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2010年7月 1日 (木)

美術:ブルーノ・ムナーリ展(2010年6月28日)

  名称    ブルーノ・ムナーリ展  アートの楽しい見つけ方 
  会場    森横須賀美術館
  会期    2010年6月26日(土)~8月29日(日) 、詳細はこちら
  鑑賞日   2010年6月28日

 
 

 作曲家・武満徹の作品「ムナーリ・バイ・ムナーリ」は、ムナーリから贈られたオヴジェに触発されて生まれたらしい。それが記憶に残るか、あるいは美術雑誌で知ったか、一部作品を観たことがあるか。とにかく名前を知るものの、その作品をまとめて観たことはありませんでした。興味がありましたので、早めに出かけました。

 

 展示は次のように区分されています。

   第1章    機械とアート ---- ムナーリの原点 
   第2章    アートによるコミュニケーション
             ---- グラフィックワークを中心に
   第3章    空間を豊かにするアート ---- 彫刻、オブジェ
   第4章    生活を豊かにするアート ---- プロダクトデザイン
   第5章    手のひらのアート ---- ムナーリの本たち
   体験コーナー アートと遊ぼう ---- ムナーリの遊具

 大掛かりなインスタレーションを持て囃す傾向があるように思います。興味深い作品も少なくないのですが、背後に商業資本の影がちらくものもあるように思えます。

 「ブルーノ・ムナーリ展」に展示された作品はインスタレーションではありませんが、大掛かりなものもなく、商業資本とも隔絶していると感じました。威圧されることもなく、滋味かなとも思えます。でも、所々で思わず笑いがこみ上げてきたり、懐かしさを感じたりします。

 そう、副題にあるように「アートの楽しい見つけ方」が確かに、そこにありました。

 例えば第1章。機械は効率的に動くもの、役に立つものと言う概念の逆の概念として、「軽やかな機械」「役に立たない機械」などの作品が展示されていますが、平たく言えばモビール。小学生の頃、似たようなものを作った記憶があるでしょう。子供連れならば、対話が始まるきっかけになりそうです。

 第5章、ムナーリーの本たちは、谷川俊太郎、須賀敦子などにより翻訳されたものも多々あります。意匠をこらした美しい装丁で大いに楽しめます。

 作品が多方面にわたりますので、ブルーノ・ムナーリとは何かという思いに回答は得られませんでした。が、総合したものがブルーノ・ムナーリなのだとは思いました。貫くものがアートなのでしょう。

 今日から7月、学校の夏休みはもうすぐです。子どもたちと一緒に「ブルーノ・ムナーリ展」に出かけるのも素晴らしい思い出になりそうです。
 7月3日からの常設展は「原田和男・鉄の響きに耳を澄ます」。正式なタイトルではありませんが、意はこれで尽くしているでしょう。鉄の楽器の演奏、何か楽しそうです。私もまた出かけます。

 

 横須賀美術館は観音崎の海に面し、背後に観音崎公園が控えています。美術と海と山を同時に楽しめます。美術館併設のレストランから、行き交う船を眺めながらのランチも優雅です。が、いつ行っても混雑していますので要注意。

  (2010年7月1日記録)

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