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2010年11月18日 (木)

演劇:─現代劇の系譜をひもとく─Ⅱ「やけたトタン屋根の上の猫」

   11月15日掲載したものを本文800字以内にまとめたものです。
   今後は演劇・音楽等のの評・感想類は800字以内でまとめること
   にします、たぶん。その手始めです。

 

   作   テネシー・ウィリアムズ
   翻訳    常田景子
   演出    松本祐子
   出演  マーガレット   寺島しのぶ
       ブリック     北村有起哉
       メイ       広岡由里子
       ビッグ・ママ   銀粉蝶
       ビッグ・ダディ  木場勝己
       グーパー     三上市郎、 他

   会場    新国立劇場・小劇場
   公演    2010年11月9日(火)~11月28日(日) (詳細は要確認)
   鑑賞    2010年11月12日(金) 18:35~21:20(休憩15分)

 

 舞台はブリック夫婦の部屋。中央に大きなベッド、上手にバスルーム、下手に応接セット。奥はバルコニー、下手側は廊下、部屋の境はドアとドア枠で示されるが壁はない。下手手前の階段は奈落に消える。全幕、このセット。

 1幕、マーガレットは子供達に服を汚されて着替え、ブリックはバスに。マーガレットとブリックの会話は徐々にお互いの攻撃に移る。激高したブリックは松葉杖でマーガレットを叩こうとさえする。
台詞が多く大半は寺島。この雰囲気が後の伏線になるが軽い印象で終始。台詞の多さが身体表現を削いだような。北村もアルコール依存を感じさせない。後の伏線になる二人の対峙が少し薄っぺらだ。

 2幕、ビッグ・ダディとブリックの対話はやがて対立に。ブリックに財産を譲りたいビッグ・ダディはアルコール依存を止めようと説得を試みる。しかし同性愛を匂わす言葉を聞いたブリックはビッグ・ダディの余命幾許もないことを叫んでしまう。
木場は一代で大農場主にのし上ったビッグ・ダディの傲慢不遜さを良く表現する。確かな存在感。北村は金持ちの次男の立場・過去を背負う虚無感を表現してビッグ・ダディに対峙する。この場面は魅力的だ。北村は一幕と雰囲気が変わる。

 3幕、ビッグ・マザー、長男夫婦、次男夫婦が集まる。長男夫婦はビッグ・ダディの先を考え銀行に財産管理を任せようと書類さえ準備している。マーガレットは子供が出来たと嘘を言うが、一緒に寝ることのないブリックは何も言わない。
銀粉蝶が知らぬ間に金持ちになったビッグ・マザーの雰囲気を漂わす。広岡が狡猾な長男の嫁のメイをさもありなんと表現する。

 役者は各々に魅力的だが全体的な調和が稀薄だ。興味を持続できなかった。
 物語がありふれたものだからだろう。原作の否定ではなく、現実が追いついている。劇的な内容が相対的に薄まってしまっている。新訳だが、これを取り上げた意味も検証されるべきだ。

  (2010年11月18日記録)

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