読書:最近の読書から(2010年6月16日)
1. 『Twitter革命』
2. 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』
1. 『Twitter革命』
神田敏晶著、ソフトバンク新書・118、730円+税
Twitter(以降、ツイッター)とは何か。「140字のミニフログ」と言ってもブログを知らないと想像つかないだろう。140字でどのようなメッセージを伝達できるか疑問も湧くだろう。
判らないまま年初にツイッターを始め、それから本書を読み、最近再読。
ツイッターは玉石混交の情報が向うからやってくる。ブログ等既存のサービスは自分が情報を探す、その点がまずは異なる。
誰からやってくるかと言えば、原則はフォローした人から。どのような人をフォローできるか、例えば、原口総務大臣、タレントの水道橋博士、参議院議員の山本一太・世耕弘成。オバマ大統領も。有名・無名の多くである。
相手が自分をフォローしていれば、自分のメッセージは時々刻々相手に届く。フォローしていなくとも、相手のアカウントを指定すれば自分のメッセージは届く。
誰かのメッセージを、その人をフォローしている人以外に届けたければ、リツイート(ReTweet)。そのまま、あるいは自分のメッセージを付加して届ける。これも既存サービスと異なる点である。
極めて一面を説明した。本書は「革命はもう始まっている」「ツイッターの何がすごいか?」「メディア革命」「ビジネス革命」「革命は終わらない」との章立て。ツイッターの基礎知識からサービス利用面の一通りの知識を与えてくれる。
知らないことだから、そんなものかと思う。ツイッターを始めたら異なる一面を発見するかも知れない。それで良いだろう。
新しいことを始める時、ゼロからスタートするか、手っ取り早く多少の知識を得てスタートするかである。後者を選択するなら、本書は役に立つだろう。
2. 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』
上杉隆著、株式会社晋遊舎、900円+税
著者はフリージャーナリスト。本書は著者の対談を記録したもの。副題は「マイクロジャーナリズムが政治とメディアを揺らす8つの話」。
対談相手は、原口一博(総務大臣)、水道橋博士(タレント)、山本一太(参議院議員)、世耕弘成(参議院議員)、逢坂誠二(内閣総理大臣補佐官)、岩上安身(ジャーナリスト)、亀松太郎(ネットメディア記者)、畠山理仁(フリーライター)の8人。いずれも、マイクロジャーナリズムのどこかに位置する。
水道橋博士:記者クラブが存在するのは世界中で三カ国、ガボンとジンバブエと日本。著書に書評が付くが、唯一つ「ジャーナリズム崩壊」は書評が一文字もなく、口コミで売れた。ツイッターを利用すればこれが可視化できると気付く。それは一瞬で記者クラブの壁をやぶるというより、壁を越えたきっかけ。
原口総務大臣:ツイッターは権力者にではなく、一般の人にとっての武器になる。政治システムそのものを変えることになるかも知れない。既存クラブのメディアは、新聞にせよテレビにせよ加工された情報が出る。ツイッターは未加工の情報、これまでとは180度違うものがたくさん出る。
岩上安身:マスメディアの記者クラブの特徴は、官僚と結託することにより情報をコントロールすること、それを「官報複合体」と造語した。ツイッターを使えば、旧来のメディアを通さない、「中抜き」で情報を送ることができるけれど、間に入って論評することは必要になる。そのとき大資本がいまあるような新聞しか作っていなかったら日本人にとって不幸。カウンター情報を出すところも作ってほしい。
ツイッターやUstreamなどを利用するマイクロジャーナリズムの可能性は大きい。そしてフラットな世界だ。ダイレクトに事実を知り、意見を表明する、新しい政治の形態が生まれつつある。その中にあなたが加わるための敷居は低い。
ここで対談する8人+1人は、マイクロジャーナリズムの各々の場所に位置し、核ともなる活動をしている。政治の世界で何が起きているか、今後の可能性は、本書からその先端がうかがえる。
興味があれば、いや興味がなくともとりあえず、未来の為にいささかの読書時間と1000円弱の投資を避けるべきではないと考える。
(2010年6月16日記録)
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