講座:「知」の十字路・第3回
名称 明治学院大学 2010年度公開セミナー
「知」の十字路・第3回
場所 明治学院大学横浜キャンパス
日時 2010年10月19日 16時45~18時15
講演者 辻井喬[堤清二](作家・詩人)
対談者 原武史(明治学院大学国際学部付属研究所長)
私小説的対談と言ったらおかしいでしょうが、そのような印象を抱きました。端から見れば羨ましい実績を築いてきたように思えますが、様々な葛藤もあったことが窺えます。
その体験が言わせるのでしょうか、「主義主張は反対だけど、人間として魅力があれば会う気になるし相談する気にもなる」とか、「地位や肩書きでなく人間的魅力があれば、私は付き合う」と語ったのが印象的でした。人間的魅力が辻井のキーワードと思います。
当たり前のことようですが、異なる主義主張の他人と昵懇にできるか、地位・肩書きの目くらましを食らわないか、と問われれば答えに詰まりそうです。反面、冷酷になれないのが弱点だったかも知れないと感じました。
唐突ですが、話を聞いていて「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく 牧水」が浮かびました。これは青年の感傷だと思いますが、年を重ねたら払拭できるのか、そんな一面にも迫って貰ったら、さらに興味深いものが出てきたのではないかと思いました。
そうは言いながら、こういう機会でもなければ話を聞くことなど適いませんので、それだけに一時間余の対談は大変興味深いものでした。
長文のため、続きはこちらを参照願います。
(2010年10月27日記録)
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コメント
いいものを聴かれましたねぇ。
辻井ファンとしては羨ましい限りです。
それにしても、いつもよくメモを取られて、すごいです。
私なんて結局だらだらと漏らしてしまい、結局何が重要なポイントだったのかすら危うい。
続きの方も読ませて頂きましたが、面白かったです。
実際は数倍も面白かったことでしょうね。
投稿: strauss | 2010年10月27日 (水) 20時33分
Straussさんは辻井ファンですか。
私は恥ずかしいのですが、一冊だけ読んで講座に臨みましたけど所詮付焼
刃、判らない用語、脈絡が少なくありませんでした。メモを録るには録りま
したが、録音もしています。かと言ってテープ起こしでもなく、折衷です。
ただ、録音もスピーカの音を拾うだけですから、特に語尾などが鮮明でない
ところがかなりあります。後に、書名や人名は一応確認をとっています。
私は大いに時間の余裕がありますので、興味あっても忙しくて参加できな
い方の多少でも役に立てばと思って、そこそこに時間をかけています。
ただ、一番役に立っているのは自分です。整理する過程で、理解が進みま
す。結局は自分の為にやっているようなものです。
話はおっしゃるとおり大変面白かったです。時間が許せば、際限なく聞い
ていたいようなものです。
投稿: F3 | 2010年10月28日 (木) 01時08分