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2011年6月26日 (日)

音楽:神奈川フィル第273回定期演奏会

  指揮     現田茂夫

  独奏     外山啓介(pf)

  演奏     神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目     團伊玖磨    :交響曲第1番イ調
         ラフマニノフ  :パガニーニの主題による狂詩曲
           (休憩)
         チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調

  会場     横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演     2011年6月24日19:00~21:10(休憩15分)

 

 團伊玖磨は、現代曲の雰囲気が稀薄な感じがした。どこがと言われても定かでないが。良い音が響いているのだが、なぜか心が動かない。私だけなのか。皆さんはどのように感じているのでしょうか。

 ラフマニノフは、主題や有名な18変奏に興味は向かうのだが、音が固まりになってピアノの細かいところが不鮮明。なぜなのか、他の曲を聴いてみたい。

 

 という訳で、前半は気持ちの高揚が中途半端なままに終えた。後半のチャイコフスキー第5番は好き、暗い感じで重厚に始まり、明るく圧倒的な盛り上がりで終わる。繰り返し奏される「運命のモティーフ」にも惹き付けられる。

 第1楽章、低声部の絃の上にクラリネットが暗い感じの「運命のモティーフ」を奏でる。やがて、クラリネットとファゴットの第一主題。リズム感に富んだ、反復の多い旋律に気持ちがのめりこむ。管も絃も何時にも増してドライブされている印象。

 第2楽章、弦楽器の短い導入の後のホルン独奏、重要な部分、そして見事な演奏だ。演奏終了後に最初に指揮者の賞賛を受けていた。絃がたゆたうような旋律を繰り返すすが、各パートが鮮明に響く。絃もまた良し。

 第3楽章、絃・管が繋いで優雅で明るい感じのワルツを奏でるが、小刻みに奏される絃が不安を醸し出しているようだ。最後の力強い総奏でそれを払拭して4楽章へ。

 第4楽章、弦楽合奏による「運命のモティーフ」が実に堂々として素晴らしい。管・絃が入り混じってクライマックスに向かう。途中、全休止で演奏終了と勘違いさせる。チャイコフスキーも人が悪い。再びクライマックスに向かって疾走する。

 前半の何かもやもやした感じが、チャイコフスキーの演奏で吹き飛んだ。神奈川フィルの素晴らしさ、各パートの実力と総合力、が大いに引き出されたチャイコフスキーであったと感じた。

   (2011年6月25日記録)

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