が紹介されたが、皆さんが健在であるのも現代音楽の特徴か(そんなことはないけど)。
シリーズの現代曲のコンサートがあれば、定期的に出かけたい思いもある。判る判らないは脇において、コンテンポラリーな音楽に接するのも大事なことのように思う。
(2011年6月14日記録)
P.S.暫らく掲載が滞っていましたが再開します。横浜トリエンナーレのサポータ作業にのめり込んでいました。
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