音楽:神奈川フィル第264回定期演奏会(2010年6月26日)
指揮 小泉和裕
独奏 矢野玲子(vn)
演奏 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目 ブラームス :ヴァイオリン協奏曲ニ長調
(休憩)
ブラームス :交響曲第1番ハ短調
会場 横浜みなとみらいホール(1階29列24番)
公演 2010年6月26日14:00~15:55
若き小泉和裕を聴いたことがあります。恐らく新日本フィル、曲は「トリスタンとイゾルデ・前奏曲と愛の死」、後は何だったか。カラヤンコンクール優勝直後で颯爽としていました。
暫らくして私はオーケストラに足を向けなくなり、2009年から神奈川フィル定期に通うようになりました。今回の定期で、およそ30年ぶりに小泉和裕を聴くことになりました。舞台の出入り、指揮ぶりは相変わらず颯爽としていましたが、さすがにお年を召した感じ。私も同世代、自分もお年を召したのだろうなと、音楽とは程遠い思いに浸っていました。
さて名曲コンサートの趣のあるプログラムも良し。淡々と響きわたる演奏もまた良し。何か変化しなければならない雰囲気が支配的な世の中ですが、変化しないものがあることも大切だと感じました。ミクロ的に見れば変化していないことなど無いでしょうが、でもそのように感じさせるのが名曲であり、名曲の良い演奏ではないでしょうか。
V協独奏の矢野玲子(りょうこ)は、見た目にも若さがみなぎっていました。まだ30歳前だと思います。新鮮な演奏でしたが、随分と堂々しているようもに感じました。演奏ばかりでなく、待っている時など観客席を見やったりして。不可能でしょうが、30年後にどのような演奏をするか聴いてみたい思いがしました。
1番は、またオーケストラを聴きだして、本当に良かったなと思いました。ティンパニー連打を伴う冒頭から、4楽章のベートーベンを思わせる主題、フィナーレに向けて高揚していく気分。どの部分ということでなく、どのパートということでなく、総合力。弦はいつもより少し乾いた音色に感じましたが、それさえブラームスに適していたと。小泉和裕のカラヤン風なものが出ていたのでしょうか。神奈川フィルもそれに応えたと。
(2010年6月28日記録)
| 固定リンク | 0
コメント