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2011年3月25日 (金)

随想:未曾有の天災だったのか?

 物事を考える時、事実と意見は明確に区別する必要がある。そして、原因と結果は論理的整合性により結びつくかを吟味する必要がある。

 東電福島第一原発事故は未曾有の天災により引き起こされたとする論調もある。原発の安全神話は特定の制約下でのことだったのだろうか。

 原発事故に至る時間経過を大雑把に 地震->津波->事故発生 だ。未曾有の天災とは、地震を指すのか、津波を指すのか、はたまた両者を指すのか。

 

 「平成23年理科年表・国立天文台編・丸善発行」で津波について調べた。「津波規模(P709)」が整理されているのは、少なくともこの範囲の津波発生は過去にあったと推測する。

  規模階級 津波の高さ 被害程度
   -1   50cm以下  無被害
   0    1m程度   非常にわずかの被害
   1    2m前後   海岸および船の被害
   2    4~6m    若干の内陸までの被害や人的損失
   3    10~20m   400km以上の海岸線に顕著な被害
   4    30m以上   500km以上の海岸線に顕著な被害

 『東電福島第一原発を襲った津波は高さ14メートルを越えた。東電が想定していた5.4メートルの3倍近い(朝日新聞・2011年3月25日13版・大津波 東電甘い想定)』。高さ14メートルを表に当てはめれば3階級で、まだ上がある。

 

 同じく理科年表より「日本近海のおもな被害地震年代表(P714)」の一部を抽出した。さっとした整理なので参考に留めて貰いたい。

  1994.10.04 M8.2 北海道東方沖 花咲 1.73m
  1993.07.12 M7.8 北海道南西沖 青苗 10m超
  1983.05.26 M7.7 日本海中部  石川・京都・島根などでも被害発生
  1964.06.16 M7.5 新潟     新潟県沿岸 4m
  1952.03.07 M8.2 十勝沖    北海道 3m、三陸沿岸 1~2m
  1944.12.07 M7.9 東南海    熊野灘沿岸 6~8m、遠州灘沿岸 1~2m
  1940.08.02 M7.5 積丹半島沖  羽幌・手塩 2m、利尻 4m、金沢・宮津 1m
  1933.03.03 M8.1 三陸沖    綾里湾 28.7m
  1923.09.01 M7.9 関東大震災  熱海 12m、横浜 9.3m
  1896.06.15 M8.25 三陸沖    吉浜 24.4m、綾里 38.2m、田老 14.6m
  1854.12.24 M8.4 安政南海   串本 15m、久礼 16m、種崎 11m
  1854.12.23 M8.4 安政東海   房総から土佐までの沿岸

 綾里は、今回の大震災で大きな被害を受けた陸前高田の北に位置する土地だが、1896.06.15に38.2m、1933.03.03に28.7mを記録している。今回は被害を免れただろうか。

 

 今回の津波が未曾有の天災とは言い難いと思った。
 日本近海でマグニチュード9に至る地震はないようだ。世界に広げればある。「世界のおもな大地震・被害地震年代表(P748)」から抽出した。地震発生原理の相違など詳しいことは判らないが。

  1964.03.27 M9.2 USA:[Alaska EQ]
  1960.05.22 M9.5 Chile:[Chilean EQ]
  1957.03.09 M9.1 USA:Andreanof Is
  1952.11.04 M9.0 Russia[Kamchatka EQ

 

 「未曾有の天災だったのか?」との疑問を設定して初歩的な事項を調べた。市井の人々が未曾有の天災と思うのは無理もない。豊穣の大地や海が牙を向けた事実に、悲しみと憎しみの感情が何時までも薄れることはないように思う。
 しかし、原発を運用管理する東電(広く電力会社)・関係官庁・関係有識者が「未曾有の天災」などと言うことは許されないだろう(朱字追記)
現時点での私の結論は「未曾有の天災ではなかった」。

 今後の論調を吟味する基礎としたい。不安をあおるつもりなど皆目ないので念のため。

 参考:巡視船 大津波乗り越える瞬間

   (2011年3月25日記録)

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投稿: 早川まみ | 2011年3月25日 (金) 11時41分

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