演劇:第58回横浜能(2010年6月5日)
番組 狂言:花子(65分)
シテ(夫) 山本則俊
アド(太郎冠者) 山本則秀
アド(妻) 山本則重
能:弱法師(60分)
シテ(俊徳丸) 大坪喜美雄
ワキ(高安通俊) 工藤和哉
アイ(通俊の下人)山本東次郎
大鼓 柿原光博
小鼓 鵜澤洋太郎
笛 一噲幸弘
会場 横浜能楽堂
公演 2010年6月5日(土)
鑑賞 2010年6月5日(土) 14:00~16:20(休憩15分)
能舞台で能を観るのは初めて。以前、利賀フェスティバルにおいて合掌造り内の舞台で演じられた能を観たことがあります。その時も「弱法師」。狂言のみは何回か観でいます。
と言うわけで、極めて初心者ですが感想を整理しておきます。内容に迫れる訳もないことは承知おき願います。
500弱の客席は見た限り全て埋まっていました。公演数は多くないですが、一定数の固定客はいると感じました。
客席を見渡せば、女性は和服を着ている方も少なくありません。そこそこにきちんとした格好はしていると感じました。私はコットンパンツに半そでシャツ。あまり意識する必要なないでしょうが、次回は上着着用と思いました。が、あまり気にすることもないかと。
上演時間は休憩を含んで2時間20分。能が予定より10分ほど早く終えました。調べると、狂言1舞台・能1舞台だと2時間30分ぐらいになるようです。
横浜能のチケットは正面席4000円、二階席3000円。これはプログラム・出演者で大きく変わるでしょう。横浜能楽堂の場合、二階席の特に最前列はとても観やすい。私は原則として二階席。公演がない時は見学可能で、興味あれば下見して確認しておくことをお勧めします。
少しだけ演目について。
狂言:花子。「はなご」と読み、遊女の名前です。花子が都に出てくるのを知った夫は何としても会いたいと思います。妻と相談して、屋敷内の持仏堂で一夜の座禅を許されます。いやがる太郎冠者を代理にして、自分は花子に会いに行きますが、翌朝・・・。
言葉が多く、動きは少ないと思いました。言葉は独特な発声ですから、上手く聞き取れない部分が多かったです。ストーリーは単純ですから、理解に苦しむことはさほどありません。慣れること、数をこなさないと。
能:弱法師。「よろぼうし」と読みます。高安通俊は、他人の告げ口を信じて我が子・俊徳丸を追い出しますが、それを後悔して天王寺で七日間の施行を行います。そこに「弱法師」と呼ばれる盲目の青年が現れ、天王寺縁起を語り、日想観(沈む太陽観て、極楽浄土を想う)を拝み、心の難波浦を偲び、盲目の身を悲しみますが・・・。
動きは少なく、能楽・地謡でつなぐ部分も多々あります。総合芸術です。面をつけているので声がこもるのは仕方ないところです。やはり慣れること。
天王寺は、大阪の四天王寺の略称。この一帯を何回か散策したことがあります。西に少し進むと地形は大きく落ち込みます。上町台地の外れ。今は通天閣やビル街が望めますが、昔は難波津が広がっていたようです。瀬戸内海に沈む夕陽、日思観の修行が目に浮かびます。台地の外れの大江神社境内に「あかあかと陽はつれなくも秋のかぜ 芭蕉」の句碑。ここで詠まれた句ではないのですが、ピタリはまっていると思ったことがありました。
多少の下地があればより楽しめそうです。少しづつ知識吸収に努めます。
(2010年6月6日記録)
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コメント
二階席がある能楽堂はいいですね。
企画も魅力的だと普段から思っていました。
狂言「花子」はTVで観たことがあるような……。はっきり覚えていません。歌舞伎「身替座禅」は何度か観たので下敷きとなった「花子」と混同してるかもしれないです。
固定客は多いでしょうね。着物姿というのは能の講座でもよく見かけます。お召しになる方の気持ちなのでしょうか。
投稿: strauss | 2010年6月 7日 (月) 11時48分
Straussさん、こんばんわ。
正面席後方部分に二階席が重なります。よって舞台からは遠いですが、視界は良好です。能面のディテイルなどはオペラグラスでたります。
「花子」は内容が難しくないだけに、表現に重きがあるのでしょうけど、その理解がなかなか難しいです。
そう簡単に判るわけはないので、これから取り組む価値がありそうです。ぼちぼちと。
投稿: F3 | 2010年6月 7日 (月) 23時15分