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2011年5月10日 (火)

映画:ミツバチの羽音と地球の回転

  監督       鎌仲ひとみ
  プロデューサー  小泉修吉
  映画館      シネマ ジャック&ベティ
  鑑賞       2011年5月9日
  参考       オフィシャルサイト
           上関原発予定地等からのライブ中継

 中国電力は山口県熊毛郡上関町、瀬戸内海に突き出た田ノ浦の山林を切り拓いて原子力発電所建設を計画している。田ノ浦の目の前には祝島がある。この島には、1000年以上前から伝わる神舞(かんまい)の祭りがある。四年に一度開催される祭りは、上関原発建設を巡る問題で2回続けて中止されたが、島民たちの思いが復活させた。

 このドキュメンタリーは、祝島島民の30年近くに渡る原発建設反対運動と島民の生活を描く。長期間に及ぶ運動に費やす時間も費用も生活を圧迫する。それでも運動を継続するのは、島の生活が好き、継続可能な環境を維持する、ささやかな願いが根底にある。

 山戸孝は、島にUターンした、島でもっとも若い働き手、妻と娘の三人家族。島の物産のネット販売や有機ビワ栽培などで自活の道を模索する。原発反対運動ではシュプレヒコールのマイクを握り、神舞の踊り手にもなる。この生活を奪う権利は誰にも無いことが伝わってくる。

 運動の中心となる山戸貞夫の言葉が重い。「島の人たちだけで原発計画つぶすっていうことは絶対できんって。だけど、引き伸ばすことはできるぞって。こちらができるだけ引き伸ばしている間に、社会情勢がどんどん変わってきて原発がもう必要ないような世界になってくれればいいし、もう原発はだめだという風な世論形成が出来てくれればいいんだけど・・・」。

 

 東電原発事故というあまりにも悲しい出来事が発生した。しかし、原発が建設されれば、事故が発生しなくとも、祝島の島民は自分達の生活基盤が破壊され、生活が出来なくなることを知っている。

 社会情勢が変わるということは、原発反対に直接取り組む現場にいない人たち、立法・行政、電力会社、広く利用者の意識が変わることだろう。祝島の素朴な生活、ささやかな願いの実現には、私が決して無関係で無いことを考えさせる。

 主義主張は脇に置いて、まずは観ることをお勧めします。

   (2011年05月10日記録)

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