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2010年10月24日 (日)

随想:マスメディア

 

 前回の続き、朝日新聞 2010.10.22朝刊 東京本社14版(以下、新聞と言う)に関してもう一言。

 

 新聞は1面冒頭で『就任時などを除き、検事総長が会見に出るのは異例のこと。大林総長は「前代未聞の事態に至ったことを国民の皆様に深くおわびしたい」と述べる一方、「徹底した検証を行い、抜本的な改革案を講じたい」と組織改革に意欲を示した』と書いている。

 『組織改革に意欲を示した』と感じたようだが、何となく身内を褒めているような思いがする。問題発覚前なら、意欲的と表現するのもやぶさかでない。実際は追い詰められて言ったことではないか。市民感覚ではどうだろうか。

 

 新聞は3面社説で『検察の改革をめぐっては、柳田稔法相が第三者による検証機関の設置を表明している』『検察側に不都合な証拠も弁護側に開示するのはもちろん、被告に有利な証拠を見つけたときは速やかに伝える。これに反した場合は、法曹資格の取消しを含む厳しい処分を課す。単なる心構えではなく、そうした内容を盛り込んだ倫理規定の検討を急ぐべきだ。・・・・検察も弱さを抱えた人間の集団だという前提に立って、改革に取り組まなければならない』と書いている。

 検察外の動きあるいは提言がある中での組織改革は、意欲と結びつかないだろう。社説と1面冒頭のニュアンスは一致しているべきだろう。書き手の各々の立場が出ているような気もするが、それはまずいだろう。

 検証機関の人選も進んでいるようだが、最近、金科玉条のように頻出する民意とか、市民感覚を反映させる方法はないのだろうか。私は、プロがプロらしくふるまえば、民意とか市民感覚はもっと後退して良いと思っている。新聞は市民感覚や世論調査を大変に好んでいるようだから、言ってみたまでのこと。

 

 新聞は34面に『26日の聴取後、最高検は2人を地元の大阪に帰した。心境の変化を見るためだった。検察OBの弁護士は、「ヤメ検」と呼ばれる。大坪と佐賀に接触してきた関西のヤメ検を、地元に戻った2人は断ち切った。「最高検と後ろで手を握られるかもしれない」との不信感だった』と書いている。

 特に明示することは無いだろうが、『心境の変化を見る』のは最高検の誰か、『2人は断ち切った』は大坪と佐賀が、取材源だろう。だが本当に取材したことなのか、最高検は公式発表かリークか、それとも推測か。新聞を吟味しながら読むと、疑問が多々出る。

 

 『接触してきた関西のヤメ検を、2人は断ち切った』も、事実ならば凄いことだと思う。元検察官である弁護士を信用できないと言っている訳だ。それも素人でない、大坪と佐賀の元検察官(21日で懲戒免職処分だから)が言っているのだから。

 今後、何でも割り出す検察官と、手の内を充分知った元検察官の死闘が繰り広げられるのだろう。真実は一つ、矛と盾、壊れるのはどちらだろう。社会正義を十二分に意識した、マスメディアの正確な報道を期待したい。私はソーシャルメディアもアクセスしながら、自分なりの判断をするつもりだ。

    (2010年10月24日記録)

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