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2011年6月 1日 (水)

音楽:神奈川フィル第272回定期演奏会

  指揮     金聖響

  演奏     神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目     マーラー:交響曲第9番ニ長調

  会場     横浜みなとみらいホール(1階13列22番)
  公演     2011年5月28日14:00~15:40(休憩なし)

 3月12日、金聖響の「我々ができることのは音楽しかない。精一杯演奏する」との挨拶の後に演奏された「6番・悲劇的」。4月23日、金聖響の挨拶、バッハ・G線上のアリアの後に演奏された「7番・夜の歌」。

 そして「9番」。死を予感させるこの曲に、大震災で亡くなれた方々への哀悼の思いを沿わせる。三ヶ月近い時が過ぎてなお先の見えない被災者救済に、この国の基本的人権はどうなっているのだとの思いを増幅させる。何も出来ない自らの不甲斐なさを感じたりしながら。

 

 天井からメインマイク、要所にサブマイクがセットされていて、レコーディングされることが一目瞭然。譜面台にはライトがセットされていて、オペラでもないのに不思議に思う。

 第4楽章の半ばにゆっくりと照明がフェード、予期せぬ出来事に目の異常かとも思ったが、それが譜面台にライトのセットされていた理由。消え入りそうな弦楽演奏が余計に心に沁みる。

 指揮者は動きを止めて微動だにしない。30秒なのか、1分なのか、会場を静寂が支配する。息苦しさを覚えるほど。観客も指揮者も演奏家も、深い鎮魂の思いを抱いているに違いない。やがてフェードイン、会場は熱気に変わる。

 ホルンパートが、珍しいビオラソロも美しかった。元気な管、繊細な弦もいつもの通り。演出効果も加わって良い演奏会になった。いつになく感動した。

 

 2011年度冒頭3回の定期公演プログラムは、偶然であったとしても大震災と共に忘れることはないであろう。記憶に残るいくつかの演奏会に追加される。来年になって1番がプログラムされているが、とりあえず今回でマーラーは一旦終わる。

 神奈川フィルとの定期会員も3シーズン目。たまに気になることもあるが、でも随分と技術も自信も深まっているように感じる。定期会員とは、そういう変化に気付く事なのだろう。長い付き合いになりそうだ。

   (2011年6月1日記録)

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