美術:世田谷美術館「ある造形家の足跡:佐藤忠良」展
名称 ある造形家の足跡:佐藤忠良
彫刻から素描・絵本原画まで:1940-2009
会場 世田谷美術館
会期 2010年12月23日(土)~2011年3月6日(日) 、詳細は要確認
鑑賞日 2011年1月18日(火)
参考 公式HP
懐かしい思いがした。一つは、心象としての日本を作品から感じること。一つは、宮城県立美術館・佐藤忠良記念館開設直後、仕事先から何回か訪れたことを蘇がえらせて。
第1室:特別テーマ<冬>。「ボタン」には静けさと慈しみが漂う。モデルは幼い長女、後の俳優・佐藤オリエ。シンメトリカルなフォルムが反って新鮮だ。「ラップ帽」はポスターに使われている。
第2室:頭像-人間の相貌。頭像群は圧巻、見ごたえがある。モデルは私たちの隣にいるような市井の人。「群馬の人」は1952年制作、私がもっとも早く知った作品、具象彫刻(彫塑)の深奥さを何となく感じた作品。ちなみに「にいがた」が2009年制作。
第3・4室:女性像-人体の構造。裸婦像には華がある。「帽子・夏」は一番好きな作品。シンメトリカルな作品だが、うつむき加減に帽子を被り、腰かけて脚を開き、かかとを上げたフォルムに静謐な流動感かある。
第5室:子供の情景。長男達郎、長女オリエ、知人の娘や孫をモデルにした作品が並ぶ。彫刻家という特殊な職業の父と子供達の幸せな関係が感じられる。唐突だが「銀も金も玉も何せむに 勝れる宝子にしかめやも 山上憶良」だ。最近は揺らいだ例も伝わるが。
他に、素描・水彩、そして絵本原画などの展示も楽しい。
副題にあるように、1940年に世田谷で彫刻家の活動を開始してから2009年までの主要作品が展示される。1912年生まれだから今年で99歳だが、70年に及ぶ彫刻家としての足跡は偉大だ。そして足跡はまだ延びるだろう。
佐藤忠良の作品は観れば判りそうな気がする。何が根拠かは私自身定かではない。好きだからとしかいいようがない。最近は現代アート鑑賞に重心が移っているが、佐藤忠良の作品に心改まる思いがした。
しみじみとした好い企画展だと思います。砧公園の散策と合わせて、出かけてみませんか。
注:全ての写真は、企画展カタログから引用
(2011年01月21日記録)
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コメント
行く予定にしています。
職場の友人と調整中。
クラシッククルーズはチケット入手済みです。
この二日後に東京でもコンサートがあるのですが、
迷った末にやはりこちらにしました。
一度行ってみたかったので。
投稿: strauss | 2011年1月29日 (土) 01時39分
佐藤忠良展、ぜひお出かけ下さい。感想をお待ちしています。会期が充分
残っているので、私ももう一度出かけようと思っています。
クラシッククルーズ、後ほどチケット購入してきます。いつもは駆け込み
ですが、たまには前売を購入します。
投稿: F3 | 2011年1月30日 (日) 12時18分