« 路上観察:手水の使い方(2) | トップページ | 美術:川村記念美術館「バーネット・ニューマン」展 »

2010年12月 5日 (日)

音楽:神奈川フィル第267回定期演奏会

  指揮     現田茂夫

  独奏     遠藤真理(Vc)
  独唱     幸田浩子(S)
         山下浩司(Br)

  演奏     神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  合唱     神奈川フィル合唱団
  合唱音楽監督 近藤政伸

  曲目     團伊玖磨   :管弦楽のための幻想曲「飛天繚乱」
         サン=サーンス:チェロ協奏曲題1番イ短調
          (休憩)
         フォーレ   :レクイエム

  会場     横浜みなとみらいホール(1階29列24番)
  公演     2010年12月3日19:00~20:47

 

 年度末は3月だが2010年最後の定期。地味なプログラムで静かに一年を締め括るようだ。それも良し。

 

 「團伊玖磨:飛天繚乱」は晩年の作品、ヴァイオリンをマンドリンのように構えてのピチカートやトレモロ奏法があった。パーカッションが印象的だ。それを除けば、特異な技巧・奏法はなかった。プログラムの一曲目は初めて聴く曲が少なくない、まあ一曲目に限らないが。初めての曲は、印象もなかなかまとまらない。

 

 「サン=サーーンス:チェロ協奏曲第1番」は2管編成・単一楽章の三部構成、大曲ではないが味わい深い。遠藤真理は若い演奏家、経歴を確認すると20代のようだ。NHK「竜馬伝」第三部の音楽担当とのこと、私は視聴しないので知らないが。

 指揮棒一閃、オーケストラが一音を奏でるとすぐに独奏チェロが主題を提示する。これがチェロだ、というような厳しい表情の旋律ですぐに惹きこまれる。協奏曲にしては短い曲だがチェロの魅力を存分に楽しめた。遠藤真理はこれからも聴く機会は多いだろ。

 

 「フォーレ:レクイエム」は死者を静かに弔う情感に満ちている。最後のイン・パラディスム(楽園に)のように劇的なところもあるが、それすら控え目だ。フォーレの思いが良く伝わってくる曲だ。

 合唱は、最初は少しざらついた感じもしたが、次第にフォーレの思いを体現していて引き込まれていく。きょうも合唱が素晴らしい。独唱は華々しく活躍する機会が少ない。特にソプラノ、もっと聴きたい気もしたが、それは次の機会に。バリトンは良い声だ。演奏は小編成、ヴァイオリンが途中まで演奏することはない。オルガンも朗々と響かせはしない。
 合唱・独唱・演奏の全てが抑制されているが、そこから不要なものをそぎ落とした美しさが湧き出したようだ。イン・パラディスム、オルガンはトランペットの音色を選択したと思うが、天使が舞う中、騒々しい一年を締め括ったように思えた。

   (2010年12月05日記録)

| |

« 路上観察:手水の使い方(2) | トップページ | 美術:川村記念美術館「バーネット・ニューマン」展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 音楽:神奈川フィル第267回定期演奏会:

« 路上観察:手水の使い方(2) | トップページ | 美術:川村記念美術館「バーネット・ニューマン」展 »